自動車業界における樹脂製バックドアの開発が注目される中、八千代工業はこの分野で画期的な進展を遂げている。樹脂化は軽量化とデザイン自由度の向上を可能にし、車両の商品性を高める潜在能力を持っている。特に八千代工業が2009年の東京モーターショーで披露した樹脂製バックドアは、鋼板製品に比べて約40%の重量削減を果たしており、2025年の市販車採用に向けて準備が進められている。
しかし、樹脂製品の製造は多くの課題を抱えている。コスト問題が最大の壁であり、生産サイクルの遅さ、接合部の強度不足、そして接着剤による熱収縮による寸法精度の問題などが解決を要する難題として挙げられる。また、接着剤の硬化には時間がかかり、その物性による製造プロセスへの影響も見過ごせない。
音響特性の面でも、樹脂の遮音性の低さが課題となっており、適切な設計による共振の回避や吸音材の使用などが求められる。さらに、樹脂ガラスの導入は、高コストと表面保護技術の課題から、当面は実現が困難であるとされる。
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