北米トヨタ、電動モビリティ方針を示す「エンパクト」ビジョンを発表

北米トヨタは、「Mobility for All(すべての人にモビリティを)」と「Leaving no one behind(誰も置き去りにしない)」という指導原則に従い、恵まれない地域が電動化の未来に移行するのを支援する新しいビジョン「Empact(エンパクト)」の概要を発表した。

都市と協力して効率的な充電ステーション配備を決定

エンパクトは、カーボンニュートラルに向けたトヨタの動きに焦点を当てた「環境への影響」と、恵まれない地域社会でより公平で包括的な展開戦略を設計するためにトヨタが行なっている努力を示す「行動力の強化」の組み合わせに基づいている。また、この戦略は、「充電へのアクセス」「手頃な価格のモビリティソリューションの提供」「二酸化炭素排出量の削減」という3つの基本分野を軸としている。

トヨタは、バッテリー電気自動車の普及を促進するため、より費用対効果の高い公共充電を施工する方法を検討している。現在、DC急速充電は家庭用充電に比べて最大3倍近く高価であり、公共充電に依存する人々には不釣り合いな負担となっている。トヨタは、「Beyond Zero」ビジョンの一環として、31,000ドル(≒426万円)以下のハイブリッド電気自動車4種、プラグインハイブリッド電気自動車2種、オール電化のトヨタbZ4Xなど、電動化車両の選択肢が拡大されていく。レクサスも、オール電化のRZ 450eを含む8つの電動化車両の選択肢を提供している。トヨタのモビリティソリューション「KINTO」は、ビジネスや個人的な用途でゼロエミッションのレンタカーへのアクセスを向上させ、より多くのドライバーが車両所有の費用をかけずにバッテリー電気自動車の恩恵を受けられるようにすることで、この試みを支援する方法を模索している。

トヨタが注力する3つ目の分野は、充電に伴う排出ガスの削減ですべての市民のための大気環境の改善に貢献するが、特に不公平な負担を強いられる場合のサポートに貢献する。トヨタはすでに、発電所の近くに住む人々にとって系統からの充電の方が二酸化炭素排出量が少ない、あるいは長期的に健康への影響が少ないと予測される場合に、バッテリーカーやプラグインハイブリッド車の充電時間を推奨する非営利団体「WattTime」との連携を開始している。さらに、トヨタのClean Assistオプトインプログラムでは、リモートコネクトのトライアルまたは契約が有効で、トヨタまたはレクサスのBEV、あるいはカリフォルニア州のトヨタまたはレクサスPHEVを使用している米国の顧客は、充電の100%を再生可能な電力でまかなうことができる。

最初のプログラムは今年後半に発表

トヨタの電動車両は、他の自動車メーカーの合計よりも多い2,200万台以上の電動化モデルが市場導入されている。トヨタは2030年までに、バッテリー電気自動車に最大350億ドル(≒4兆7,000億円)を含む、700億ドル(≒9兆4,000億円)以上を自動車の電動化に投資する。米国では、バッテリー電気自動車「bZ4X」、燃料電池自動車「MIRAI」、プラグインハイブリッド電気自動車「プリウス・プライム」「RAV4 プライム」など、現在14の電動化車両を提供している。レクサスブランドでは、電気自動車「RZ 450e」、プラグインハイブリッド車「NX」、近日発売予定の「RX PHEV」など、現在8車種の電動化モデルが展開されている。

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