ジェイテクト、「軽量・コンパクト コラムアシストタイプ電動パワーステアリング(C-EPS)」を新開発。中国・広州汽車 E8が採用

ジェイテクトは「軽量・コンパクト コラムアシストタイプ電動パワーステアリング(C-EPS)※1」を新たに開発したことを発表した。本製品は、广州汽车集团股份有限公司が11月17日に発表したミニバン「E8」に採用されている。

軽量・コンパクトC-EPSについて

ジェイテクトが1988年に世界で初めて開発・量産して以来、世界シェアNo.1※2を誇るステアリングシステムは、自動車の「曲がる」機能を担うもので、このうちC-EPSは、パワーアシストユニットをステアリングコラムに配置するタイプとなっている。今回、燃費向上や衝突安全性向上といった市場ニーズに応えるべく、「軽量・コンパクト」をコンセプトに開発された。

軽量・コンパクト コラムアシストタイプ電動パワーステアリング
ステアリングコラム搭載位置

開発品の特長

(1) C-EPSの軽量・コンパクト化による環境負荷低減

EPSにはモータの回転力をステアリングアシストに必要な駆動力に増幅する減速機を搭載しており、今回、高強度かつ高減速比タイプの減速機が採用された。高減速比化はモータの出力を抑えることにつながり、モータの小型化を可能にしている。これにより減速機~モータ長において従来比8%削減、C-EPS全体質量において従来比11%低減を達成した。

また、小型化した新開発モータでは、ジェイテクト独自の補正制御によりモータのトルク変動を抑制し、モータ作動音を従来比50%以上低減し、静粛性向上も達成している。

減速機~モータ小型化

(2) トルクセンサ部3小型化による衝突安全性能の向上

C-EPSは、衝突の際にドライバーへの衝撃を吸収し、傷害を軽減させるための衝撃エネルギー吸収構造を有している。本開発品では、トルクセンサ部の小型化により衝撃エネルギー吸収ストロークを従来比15%増加することができ、コンパクト化と衝突安全性能向上が両立された。

トルクセンサ部小型化

今後の展望

本製品においては中国現地法人と連携し、市場のニーズに応えるために、設計・製造・調達をゼロから見直し、開発が行われた。本製品は中国のみならず、世界中の自動車メーカーに提案を推進していく。

【注釈】

※1 C-EPSは、株式会社ジェイテクトの登録商標。

※2 ジェイテクト調べ

※3 トルクセンサ:ステアリングホイール(ハンドル)の操舵トルクを信号検出するセンサ。

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