多用途に富んだ自動運転システムの開発
ドイツ連邦経済・気候行動省が資金を提供し、VDAのフラッグシップ・イニシアチブである自律走行・コネクテッド・ドライビングによって開始されたこのプレ競争的研究プロジェクトの成果は、2023年11月にシュトゥットガルトのカール・ベンツ・アリーナで開催される最終プレゼンテーションで詳しく説明された。
自動運転のレベルが高ければ高いほど、また、システムの適用領域が複雑であればあるほど、開発時に考慮すべき要素は多くなる。高速道路走行用の最初のSAEレベル3システムと、ドライバーレス駐車用のSAEレベル4システムはすでに承認されている。これらのシステムの用途を都市交通など他の用途に拡大することは、車両とシステムがより複雑になり、はるかに厳しい要件になることを意味する。このため、適切な検証・妥当性確認方法が必要であり、VVMプロジェクトの焦点となっている。
VVM研究プロジェクトの本質は、自動運転機能が安全かつ確実に反応し、精度と品質の面で顧客にもメリットがあることを検証することとされており、ドイツ自動車産業の活動指針は、進歩した技術をいち早く導入することだけでなく、常に信頼できる安全な車両とシステムを提供することに重きが置かれている。
自動運転機能の設計・開発においては、初期段階から安全性が最優先されていることは言うまでもないが、車両が道路交通での使用を承認され認定されるには、安全機能が継続して検証され続けなければならない。この検証を行うために、21のプロジェクト・パートナーは、一連の手順、手法、ツールからなるモデルを共同で開発した。これにより、システムが安全に使用できることを検証するために「セキュリティ論証」を採用している。この論証が業界全体に適用されれば、その定義モデルは自動運転車の安全性を検証するための基礎となるとされている。