満車のSAとPA。①~③のどれを選ぶのがいい?

イメージしてみてください。帰省ラッシュの帰り道(復路)。アナタは愛車のワンボックスカーに奥さんと子供たちを乗せ、渋滞20kmの高速道路を走行。「すり抜けのできるバイクなら、もっと早く帰れるのになー…」と思いつつ、前車のテールを眺めています。

途中、トイレ休憩がてらパーキングエリアに立ち寄ることに。しかし駐車場に続く道も渋滞中……。そしてようやく駐車場が見えてきました。アナタなら下記イラストの、

① 建物に一番近いブロックの方向
② 真ん中のブロックの方向
③ 建物から離れているブロックの方向

どの方向に進みますか?

休日はもちろん、平日でも非常に交通量の多い、都心と千葉県を結ぶ「京葉自動車道・幕張パーキングエリア」へ出陣。お盆休み真っ盛りの混雑時(翌日は関東地方に大型台風直撃の予報あり)に、“オススメしたい駐車方法”や「駐車車両の回転率」をリサーチしてみた。

【調査データ】
●計測日:2024年8月15日(お盆休み中日の終戦記念日)
●計測時間:12時~14時頃
●調査場所:京葉道路(有料道路)・幕張パーキングエリア(下り線) 千葉県千葉市花見川区幕張町
●当日の気温:34℃(気象庁発表)
●備考:翌日の8月16日に大型の台風7号が関東地方を直撃するという予報あり。お盆休みの中日、皆さんは予定を前倒ししたためか、パーキングエリアは上り・下りとも非常に混雑。
平日でも交通量が多く、利用者の多い京葉道路の「幕張パーキングエリア(千葉県千葉市)」。写真の建物はフードコート、カフェ、スイーツなどを備えた「商業施設Pasar(パサール)」。写真は下り線。
京葉道路「幕張パーキングエリア・下り」の駐車場(簡略図)。①②③のどこに進むのが良い?
京葉道の「幕張パーキングエリア(下り)」。上りに比べ、下りの駐車エリアは非常に広大。写真は商業施設「Pasar(パサール)」にもっとも近い、①最前列の進入路。②に比べ、回転率は予想以上に鈍い(施設内で昼食中か?)。
商業施設「Pasar(パサール)」にもっとも近い、①最前列の進入路。混雑時のこの通路は、商業施設やトイレに向かう。もしくは駐車車両に戻る歩行者が多く、渋滞することもしばしば。これにより回転率も明らかに低下している。
京葉道「幕張パーキングエリア(下り)」の②進入路。駐車する車両と出発する車両が絶え間なく、回転率も非常に良好。定点観測していても、①や③に比べ、気持ちの良いくらい出入りがスムーズ。
京葉道「幕張パーキングエリア(下り)」の③進入路。右側の駐車エリアは軽自動車や普通自動車に加え、中型自動車や大型自動車も駐車可能。右側に駐車の車両の動きは、②に比べて鈍い。

お盆休み真っ只中、国内でも有数の交通量を誇る「京葉道」にある『幕張パーキングエリア』で調査を実施

「混雑時に空きスペースを見つけやすい方法」を探るべく、お盆休み真っ只中の京葉自動車道の「幕張パーキングエリア」に出陣。都心につながる京葉道は、平日・休日を問わずに交通量が多く、特に朝夕のラッシュ時は渋滞が酷く、「幕張パーキングエリア(上下線あり)」は常に混雑することでも有名だ。

一般的にほぼ満車状態の混雑した高速道路や有料道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)では、比較的空きスペースが見つかりやすいブロックと、そうでないブロックが存在するのが特徴。今回の調査でも、明確にそれらが確認できた。その結果は…

SAやPAの駐車場は空きスペースが見つけやすいブロックと、そうでないブロックが存在。その理由は?

今回は上記パーキングエリアで定点観測し、「10分間で車が何台出ていくか?」の回転率を調査。

その結果、トイレや食堂にもっとも近い①ブロックは8台、真ん中の②ブロックは19台、建物から遠い③ブロックは6台のクルマが駐車場から出庫した。

出庫数の違い。つまり回転率の違いは、

①ブロック:建物に一番近い①ブロックの方向は一見、距離も近くて便利そう。しかし右側・左側に駐車スペースのある②ブロックと③ブロックに比べ、駐車スペースは右側のみの半分。しかも建物に近い“人気エリア”のために競争率が激しく、空きが見つかりにくい

③ブロック:建物から離れている③ブロックの方向は、両側に駐車スペースがあるため、①ブロックよりも駐車場所確保の確率が2倍にアップ。しかし問題なのは、建物からもっとも離れている右側の駐車スペース。ココは仮眠や車内での飲食など、長時間駐車する運転者が多い傾向があり(バスやトラックなど大型車専用としている場合も多い)、回転率がやや低い。

これは「建物に近い所に長時間駐車するのは、待っている人に申し訳ない」という心理が働くこと。また、車内で仮眠や飲食する人は、「まったりとくつろぎたい」という心理が働き、車両や人の往来が激しい最前列を避ける傾向が強いためだと推測

②ブロック:真ん中の②ブロックの方向は、両側に駐車スペースがあるため、③ブロックと同様、①ブロックよりも駐車場所確保の確率が2倍にアップ。また左側も右側も回転率が良いため、空きスペースがもっとも見つかりやすい

と推測。

以上の傾向とリサーチから、混雑時にもっとも駐車スペースを見つけやすいのは、②>③>①の順(あくまでも編集部の調査による結果。日時や渋滞状況等により異なる場合あり)。渋滞時や混雑時にサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)を利用する際は、ぜひともお試しあれ!

取材当日はお盆休み真っ只中の終戦記念日(8月15日)で、PA内は非常に混雑。34℃の猛暑の中、普段はいない交通誘導の警備員さんが配置され、車両を誘導。写真は②ブロック地点の様子。暑い中、本当にご苦労様です!
③ブロックの後ろのエリアにある最後列の駐車エリア。ここは大型トラックや観光バス専用の大型車専用エリアとなっている。取材時は満車の状態。調査時、このエリアの回転率は非常に鈍かったのが特徴。
高速道路や有料道路のSAやPAには、すべて2列の駐車スペースを設けたパターンもあり。この場合でも、①ブロック方向は②ブロック方向に比べ、駐車スペースの競争率が高くなってしまうのが特徴。全2列型も混雑時にも、やはり②ブロックを選ぶのがベターだと推測。
写真はお盆休み真っ只中のお昼前の模様(11時半頃)。フードコートスペースはこの時間を境に、一気に込み合ってきた(写真は下り)。
千葉県産の牛乳を使用した京葉道「幕張PA・上り」名物の『完熟バナナミルク』。これはお世辞抜きに美味しい! 下りではなく「幕張PA・上り」にあります。
「幕張PA・上り」に来たら、名物の『完熟バナナミルク』をお試しあれ。
「幕張PA・上り」名物の『完熟バナナミルク』は、コクがありつつも、あっさりした風味がポイント。
取材時の気温は厳しい暑さの34℃(気象庁発表)。酷暑のためかバイク専用ステーションは少なめで3台のみ。手前は「ナナハンキラー」と呼ばれた伝説の超お宝モデル、水冷2スト350ccエンジン搭載のヤマハRZ350。外観はほぼ完全フルノーマル。超が付く貴重車です!

※注:上記はあくまでも編集部の調査によるものであり、日時や渋滞状況等により異なります。

サービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)の違い

高速道路の休憩施設は、提供するサービスの内容や休憩施設相互の位置関係により、サービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)に区分されています。

一般的にサービスエリアには休憩所、駐車場、トイレに加え、売店、食堂、給油所などがあり、施設が充実。一方、パーキングエリアには駐車場、トイレ、場所によっては売店や食堂が設置されており、給油所はありません。

基本的にサービスエリアは50kmごと、パーキングエリアは15kmごとに設置されています。

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