旧車チューンの最高峰を目指して!

極上車をベースに違和感無く最新テイストを盛り込む

かつてのシャコタン文化は、性能を度外視したスタイル優先の世界だった。しかし現代においては、その価値観は大きく変化している。車高の低さはそのままに、サスペンション性能やジオメトリーを緻密に作り込むことで、“走れるシャコタン”へと進化を遂げたのだ。

そんな現代的アプローチで昭和のチューニングスタイルを再構築したのが、MZ11型ソアラをベースにIZANAMIが製作した一台だ。東京オートサロン2026で披露されたこの車両は、ノスタルジーと最新技術を高次元で融合させたレストモッドの好例と言える。

エンジンは5M-GEUをベースにフルリビルトを実施。視覚的なインパクトを放つ6連スロットルは、この車両のために海外メーカーへ製品化を依頼した専用設計品で、燃料系やリンケージを下側にレイアウトすることで、エンジンルーム全体の美観にも徹底的に配慮されている。

カムカバーは純正デザインを踏襲しつつビレットで新規製作。ワイヤータックや不要穴のスムージングといった細部のディテーリングも抜かりなく、機能と美しさを両立させている。

出力至上主義ではないNAチューンながら、内部にはハイカムや面研、強化ヘッドを投入。制御にはMAXX ECUを採用し、カム/クランク信号はワンオフのセンサーユニットで検出するなど、制御系は完全に現代仕様だ。

補機類にも抜かりはない。エアコンは電動ユニット化され、コンポーネントはリアへ移設。パワーステアリングにはボルボ用の電動油圧式を流用し、フルコン制御によって安定した操舵フィールを実現している。

また、エンジンルームの美観を優先しマスターバックは撤去。代わりにチェイスベイス製のブレーキシリンダーを採用するなど、機能性とルックスのバランスを高次元で成立させている点も見逃せない。

トランクに収納されるのはスウエーデンのブランド「NUKEパフォーマンス」製のフューエルタンク。さらにUSブランドのバッテリーブラケットなど、新しい海外製パーツや技術も積極的に導入する。

さらにクロスメンバーをはじめとする足回りパーツは、自社でCAD設計を行い、3Dプリンターでの検証を経て製作されるなど、現代的な開発プロセスが取り入れられている。もちろんアーム類の角度も最適化されており、極端なシャコタン仕様でもストローク量はしっかりと確保されていることは言うまでもない。

足元を飾るのは、レストアおよびリバレルが施されたウィンメッシュ。フロント10J、リア11Jというワイドサイズに再構築され、往年のスタイルを踏襲しながらも、現代的なフィットメントを実現している。

インテリアは極力オリジナルの雰囲気を維持。ステアリングには当時を象徴するミケロッティ製ウッドタイプを採用し、オーディオにはDENONを組み合わせることで、上質な昭和ラグジュアリーを演出する。

ミッションは純正ATからW57改セミクロスの5速MTへ換装。ドライバーズカーとしての楽しさも大きく引き上げられている。

コンディションの良い個体をベースとしているため、純正シートや内装の状態も極めて良好。リアには当時の高級オーディオであるパイオニアTS-X90をリビルトして搭載するなど、細部まで“当時感”にこだわり抜かれている。

メカニズムは最先端、スタイルは昭和。IZANAMIが手掛けたこのソアラは、単なるレストアでもフルカスタムでもない。“温故知新”を体現した、完成度の高いレストモッドと言えるだろう。

●取材協力:イザナミ TEL:0297-84-1739

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