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■後期型NSXのNSX-R登場

ホンダ後期型「NSX-R」

2002(平成14)年5月23日、ホンダはNSXの究極スポーツ「NSX-R」を発表(発売は翌日)した。1992年11月にデビューした前期型NSX-R(タイプR)に対して、エンジンを3.0L→3.2Lとした新型の後期型NSX-Rは、さら高い走行性能とハンドリング性能を達成した。

ホンダスポーツの象徴として登場したミッドシップのNSX

1990年2月にデビューしたミッドシップ・スーパースポーツ、ホンダ「NSX」

NSXがデビューしたのは、日本がバブル景気に沸きあがっていた1990年2月のこと。新時代を象徴するスーパースポーツとして、ホンダ渾身のミッドシップ(MR)スーパースポーツとして華々しくデビューを飾った。

1990年2月にデビューしたミッドシップ・スーパースポーツ、ホンダ「NSX」

注目されたのは、世界初のオールアルミ・モノコックボディなど車全体の90%をアルミ化によって軽量化したこと。強度と剛性を維持しながら、加工法や溶接技術の難しいアルミを多用し、クルマ全体で200kgの軽量化に成功し、車両重量1350kg~1390kgいう驚異的な軽量化と高い剛性を両立させた。

ホンダ初代「NSX」のコクピット

またリトラクタブルヘッドライトやグリルレスのフロント周り、スポイラー一体テールエンドなど、スーパースポーツらしく優れた空力性能を実現。エンジンは、ドライバーの背後に最高出力280ps/最大トルク30.0kgmを発揮する3.0L V6 VTECエンジンをミッドシップ。高回転高速出力化のために、エンジンをショートストローク化し、超軽量チタンコンロッドやモリブデン鋼のカムシャフトなどF1エンジン並みの材料が惜しみなく使われた。

ホンダ初代「NSX」に搭載されたエンジン

軽量化ボディに高速高出力エンジンをミッドシップしたNSXは、0→100km/h加速が5.0秒、最高速度は270km/hと欧州のスーパーカーにも負けない走りと安定したハンドリング性能を誇った。

ホンダ初代「NSX」のリヤビュー

一方で、NSXは扱いにくいスパルタンなスポーツカーではなく、誰でも乗りこなせるスポーツカーとして、オートエアコン、電動パワステ、BOSE社製のサウンドシステムなどを採用し、さらに5速MTだけでなく4速ATが用意されている点も他のスーパースポーツとは一線を画した。

徹底した軽量化とF1の技術を結集したNSXタイプR

1992年11月にデビューしたホンダ「NSXタイプR(NSX-R)」

2年後の1992年11月に追加されたNSXタイプR(NSX-R)は、より高次元な運動性能を実現するため、さらなる材料置換による軽量化とホンダがF1で磨いたレーシングカーのチューニング技術が採用された。

1992年11月にデビューしたホンダ「NSXタイプR(NSX-R)」

軽量化については、ただ軽量化するのではなく、クルマの重心を車体の中心へ移動させることで、ヨーモーメントや荷重移動の低減を図って運動性能を向上。具体的な軽量化として、バンパービームのアルミ化、リアスポイラー素材見直し、リアパーテーションガラスの1枚化、レカロ製の超軽量フルバケットシート、ENKEI製超軽量アルミホイールなどで、もともと軽量が自慢だったNSXよりもさらに120kgの軽量化に成功したのだ。

1992年11月にデビューしたホンダ「NSXタイプR(NSX-R)」
1992年11月にデビューしたホンダ「NSXタイプR(NSX-R)」

足回りもレーシング仕様でまとめられ、ダンパーやスプリングの強化はもちろんのこと、車高を10mm下げ、分離加圧式高応答ダンパーやキャンバー角/キャスター角などのアライメントの見直しなどを実施。エンジンのスペックは同じだが、レーシングエンジンと同じチューニング手法を施し、トランスミッションは5速MTのみ。

1992年11月にデビューしたホンダ「NSXタイプR(NSX-R)」

NSX-Rの車両価格は970.7万円。当時の大卒の初任給は18万円(現在は約23万円)程度だったので、単純計算では現在の価値で約1133万円に相当する。ベースのNSXに比べると約170万円高く、販売台数は3年間で480台だった。

さらにスポーツ性能とハンドリング性能を高めた後期型NSX-R

2002年5月にデビューしたホンダ後期型「NSX-R」

初代NSXは、1990年~1996年の前期型NA1と1997年のマイナーチェンジ以降の後期型NA2に分けられる。NA2はNA1に対して固定式ヘッドライトへ変更、エンジンを3.2Lへ拡大されたことが大きな違いである。2002年5月のこの日にデビューしたのは、NA2の「NSX-R」である。

新型NSX-Rと旧型NSX-Rを比べてみる
新型NSX-Rと旧型NSX-Rを比べてみる
ホンダ後期型「NSX-R」の居住性
ホンダ「NSX-R」のコクピット
ホンダ「NSX-R」のフロントシート

新型NSX-Rは、先代で培われた徹底した軽量化やエンジンと足回りのチューニングをさらにブラッシュアップさせるとともに、空力性能向上パーツを新たに採用してダウンフォースを強化し、先代を上回る走行性能とハンドリング性能が達成された。

ホンダ「NSX-R」搭載の3.2L V6 VTECエンジン

具体的には、高度な成形技術を用いたカーボン製空力パーツを採用して、更なる軽量化を追求。エンジンについては、最高出力は280psと出力自主規制のため同じだが、最大トルクを31.0kgm(←30kgm)に向上、トランスミッションを6速MT(←5速)に変更。さらに高精度な回転重量のバランス取り、ファイナルギアレシオの設定変更、DVW(ドライブ・バイ・ワイヤー)の専用セッティングなどにより、レーシングカーテイストのレスポンスと力強い加速感が実現された。

2002年5月にデビューしたホンダ後期型「NSX-R」

また、サスペンションの専用チューニング、専用開発のハイグリップタイヤ、スリット入りブレーキディスクローターと強化ブレーキパッドなどにより、サーキットなどでのスポーツ走行を十分に楽しめる高い走行性能を誇った。

初代のNSX-RをブラッシュアップさせたNSX-Rの車両価格は、1195.7万円に設定された。

2002年5月にデビューしたホンダ後期型「NSX-R」

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NA2のNSX-Rは、空力性能の進化によって、高速域での安定性と低・中速域の切れのよさが先代に対する大きな進化である。比較的扱いやすい先代NSX-Rに対して、サーキットで速いハードなスーパースポーツへと上り詰めたモデルだった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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