東レの炭素繊維技術は自動車業界に新たな可能性をもたらしている。炭素繊維は重量が軽く、錆びにくい上に強度が高い。しかし、その採用はコストと市場のニーズに左右されている。
TEEWAVE AR-1のような炭素繊維を多用した車両は市販には適さない。自動車へのカーボン素材浸透は補強材やシート状態での加工に限られ、高価な車両でのみ実用的だ。
CFRPの適用には織物の選択や樹脂の使用が重要で、これにより製品の特性が決まる。また、CFRPの組み合わせには、熱可塑樹脂や鋼材との相性が鍵となる。特に鋼とのハイブリッド化は、技術的な合理性と経済性が求められる。
東レは、ナイロンベースの熱可塑カーボンを商品化し、既存設備の流用を提案している。この技術は、例えば衝突時のエネルギー吸収に優れたクラッシュボックスの開発に活かされている。