ロー&ロングボディにラグジー装備が充実!

ホンダ・ジョルノを皮切りに、ヤマハ・ビーノやスズキ・ヴェルデなど、レトロ&オシャレなスクーターが揃う90年代に異彩を放っていたのがホンダ・ジョーカーだ。

アメリカンカスタムをイメージしたボディは欧米人向けかと思うほどデカい! ティアドロップ形状のリヤカウルと張り出したメッキガーニッシュが印象的なロー&ロングフォルムもさることながら、インチサイズのプルバックハンドルを採用し、独立した砲弾型ライトや重厚感のあるディッシュタイプホイールをセットしてゴージャスな仕上がりに。新車価格も同時期のディオやスーパーカブよりも8万円ほど高値と強気の設定だった。

なお90年代後半にはリトルカブ、そしてジョルノとカブを組み合わせたジョルカブも登場させてホンダは原チャリ界を牽引。

規制の締め付けも少しずつ厳しくなっていく中、高性能を謳うのではなくルックスの向上とライフスタイルを提案し、〝原チャリ〟の在り方を示し始めた時代だったのだ。

SPECIFICATIONS
▪型式:HF09
▪全長×全幅×全高:1885×935×1060mm
▪ホイールベース:1200mm
▪最低地上高:110mm
▪シート高:695mm
▪車両重量:94㎏(乾燥89㎏)
▪排気量:89㏄▪エンジン形式:空冷2スト単気筒
▪内径×行程:48.0×49.6㎜ ▪圧縮比:6 :1
▪最高出力:8.2㎰/6500rpm
▪最大トルク:0.96㎏m /6000rpm
▪始動方法:セル/キック▪燃料タンク容量:5.8ℓ
▪タイヤサイズ:100/90-10(前後)
▪ブレーキ:ディスク(前)・ドラム(後)
▪車体価格:25万8000円(税抜)
※スペックは1996年時のものです

太陽と海とホンダが織りなす ウエストコーストスタイル

美容師&サーファーが愛用 大胆な乗り味がたまらない

今回撮影したのは湘南エリアで美容室兼カフェを営む君島さんの愛車。早朝や休日など暇さえあれば海へ繰り出す根っからのサーファーでもある彼がジョーカー90を選んだ理由は「子供の送迎や買い物用の〝下駄〟を探していて、2人乗りもしやすそうだしカッコイイな、と思って決めました」という。

この車両を足代わりにサラリと使うセンスがたまらない! ちょいとヤレた風合いも長年使い込んだ〝味〟となっている。そんな存在感たっぷりのジョーカーは海辺に持ち込んでも映える。

現在は道交法やマナーの面から難しいけれど、サーフボードの専用ラックを付けた姿を想像するだけでニヤけてしまう。そんな妄想に浸りながら海岸沿い(134号線)を走らせてみるとこれが中々に調子が良い! 

リード系の縦型2ストエンジンを採用するパワーユニットは最高出力8.2㎰(50ccモデルは4.9㎰)を発生し、特に中高回転域が伸びやか。純正アクセサリーパーツの大型シールドから潜り抜けた潮風と砂防林(松)の花粉が鼻腔をくすぐって……ヘ、ヘックション~! さておき車重がある分、出足の加速はちょっともたつくけれど込み合う街中でなければストレスは感じない。

幅広のハンドルはまるでチョッパーを操っているような感覚で、舵取りだけでダイナミックに旋回できるのが面白い。やや太めのタイヤは安定感もあってタンデムにもおあつらえ向きと感じた。収納や整備性などのデメリットもあるけれど、それを補って余りある魅力がジョーカーシリーズには詰まっているのだ。

ゆとりのあるボディサイズは安定感もバッチリ!

タンデム(2人乗り)な可能なシートを備えており実用性も高い。

ハンドル、足周り、シート下収納

ハンドル幅は935㎜とかなり広く、ここだけ見ればチョッパーバイクのよう。ハーレーなどと同じφ25.4㎜のインチバーでレザー調のアメリカングリップを標準装備する。※写真はオーナー車
フロントはφ190㎜ローターと1ポットキャリパーのディスクブレーキ仕様で優れた制動力を発揮!※写真はオーナー車
デザイン性を優先しシート下収納スペースは乏しい。浅めの作りでジェットヘルは入らず(半ヘルはOK)。※写真はオーナー車

ゆとりのあるライディングポジション

身長179㎝、体重65㎏、甘党のアラフォーが跨ってみた。シート高はDioなどと同じ795㎜で平均的だが、幅が広いため足を少し開く形になる。正面から見ての通り、ハンドル幅が広くゆったりとした姿勢が取れる。

原付二種(125ccスクーター)ならではの装備

50ccモデルはセミロング、対して90ccモデルはパッセンジャー部分が盛り上がったロングシートを採用。※写真はオーナー車
可倒式ステップも用意して二人乗りにバッチリ対応!※写真はオーナー車
メーターはオド内蔵の指針式速度計のみで100㎞ /hスケール表示(50は60㎞/h 表記)。ステム下部のランプは燃料orオイルの警告灯だ。※写真はオーナー車

今回撮影させていただいたホンダ・ジョーカー90のオーナー:君島 潤さん

原宿、吉祥寺の美容室に15年勤めた後、下北沢にて開業。現在は茅ヶ崎にてカフェ併設の店舗を経営する癒し系美容師! バイク所有歴はバンディット400、バンバン90など。奥サマが作るコーヒー&マフィンも絶品ですよ♪

●bente + coffee to go 神奈川県茅ヶ崎市ひばりヶ丘7-14 2F

各メーカーから勢揃い! 90’sオシャレトロスクーター達

HONDA
ジョルノ
1992年発売

タクト(AF24)をベースにイタリアンスクーターの雰囲気を獲得。カラバリも豊富で女性ユーザーからも絶大な支持を得た。

YAMAHA
ビーノ
1997年発売

規制の波を超えて25年以上ものロングセラーを達成!前ボディにライトを収めた個性的なスタイルはデビュー時から完成していた。

SUZUKI
ヴェルデ
1998年発売

6.3psを発揮するレッツⅡの横型エンジンを採用。サイドカバーなどにプレス風のリブをあしらってクラシカルに演出!