自動車業界において、構造用接着剤の使用が増加している。軽量化による剛性低下への対策と、異種素材の接合という新しいニーズがこの背景にある。接着剤の作用原理は複雑であり、原子レベルでの共有結合やイオン結合、分子レベルでのファンデルワールス力など、さまざまな要素が絡み合っている。このような理論的背景を持つ接着剤は、繰り返し応力や衝撃にも耐えうるため、自動車のボディにおいても非常に有用である。
特に、接着剤は自動車の鋼板の接合においてオーダーメイドで設計されることが多い。鋼と鋼の接合においては、抵抗スポット溶接と併用することで、剛性と靭性が向上する。欧州では一台の車に150mもの接着剤が使用される例もあり、その効果は大きい。
また、異素材同士の接合においても接着剤は威力を発揮する。CFRPと金属の接着例などで見られるように、構造用接着剤は電位差腐食の懸念も解消する。
詳細を読む→構造用接着剤で要所を固める―長期間の繰り返し応力に耐える性能