BMW M4
BMW M4とは

「BMW M4」は、「BMW 4シリーズ」をベースにBMW M社が開発した高性能モデルである。初代M4は2014年に登場し、M3クーペの後継として位置づけられた。現行のG82型では、3.0リッター直列6気筒ツインターボ「S58」エンジンを搭載。最高出力は530PSに達し、圧倒的な動力性能を誇る。日本に導入されているM4 Competition M xDrive クーペ/カブリオレはBMW M初の可変4WDシステム「M xDrive」を装備し、走行性能がさらに進化した。エンジン、シャーシ、電子制御を一体として作り込むことで、BMW M4はサーキット走行から日常使用まで対応する懐の深さを実現している。
BMW M4の外観・内装


BMW M4は、その外観と内装の両面で強烈な個性を放つ。エクステリアデザインは好みが分かれるが、性能を最優先に考えた明確な意図が随所に見られる。
外観:大胆さと機能美
BMW M4の外観における最大の特徴は、縦型の大型キドニーグリルだ。デビュー当初は議論を呼んだが、冷却性能の向上と空力効率の最適化を目的とした機能的デザインであり、高出力化したS58エンジンにとって不可欠な要素といえる。フロントとリヤのワイドなフェンダーと低い車高は、高い運動性能を視覚的にも訴求。リヤにはクワッドエキゾーストと大型のディフューザーを備え、ダウンフォースの確保と迫力あるスタイルを両立している。
また、カーボンルーフは重心を下げると同時に軽量化にも寄与し、BMW Mモデルらしい特別感を演出している。BMW M4の外観は「性能を形にしたデザイン」と表現できるだろう。
内装:走りを意識した設計
BMW M4の内装は、ドライバーを中心に据えたMモデルの思想が色濃く反映されている。M専用スポーツシートは高いホールド性を備え、サーキット走行時にも身体を確実に支える。その一方で、調整幅が広く日常使用での快適性も確保されている。
ステアリングホイールにはMモード切替スイッチが配置され、エンジンレスポンスやシャーシ設定を素早く変更することができる。カーボン製のトリムやアルミペダルがスポーティな雰囲気を高める一方、デジタルメーターや最新のインフォテインメントシステムにより、利便性と先進性も高い水準にある。
BMW M4のサイズ


BMW M4はスポーツクーペとしては大柄な部類に入るが、そのサイズは走行安定性や室内空間と密接に関係している。
ボディサイズ:ワイド・アンド・ロー
BMW M4のボディサイズは、全長4805mm、全幅1885mm、全高1400mm。全幅は広いトレッドによるコーナリング時の安定性向上に直結している。2855mmのホイールベースによって高速巡航時の直進安定性も高く、アウトバーンを想定したBMWらしい設計思想が感じられる。市街地での取り回しには注意が必要だが、そのサイズがもたらす走行時の余裕は大きな魅力といえる。なおオープントップのカブリオレもボディはすべてクーペと同じサイズ。
室内スペース:実用性も確保
2ドアクーペであるBMW M4だが、前席の居住性は十分に確保されている。シートポジションの調整幅も広く、体格を問わず自然なドライビングポジションが得られる。後席はスポーツクーペながら、短距離移動であれば大人も乗車可能。トランク容量も440L(クーペの場合)と比較的余裕があり、週末のドライブや小旅行程度であれば荷物の置き場所に困ることは少ない。500PSオーバーの高性能モデルとしては実用性の高いパッケージといえる。
BMW M4の走行性能・燃費性能

BMW M4は、圧倒的な走りのパフォーマンスを軸にしながら、燃費性能にも一定の配慮がなされた現代的な高性能車である。
走行性能:Mの本質
S58エンジンは低回転域から力強いトルクを発生し、高回転までシャープに吹け上がる特性を持つ。アクセル操作に対する反応は極めて俊敏で、ドライバーの意思を忠実に反映する。高剛性シャーシの挙動は電子制御の「Mスポーツディファレンシャル」や「M xDrive」全輪駆動システムが路面状況に応じて緻密に制御し、通常走行時の安定性とスポーツ走行時の後輪駆動的な挙動を高次元で両立しており、走りの幅広さが大きな魅力だ。
燃費性能:現実的な数値
BMW M4の燃費性能は、WLTCモードで9.8km/L(カブリオレは9.6km/L)とされている。500PSを超える出力と2t近い車重(クーペ1790kg、カブリオレ1930kg)の高性能モデルとしては、比較的現実的な数値といえる。エンジン制御や「8速Mステップトロニックトランスミッション(AT)」の最適化により、高速巡航時の燃料消費は抑えられている。走行モードの切り替えやアイドリングストップ機能の活用で、日常走行における燃料消費を抑えることが可能だ。
BMW M4の購入価格・維持費

BMW M4は高性能モデルゆえに購入価格や維持費も高水準だが、その内容を理解すれば納得感は高い。
購入価格:プレミアムな設定
現在日本ではBMW M4 Competition M xDriveのクーペおよびカブリオレが販売されており、新車価格はクーペが1523万円(税込)、カブリオレが1614万円(税込)に設定。専用開発されたエンジンやシャーシ、先進的な電子制御テクノロジーなどを考慮すれば、同クラスの高性能クーペと比較しても内容に見合った価格といえる。カーボン素材を使ったインテリアトリムやシートなど豊富に用意されているオプションも相応の価格で、「M カーボン・セラミック・ブレーキ(ゴールド・キャリパー)」は150万円を超える。
維持費:性能相応のコスト
BMW M4の維持費は一般的な乗用車と比べると高水準になる。特に高額になる任意保険料に加えハイグリップタイヤや高性能ブレーキの交換費用が定期的に発生するが、BMWのメンテナンスプログラムを活用すれば、一定期間の点検費用や消耗品交換コストを抑えることもできる。(以下は大まかな概算)
| 区分 | 項目 | 年間費用(円) | 備考 |
| 税金・保険 | 自動車税 | 5万 | 2992cc |
| 重量税 | 1万6400 | 重量2tまで2年間で3万2800円 | |
| 自賠責 | 8825 | 2年分1万7650円 | |
| 任意保険 | 40万 | 30代ゴールド免許の場合の概算 | |
| メンテナンス | オイル | 5万 | 銘柄等により変動。年1回交換と想定 |
| タイヤ | 10万 | 4年で交換と想定 | |
| 消耗品 | 随時 | ブレーキパッド/フルード、バッテリー等の交換・整備費用 | |
| 日常費用 | 燃料 | 10万 | 年間5000km走行、燃費約9km/L、ガソリン¥170/Lで計算 |
| 駐車場 | 60万 | 都内マンション併設タワーパーキング想定(5万円/月) | |
| 合計 | 約200万〜 | 注)税金・自賠責保険料以外はすべて概算 |
BMW M4現行モデル解説



BMW M4にはベースモデルやエンジン出力をアップしたM4 Competitionといった後輪駆動仕様も存在するが、現在、日本市場で販売されているモデルは全輪駆動のM4 Competition M xDrive クーペとカブリオレのみ。CS(M4コンペティションをベースに軽量化と専用チューニングを施した高性能仕様)や、CSL(後席廃止などによる徹底した軽量化を行ったサーキット志向の限定モデル)といった派生モデルも存在する。日本でも販売されたが、限定生産モデルの扱いで現在は新車での購入はできない。
BMW M4 Competition M xDrive(クーペ/カブリオレ)
BMW M4 Competition M xDriveは現行M4シリーズの中核を担うモデルであり、日本市場における唯一の正規ラインアップだ。3.0リッター直列6気筒ツインターボ「S58」エンジンは最高出力530ps・最大トルク650Nmを発生し、8速MステップトロニックATと組み合わされる。
最大の特徴は、可変四輪駆動システム「M xDrive」の採用にある。通常走行時は高い安定性とトラクション性能を発揮しつつ、スポーツ走行時には後輪駆動的な挙動も許容する制御が与えられており、Mモデルらしいドライビングプレジャーを損なわない。
駆動力配分やシャーシ設定はドライブモードによって細かく制御可能で、路面状況やドライバーの好みに応じた走りを選択できる点も魅力だ。雨天時や街乗りでは安心感が高い一方で、ワインディングロードやサーキットでは高出力を確実に路面へ伝える性能を備える。
クーペに加え、電動ソフトトップを採用したカブリオレも用意され、開放感とハイパフォーマンスを両立。日常性と走行性能を高次元で融合させた、現代のBMW M4を象徴する完成形といえる。
| 発表 | 2021年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 4805/1885/1400/2855mm |
| パワートレイン | 直列6気筒ツインターボ(ガソリン) |
| 総排気量 | 2992cc |
| 最高出力、最大トルク | 530PS(390kW)/6250rpm、650Nm/2750~5730rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速AT、AWD |
| 車両重量(カブリオレ) | 1790kg(1930kg) |
| 0→100km/h加速 | 3.5秒 |
| 最高速度 | — |
BMW M4の新車・中古車価格

BMW M4は新車価格が高額な一方で、中古市場では価格の選択肢が広がりつつある。年式や走行距離により1000万円前後から流通している。ハイパフォーマンスモデルなため、購入時には車両状態や整備履歴の確認が重要となる。
| 新車価格(税込) | 中古車 | |
| BMW M4 M xDrive Competition (クーペ) | 1523万円 | 800万円~2200万円 |
| BMW M4 M xDrive Competition (コンバーチブル) | 1614万円 | 900万円~1700万円 |
BMW M4について多い質問

以下では、BMW M4について多い質問に回答する。
Q:BMW M4は普段使いできる?
BMW M4はサーキット走行も想定に開発された高性能モデルだが、電子制御により街乗りでは穏やかな性格を見せる。サスペンションやエンジン特性をコンフォート寄りに設定すれば、日常使用でも扱いにくさは少ない。操作系が比較的素直で、スポーツカーに不慣れなドライバーでも順応しやすい点が特徴といえる。ただし全幅が広いため、駐車場や狭い道路では注意が必要だ。
Q:BMW M4とメルセデスAMG C63の違いは?どっちが速い?
BMW M4 M xDriveは後輪駆動をベースとしながら、必要に応じて前輪へ駆動力を配分し、高い安定性とスポーツ性を両立する。AMG C63 S E Performanceも全輪駆動だが、エンジンのトルク感やスポーティーな演出を前面に押し出したキャラクターが際立つ。
加速ではモーター駆動を組み合わせたC63が優位に立つ場合もあるが、M4はシャーシ性能とバランスの良さが強みだ。コーナーが連続するワインディングロードやサーキットでは、安定した速さと扱いやすさが際立つ。直線加速やハイパワーの迫力を重視するならC63、総合的な速さや操作性を求めるならM4といえる。
Q: BMW M4はどんな人に向いている?
BMW M4は、自ら運転を楽しみたいドライバー志向のユーザーに向いている。ステアリング操作やアクセルワークに対する反応が明確で、走りの質感を重視する人に適したモデルだ。AMG C63がエンジンの迫力や存在感を楽しむクルマだとすれば、BMW M4はドライビングそのものを味わうクルマといえる。日常からスポーツ走行まで、運転の楽しさを軸にクルマを選びたい人に向いた一台だ。
BMW M4の購入方法

BMW M4は正規ディーラーが新車と認定中古車を取り扱っている。高性能モデルであるため、購入前には試乗によるフィーリング確認と、保証・メンテナンス内容の把握が重要だ。走行性能だけでなく、日常での使い勝手や維持費まで含めて検討することで、BMW M4の魅力を最大限に享受できるだろう。


