「現行スカイラインのGTグレードで400Rを超えろ!」520馬力のブーストアップ仕様を試す!!

ノーマルの400Rを軽く凌駕する走行性能

GTグレードはブーストアップ仕様が美味しい!

2019年7月にビッグマイナーチェンジを果たしたV37型スカイライン。心臓部には新たにGT-Rの系譜とも言えるVR30DDTTが与えられ、トップグレードの400Rは歴代最強の405馬力を手に入れた。

当然ながらチューニング業界がこの素材を見逃すわけもなく、多くのメーカー&ショップがデモカーとして導入。以来、VR30DDTTの潜在能力を引き出すべく研究を続けているという状況だ。

400Rチューニングが盛り上がりを見せる中、名門“フェニックスパワー”は「素のGT300グレードも400Rもエンジンは同一。ならば…」という仮説を立て、400Rと並行させる形でベースグレードのECU解析にも乗り出した。

そしてトライ&エラーの末に、なんと排気チューン+ECUセッティングのみで、純正の320ps(実測値)から200馬力アップとなる528.96ps/77.49kgmを記録してしまったのである。この上がり幅は400Rと同等。横山代表の読みは見事に当たったというわけだ。

「300GTと400Rのエンジンは共にVR30DDTT。違いはウォーターポンプの数(300GTの1つなのに対し400Rは2つ)と、ECUのセッティングデータくらいなんです。狙い通りでしたね」とのこと。

上が純正/下がフェニックスパワー製

また、この車両は高出力を安定発揮させるためにフェニックスパワー独自の“大容量ヒートエクスチェンジャー”を投入しているのもトピックだ。

RV37型スカイラインの水冷式インタークーラーは、ラジエター前にヒートエクスチェンジャー(熱交換器)を備えている。フェニックスパワーではそのヒートエクスチェンジャーの厚さを15mmから35mmへと拡大。さらにアルミ3層構造とすることで、吸気温度上昇速度の大幅な遅延に成功したのだ。

街乗りメインのため、タイヤには静寂性とスポーツ走行性能を両立したポテンザS007A(F245/35R20 R275/30R20)をチョイス。ホイールはボルクレーシングの鍛造1ピースモデルG025を組み合わせる。

室内は実用的な小物を取り付けたくらいでノーマルをキープ。実用性が高く、いざアクセルを踏むと速いというのが最新のスカイラインチューンの王道と言えそうだ。

エクステリアにはフェニックスパワーのフルエアロシステムを投入し、スポーツセダンらしいシャープなルックスを構築。マフラーはトラストのGReddyストリームRで、スポーツキャタライザーも装着して排気効率を高めている。

このチューンドの性能を探るべく、今回は高速周回路に車両を持ち込んで最高速アタックを敢行した。

アタッカーを務めたDaiこと稲田大二郎は「イジった400Rと全く違いが分からない(笑) ユーザー車両だったので限界アタックはしなかったけど、それでも280キロを超えたのは凄いよ。足回りも安定していたし、踏み切れば290キロくらいは狙えたかもしれない。簡単なブーストアップでここまで速くなるのは恐ろしいな」と評価。

正式記録は280.03km/h。この数値はブーストアップ仕様の400Rと同レベルだ。

400Rの販売価格は562万5400円。対するGTグレードは435万3800円で、その差は約120万円ということになる。そう、あえてGTグレードを購入し、その差額分をチューニングに当てれば、400R以上のパフォーマンスを持つスーパーセダンが簡単に作れてしまうのである。

●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157

【関連リンク】
フェニックスパワー
http://www.phoenixs.co.jp

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