乗り換えという選択肢は無し!
5バルブ4A-Gで駆け抜ける47万km走破のレビン
1997年8月、大学の自動車部の先輩から購入したAE86を今も変わらず愛車として所有し続けている阿部さん。走行距離はなんと47万4000kmを数え、もう少しで50万kmの大台に到達するところだ。「三河54」の二桁ナンバーが、連れ添った時の長さを物語る。

そして、その大学の先輩というのが岐阜県にあるAE86&70系カローラ専門店『モーターフィックス』の代表を務める堺望さん。今も阿部さんのハチロクの主治医を務め、車検や修理の際には愛知県の自宅から岐阜まで通うことがルーティンとなっている。

いつでも頼れるメカニック、しかも自分のクルマのことを自分以上に熟知してくれている人が身近にいる…というのも愛車と長く付き合える秘訣だろう。阿部さんは自動車関係の仕事に就いており、家には家族用の別のクルマも所有しているのだが、通勤はもっぱらハチロクで行なっている。
ファイナルギヤをサーキットに合わせて4.778にしているため、普段乗りする時のタイヤは外径を少しだけアップ。しかも、スノーマーク付きのオールシーズンタイヤを装着し、一年を通してちゃんと出勤できるように(かつタイヤ交換の手間を省けるように)している徹底ぶり。それは走行距離が伸びるはずだ。単純に他のクルマに乗り換えたいとか、通勤用に別のクルマを買おうとは思わないのだろうか?

「一言で言うと、他に変わるクルマがないんですよね。サイズもちょうどいいし、こう見えて荷物もたくさん入るし。タイヤも小さいから、そんなに高くないですしね。修理費が掛かる度に他のクルマと天秤に掛けることもあるんですけど、例えば100万円で直るんだったら、じゃあ直すか、みたいな。ずっとその繰り返しですね」。
ドリフトも、若い頃より回数は減ったとはいえ、今も年に数回はモーターランド三河に走りに行くという阿部さん。しかも、奥美濃や御嶽などにハチロクで春スキーにも行くそうで、そこまでいくともはやクルマと切っても切れない関係になっているのだなと納得する他ない。

エンジンは23万kmほど走った頃、就職して少し経済的に余裕が出てきたところで5V仕様の4A-GEに換装。そのエンジンはそれから20年後にブローしてしまったので、再び別の5V仕様に載せ替え。AE111用を縦置きに変換し、ガレージアネックスの水周りキットで配管の取り回しを変えてある。


点火制御には1G-FE用のダイレクトイグニッションとフリーダムECUを採用。エキマニにO2センサーを取り付けて、空燃比のフィードバック制御も行なっている。尚、フレームとバルクヘッドの隙間やストラットタワー後方の角などは、ボディ剛性が低いハチロクの要強化ポイント。ガゼットを溶接するなど、タワーバーやロールケージだけでは補えない剛性を強化している。

サイドカバーにはタイベル交換の日付と距離を記したステッカーを貼付。前回は43万5000km時点だったようだが、そろそろステッカーを貼る場所が少なくなってきている。

ドリフト用のタイヤ&ホイールは別にあるが、普段通勤に使っているのがバーディークラブP1レーシングとオールシーズンタイヤの組み合わせ。コンチネンタルが1992年から展開しているミネルバというブランドのオールシーズンマスターというタイヤで、サイズは185/60R15と標準より少し大径になっている。



MOMOのステアリングとBRIDEのセミバケットシートが備わるインテリア。普段から通勤にドリフトにとフル回転していることが容易に想像できる雰囲気で、シートは表皮の擦れがあまりに酷かったためサイドサポートを新たに張り替えてある。ロールケージはリヤシートに家族が乗ることも想定してボディに沿うようなアールをつけて取り付けている。

外装はJ-bloodのエアロを装着し、ハイエースの純正シルバーで全塗装。サスペンションにはKYBが海外市場向けに展開していたAGXショックアブソーバーを備え、ローダウンも行っている。LSDはTRD製を使用。

50万km目前の走行距離であれば、さぞ波瀾万丈なストーリーがあるに違いないと息巻いて質問するこちらのテンションとは対照的に、ハチロクとの長い付き合いについてまったく気負ったところのない感じで話してくれる阿部さん。きっと、この肩の力が抜けた感じが、愛車と長く寄り添える秘訣なのだろうと気付かされた。

「とはいえ、忍耐力と家族の理解は不可欠だと思います(笑)。あと、ハチロクはまだ部品が手に入りやすいというのも大きいんでしょうね。今後も今と変わらない感じで、維持できていければと思います」。
●取材協力:モーターフィックス 岐阜県岐阜市石谷429-14 TEL:058-235-7776
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モーターフィックス
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