インフォテインメントシステムに「Google」を搭載して使い勝手も向上

国内乗用車の年間販売台数約400万台のうち、およそ100万台規模を占めるまでに拡大し、激戦区となっているSUV市場。その中でZR-Vは、2023年4月の発売以来、着実に販売台数を伸ばしているという。

ZR-Vの主な購入層は独身層や子育てを終えた世代が中心で、SUVからの乗り換えも約30%を占めるなど、他銘柄からの流入も多い。ワンランク上の上質なデザインや、シビック譲りの走りのレスポンス、そして充実した装備がユーザーから高く評価されているそうだ。

そんなZR-Vだが、今回の一部改良におけるトピックは大きく分けて3つある。

ガソリン車を廃止して「e:HEV」へ一本化

まずはパワートレインの集約だ。従来設定されていたガソリンモデルは廃止され、ラインナップを「2.0L直噴エンジン+2モーターハイブリッド」の『e:HEV』のみに一本化した。

開発に携わった長谷川雅庸さんによると、 日本市場ではもともとハイブリッドが約9割を占めていたという。そうしたハイブリッドの販売比率の高さと、ホンダの電動化戦略の流れもあり、ハイブリッドのみのラインナップとしたそうだ。これにより、グレード構成はエントリーの「e:HEV X」と、上級の「e:HEV Z」を基本とするシンプルな形に整理されている。

タフイメージを纏う特別仕様車「CROSS TOURING」登場

ふたつめのトピックは、特別仕様車「CROSS TOURING(クロスツーリング)」の新設だ。これまで都会的で洗練されたイメージが強かったZR-Vに、SUVらしい力強さとタフさをプラスしている。

e:HEV Zがベースの特別仕様車「CROSS TOURING(クロスツーリング)」。ボディカラーはZR-Vで初採用となるデザートベージュ・パール。なお、撮影車はディーラーオプションのボディサイドモールを装着している。

    ターゲットは、キャンプやグランピングなどアウトドアライフを積極的に楽しむ層。従来はバーチカル(縦型)だったフロントグリルをよりスポーティなハニカムパターンへと変更し、マットグレーで塗装。さらに専用のバンパー&サイドロアガーニッシュを採用したほか、足元をマットブラックの18インチホイールで引き締めることで、無骨な雰囲気を醸し出している。

    「ZR-Vの走りはお客様から高評価をいただいています。そこで今回の一部改良では、要望が高かったフロントグリルに手を加えました」という長谷川さん。じつはこのハニカムグリルは当初から北米仕様に設定されていたもの。インターネットでその情報をキャッチしたユーザーの中には、アメリカに行った際に部品を購入して愛車に装着した人もいるとか。「そこまで人気があるなら、日本仕様にもハニカムグリルを持ってこようか」という話になり、今回の特別仕様車に装着されることになったそうだ。

    インテリアには、専用のグレージュ内装を採用。ステアリングやシートには鮮やかなオレンジステッチがアクセントとして施され、上質さの中に遊び心溢れる空間が仕立てられた。ボディカラーには、クロスツーリング専用色として「デザートベージュ・パール」も設定されている。

    既存グレードと「BLACK STYLE」も意匠を深化

    また、2024年に登場し好評を博している特別仕様車「e:HEV Z BLACK STYLE」も深化を遂げた。フロントグリルはベルリナブラック塗装のハニカムパターンを採用。また、フロントバンパーやサイドシルのガーニッシュ、ドアミラー、ホイールアーチプロテクターなどに加えて、シャークフィアンテナやテールゲートスポイラーもクリスタルブラック・パールとなったほか、18インチアルミホイールも「ベルリナブラック+ダーク切削クリア」の新デザインとなり、黒の凛々しさがさらに際立っている。

    e:HEV Zがベースの特別仕様車「BLACK STYLE(ブラックスタイル)」も一部改良が実施された。

    上級グレードの「e:HEV Z」もブラッシュアップされ、専用の18インチアルミホイール(ベルリナブラック+切削クリア)を新採用したほか、人気のマルーン本革シートには新たに「ライトグレーステッチ」が施され、プレミアム感により一層の磨きがかけられた。

    ボディカラーには、前述のクロスツーリング専用色のほか、新色として「トワイライトミストブラック・パール」「メテオロイドグレー・メタリック」「シーベッドブルー・パール」の3色が追加され、選択の幅が大きく広がった。

    コネクテッドを強化する「Google」搭載

    3つめのトピックは、インフォテインメントシステムの進化だ。「e:HEV Z」以上のグレードに『Google 搭載 9インチ Honda CONNECTディスプレー』が標準装備(「e:HEV X」はオプション設定)された。これにより、スマートフォンなどで使い慣れた「Google マップ」でのナビゲーションや、「Google アシスタント」による音声操作が、車内でシームレスかつ直感的に利用可能となる。

    Google搭載9インチ・ホンダコネクトディスプレー
      前席にはパワーデリバリー対応USB TYPE Cポート(合計60W)をe:HEV Z以上に標準装備。その下にはワイヤレス充電器も備わる。
      後席用USBチャージャーも完備(e:HEV Z以上に標準装備)。こちらも片方はパワーデリバリー対応なのがうれしい。

      定評あるオンロードでの走りに加え、コネクテッド機能の強化、ライフスタイルに合わせて選べるふたつの特別仕様車を設定するなどさらなる魅力を手に入れた新型ZR-V。群雄割拠のSUV市場でさらなる飛躍を遂げることは間違いなさそうだ。

      ZR-Vの開発に携わった長谷川雅庸さん。「国内のSUVはWR-V、ヴェゼル、ZR-V、CR-Vの4車種構成となりました。それぞれサイズと価格帯が明確に差別化されていて、お客さまも選んでいただきやすいと思います。そのなかでもZR-Vは、CR-Vでは少し大きいと感じられる方にとってジャストサイズになると思います」

      ホンダZR-V ラインナップ

      e:HEV X2.0L直列4気筒エンジン+2モーターハイブリッドFF370万7000円
      4WD392万7000円
      e:HEV ZFF430万7600円
      4WD452万7600円
      e:HEV Z 特別仕様車 BLACK SYTLEFF447万9200円
      4WD467万7200円
      e:HEV Z 特別仕様車 CROSS TOURINGFF452万9800円
      4WD472万7800円