テクノロジー 日産 直列6気筒ツインターボ【RB26DETT】|内燃機関超基礎講座 〜名作エンジン図鑑【写真・6枚目】 1984年、従来のL型に替わる高品質エンジンを目指して開発された直列6気筒、2L、SOHCのRB型。翌年にはDOHC化されたRB20DE型が登場したが、これは企画段階から「新世代エンジン」として4バルブDOHCが想定され、CA型、VG型エンジンと同一コンセプトで設計されたものだ。そのために部品の多くが共用されている。そのRB型系列の華と呼べるのが、1989年にBNR32型スカイラインGT-Rのために作られた2.6LツインターボのRB26DETTであり、事実上、GT-Rの専用機として知られている。 日産スカイラインGT-R(R32)。GT-Rの名前が16年ぶりに復活となった。1989年5月に発表され、8月から発売。 グループAの全日本ツーリングカー選手権を走るR32 スカイラインGT-R。R復活の歴史を作り上げた、象徴的な一台だ。インターTECもデビューイヤーからグループA規定が終焉となる1990〜1993年までの間、全勝を誇った。 ピストンはアルミ鋳造製。圧縮比を稼ぐため中央部は3.64mm盛り上がっている。サイド部が切り落とされているのは、シリンダーブロックとの間でスキッシュエリアを確保するためだ。ピストン径78mmのRB20DET用と比較すると、全高は59.0mmで1mm低い。コンプレッションハイトは2mm低い30mmで、これは73.7mmのストロークを確保するため(RB20DETは69.7mm)。ピストンのハイライトは、クーリングチャンネルを設けたことだろう。塩で作った中子を鋳込み、鋳造後に水で溶かして空洞を残す仕組み。 エンジン出力決定の仮想敵に認定したボルボ240ターボ。1985年、グループA規定で競われていたヨーロッパツーリングカー選手権ではドライバーズタイトル獲得に貢献し、同年の富士スピードウェイで開催された第1回インターTECではS.ミューラーJrとP.デュドネ、T.リンドストロム/G.ブランカテッリによる1-2フィニッシュを飾った。なお、この年のインターTECにおける日産の最高位は関根 基司/関実が駆るDR30スカイラインの5位だった。 燃焼室形状はコンパクトで効率の高い容積が得られるペントルーフ型で、点火プラグは燃焼室のほぼ中央に位置。圧縮比は8 . 5:1。バルブ本体のサイズは吸気側が直径34.5mm、排気側が30mm、ステム径は吸気側6mm、排気側7mmである。排気側のステム径が太いのは強度を確保するためと、内部にナトリウムを充填するため。グループA仕様ではスキッシュエリアのチューニングが行なわれた。 質量低減のためハイドロアジャスター式をやめ、インナーシム式を採用。バルブ挟み角は左右対称の46度。バルブをできるだけ直立にし、吸排気効率の向上を狙った。バルブ駆動は直動式のため、カム間距離は狭い。カムシャフトは鋳鉄製。グループA仕様は吸排気バルブのオーバーラップ(61度)によって掃気効果による充填効率の向上を狙っているが、量産仕様のオーバーラップはゼロ。高回転域でもターボ過給に頼ったセッティングだった。クランクシャフトと同様、コンロッドもRB20系がベースで、121.5mmの大端部中心~小端部中心間距離は共通。大端部内径はRB26DETT用の方が3mm長い48mm。 1~3番、4~6番シリンダーの排気をそれぞれ別のターボユニットに導くツインターボシステム。ギャレット製。グループAの規定では、ターボの交換はできても、サイズは変更不可。そこで、市販バージョンではレスポンスを重視してセラミック製タービンを採用。異物がセラミック製のタービンに衝突すると粉々になって危険という判断から、レース仕様はメタル(インコネル)製タービンが用いられた。 この画像の記事を読む