多彩なドライブモードを搭載 コクピットや〝シン猫足〞も秀逸

ステランティスグループのミニバン3兄弟のうち、プジョーブランドから販売されているのがリフター。といっても、エンブレムを替えただけのバッジエンジニアリングではなく、フロントマスクはそれぞれ独自のデザイン。さらに車両コンセプトも、三者で微妙に異なっている。

エクステリア

7人乗りの「LONG GT」は全長4760㎜。最小回転半径は5.8mとなり、あまり小回りが効くとは言えない。とはいえ、ミニバンとして日本の環境で使いやすいサイズ感に収まるのも事実だ。「LONG GT」はテールゲートを開けた時のリッド先端部分の高さが約2050㎜と、かなり高い部類に入る。ただし、手が届きやすいようベルトも装備されている。
国産車の箱型ミニバンにはないサイズ感とデザイン性も持ち味のひとつ。ホイールアーチモールやサイドプロテクターでSUVっぽいムードも演出されている。最小回転半径は5.8m。

フィアット・ドブロは、無塗装バンパーを装備した商用車テイスト。シトロエン・ベルランゴはカジュアルなファミリーカーテイストであるのに対し、リフターはSUVとのクロスオーバー風。フェンダーアーチモールやサイドドアモールに無塗装樹脂を使用しているのに加え、タイヤサイズも215/60R17と、兄弟モデルより大径のものを採用する。最低地上高は180㎜と、兄弟モデルより20㎜大きい。

乗降性

駆動方式はFFのみだが、ドライブモードはエコ/ノーマルに加え、スノー/マッド/サンドが用意されており、路面環境に合わせた最適なトラクション制御が選択できる。またリフターのタイヤサイズなら、数社からオールテレーンタイヤが販売されており、そうしたものに交換することで、悪路走破性はある程度まで高められる。しかもゴツゴツしたタイヤショルダーのデザインによって、見た目はさらにSUV風になるなど、兄弟車ではできない楽しみ方が可能だ。

インストルメントパネル

左右非対称のインパネと大きなセンターコンソールを組み合わせた立体構造を採用。10インチのセンタータッチスクリーンが備わり、デジタルメーターやステアリングヒーターも装備する。

内装の造形は、基本的に兄弟モデルと同じだが、大きく異なるのがコクピット。プジョー車共通の小径&異径ステアリングホイールが採用されており、メーターパネルはステアリングホイール越しに、上から見るレイアウトとなっている。ボディタイプは2種類。2列シートの5人乗りと、3列シートの7人乗りが用意される。全長は前者が4405㎜、後者が4760㎜。ホイールベースは前者でも2785㎜と長いが、後者はさらに190㎜長い2975㎜となる。最小回転半径は、前者が5.6mと国産同クラスのミニバン同等。後者は5.8mと大きくなるが、日本の交通環境でも持て余すほどではない。

居住性

2列目席は5/7人乗りとも、スライドやリクライニングはできない。一方で、背もたれを前に倒すだけでラゲッジとフラットになるため、車中泊したいユーザーには向いている。3列目席は取り外し可能で、外せばラゲッジの床面長は約1.3mに達する。しかも3列目席は格納のことを考えていない分、クッションが厚く座り心地は快適だ。エンジンはプジョー製の1.5ℓ直列4気筒ディーゼルターボ。アルミ合金製のシリンダーブロックやDOHC4バルブのシリンダーヘッドをもつモダンなエンジンで、パワーの伸び感はカングーのディーゼルエンジンより爽快。アイシン製8速ATのマナーも良く、全域で必要十分な動力性能を提供してくれる。

うれしい装備

3列目シートは一脚ずつ独立しており、取り外せる。普段使わないなら物置などに置いておいて、荷室を広くできる。ただし、シート自体が重たいので、何度も脱着するのは現実的とは言い難い。
前席頭上のコンソールトレーは、ティッシュなど日常的に使いたいものはもちろん、雨具や防寒具など、いざというときのために常備しておきたい物の収納にも便利。意外と奥行きがあって、収納力も十分。
月間販売台数   NO DATA
現行型発表    19年10月(マイナーチェンジ 24年8月)
WLTCモード燃費  18.1㎞/ℓ

ラゲッジルーム

排ガスの後処理には、DPFと尿素SCRを使用しており、短距離走行の多い人はDPFの目詰まりに注意。アドブルー(尿素水)の補充も数千〜1万㎞程度で必要になる。乗り味はストローク感がありながら柔らか過ぎず腰があり、〝シン猫足〞といった趣。独特の形状をしたステアリングホイールの操作が許容できるかどうかがポイントだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.173「2026年 ミニバンのすべて」の再構成です。

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