アルプスアルパイン、自動車インテリアの加飾印刷技術を活用した「NINJA」を商標登録

アルプスアルパインは、独自のステルス加飾技術を活用した製品群を「NINJA」と命名し、商標を取得したことを発表した。「NINJA」製品は、車室内インテリアと自然に調和しつつ、機能性とデザイン性を両立することで、車両全体の品位向上に貢献する。2025 年春から市販市場および OEM製品への納入が予定されている。

背景

数年前より、自動車業界は大きな変革期にあると言われており、電動化や自動運転化、コネクティッド、シェアリングなどの動きが盛んになっている。加えて、近年では車室内空間のデザイン性や機能性が重要な差別化要素となっている。

デジタル・キャビンは、安心・安全・快適・感動といった要素を兼ね備えた空間づくりを実現するため、ハードウェア、ソフトウェア、そして感性領域のすべてを一体化させた開発が進められている。さらに、最適なインプット(スイッチ、タッチパネル、センサーなど)、アウトプット(ディスプレイ、オーディオなど)、それらを制御する製品(ECUなど)を組み合わせることで、車に乗り込む瞬間から移動中、そして降車するまで、あらゆる場面で豊かで快適な移動体験を提供することが目指されている。

デジタル・キャビンでは車室内に一体感と品位を持たせることが重要視されている。そのアプローチの一つとして、操作ボタンやディスプレイを木目調や金属調の車内インテリアと調和させ、使用時にのみ表示が浮かび上がるステルス加飾技術が採用されている。この技術を活用した製品群に「NINJA」という名前が付けられ、多くの関連製品を市場に提供することで、車室内空間の進化が目指されている。

「NINJA」概要

「NINJA」はステルス加飾技術を用いた製品群の呼び名である。アルプスアルパインのステルス加飾技術は、特殊顔料と微細加工技術を融合した革新的な印刷技術と、加飾模様の影響を受けない独自開発アルゴリズムによって、表示の見やすさと本物の素材感や手触り感が実現されている。

パネル、フィルム、印刷、成形品などの加飾層が前面に配置され、その背面に表示装置や操作子を組み込む構造を特徴としている。 製品群は下記の4種に分類される。

  • CAMERA:ドライバーカメラやキャビンモニタリングシステム
  • DISPLAY:メーターやインフォテインメントディスプレイ
  • LIGHTING:車内照明やインジケーター
  • SWITCH:ボタンやタッチパネル

用途例と展望

第一弾として、2025 年春に「ハイエース専用コンソール取付型ワイヤレス充電器」がアルパインブランドから発売予定とされている。通常時は黒いコンソールに見えるが、充電中にはインジケーターが表示される仕様が特徴。この製品は、2月7日から開催される「大阪オートメッセ」で初公開される。

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