CB72レーサーを現代に再現した外装

まず目に飛び込んでくるのが、鮮烈なレッドのタンクだ。
「YOSHIMURA COMPETITION MOTORS」のロゴと“125”のゼッケン風デザインは、1960年代に“POP吉村”の名を知らしめたCB72レーサーの系譜を色濃く感じさせる。

単なるオマージュではなく、当時の空気感まで丁寧に再現しながら、現代のモンキー125のフォルムに自然に溶け込ませているのが印象的だ。
クラシックでありながら古さを感じさせない。この絶妙なバランスが、この車両の第一印象を決定づけている。

ヨシムラが手がけたモンキー125カスタムの全体像。伝統のバナナ管とCB72由来のカラーが融合した象徴的な一台だ。

主役のバナナ管は“現代版ヨシムラの象徴”

そして視線を落とすと、今回の主役であるB-77サイクロンが姿を現す。

大きく湾曲したサイレンサーは、今どきのコンパクトなマフラーとは明らかに異なる存在感を放つ。これはカタナ用を流用しているとのことだが、車体サイズに対してやや大ぶりなそのシルエットが、強烈なインパクトを放っている。

さらに近づくと、チタン特有の焼き色を帯びたエキゾーストパイプの美しさや、滑らかにつながる曲げのライン、アルミ削り出しのフランジ周りといった細部の作り込みが際立つ。
単なる“形の再現”ではなく、現代の技術で再構築されたことがひと目で伝わってくる仕上がりだ。

リヤビュー。ヨシムラステップキットX-TREADやバーエンドHigh Lineなどで統一された操作系パーツも美しい仕上がり。

チタン化による軽量化と性能向上

このバナナ管は見た目だけのパーツではない。

チタン製エキゾーストパイプの採用により、従来モデルと比較して大幅な軽量化を実現している。数値上は約200gの差だが、実際に持つとその違いは明確で、車体の軽快感にも確実に寄与する。

さらにサイレンサー容量が大きいため消音材の制約が緩和され、排気効率が向上。その結果、既存のGP-MAGNUMを上回るパワー特性を実現している。

見た目のインパクトと性能の進化がしっかり両立されている点は、このマフラーの大きな魅力だ。

チタン製エキゾーストパイプの焼き色が美しい。サイレンサーのジョイント部もモンキー125用エキパイに合わせて専用設計となる。

「ずっとやりたかった」開発担当の本音

開発を担当したヨシムラジャパンの小方康太郎さんは、このマフラーについて「ずっとやりたかったマフラー」と語る。

ヨシムラの象徴とも言えるバナナ管は、本来あって当然とも思える存在だが、これまで実現しなかった背景には量産性やコスト、製造プロセスの難しさといった課題があった。

それらの壁をひとつずつ乗り越え、ようやく形になったのが今回の参考出品モデルだ。
細部の仕上げについても「細部までこだわりぬきました」と語る通り、その完成度は非常に高い。

価格については「ちょっと高くなってしまうけど、欲しい人には絶対満足してもらえる」とも話しており、このマフラーが“分かる人に向けた一本”であることがはっきりと伝わってくる。

発売時期は「8月頃に発売したい」とのことで、参考出品ながら市販化への期待も高まる。

「次はフルチタンのバナナ管もやりたいんです!」と開発担当の小方康太郎さん。今後にも期待だ。

足周りから細部まで“走れる仕様”

この車両の魅力はマフラーだけにとどまらない。

リアにはオーリンズ製のツインショックを装着し、走行性能をしっかりと底上げ。ゴールドのリザーバータンクとイエロースプリングが外装カラーと調和し、見た目の完成度にも貢献している。

駆動系にはRKチェーンとSUNSTARのアルミリアスプロケットを採用し、軽さと耐久性を両立。さらにZETAのピボットレバーやヨシムラのステップキットX-TREADによって、操作性とライディングフィールも向上している。

見た目のインパクトだけでなく、実際に走らせて楽しめる仕様としてしっかり成立しているのが印象的だ。

ヨシムラで統一されたディテール

エンジン周りや外装の細部にはヨシムラ製パーツがふんだんに使われている。

アルミヘッドサイドカバーやエンジンケースガード、各種キャップ類、バーエンドなど、細かい部分に至るまで手が入っており、視線を近づけるほど作り込みの深さが伝わってくる。

それぞれのパーツが主張しすぎることなく、全体として自然にまとまっている点もポイントだ。

エンジン周辺の全体構成。エンジンケースガードKITやアルミヘッドサイドカバーが装着されている。

モンキー125にヨシムラが本気だ!

今回のモンキー125は、伝統のバナナ管、CB72レーサー由来のカラーリング、そして高品質なパーツ構成が高いレベルで融合した一台だ。

単なるカスタムではなく、ヨシムラの歴史と技術、そして思想が凝縮された存在と言える。

見た目のインパクト、走りの質感、そして背景にあるストーリー。
そのすべてが揃っているからこそ、強く印象に残るのだ。

ディテールチェック

開発中のB-77サイクロン。独特の湾曲形状が特徴で、現行ではカタナ用のみの伝統モデルをモンキーに展開。
大径のサイレンサーエンド。サイレンサー自体はカタナ用と同じだが、エンド部などは専用設計となる。
美しく伸びるサイレンサー外観。さりげなく入れられたロゴがレトロ感たっぷりだ。
エンジン下で大きく回り込むエキパイの取り回し。曲げの精度とラインの美しさは見どころのひとつだ。
チタン製エキゾーストパイプの焼き色が美しい。サイレンサーのジョイント部もモンキー125用エキパイに合わせて専用設計となる。
フランジ周りはアルミ削り出しで仕上げられる。質感と精度の高さが際立つ、こだわりのディテール。
フランジ部分もアルミ削り出し。これにより装着時にポートへジャストフィットする。細部にわたって、小方さんのこだわりが満載だ。
通常のステンレスエキパイと今回のチタンエキパイ(奥がチタン)。重さは200gの違いだが、持ち比べると、その差に驚く。
リヤショックと共締めとなるマフラーのステー。こういった細部も美しいのがヨシムラなのだ。
外装デザイン&ペイントはWoodeye Designが担当。
右サイドビュー。
展示状態の全体像。リムステッカーTYPE-AやフレームキャップSETなど細部まで統一された仕上げ。
タンクの“125”ロゴ。CB72レーサー由来のグラフィックで、ヨシムラの歴史を感じさせるデザイン。
リヤビュー。フェンダーレス化とスッキリしたナンバーステーでレーシーな印象を強調する。
アルミヘッドサイドカバーがヨシムラを主張。
ヨシムラロゴが映えるエンジンケースガードKITクランクケースカバー。
オーリンズ製ツインショックを採用。走行性能を底上げしつつ、外観のアクセントにもなる。
メーターバイザーを装着し、レーシーな雰囲気を盛り上げる。
マスターシリンダーキャップやステムナットも変更済み。操作系の質感向上にも抜かりはない。

モトチャンプ