LOTUS Type 135

早急なフル電動化戦略からの転換

新たなマルチパワートレイン戦略の中核となるのが、中国市場でエレトレに導入されたプラグインハイブリッド「X-Hybrid」だ。
ラインナップのフル電動化を進めていたロータスは、市場の変化を受けて方針転換を決定。ICEの存続を決定し、マルチパワートレイン化を進める。写真はエレトレに導入されたPHEVシステム。

2026年5月11日、ロータス カーズは新たな事業戦略 「フォーカス2030」を発表した。外部環境の変化や厳しい市場への耐性を高めるとともに、競争力を強化し、より柔軟かつ持続可能なビジネスモデルへの転換を目的とした戦略を導入するという。ロータスにとって重要な転換点となるフォーカス2030は「ブランドの強化」「マルチパワートレイン戦略」「パートナーとの連携強化」「財務規律」の徹底という4つの柱を軸とする。

フォーカス2030は、ロータスのDNAを、あらゆる意思決定の中核に据えた戦略となる。製品カテゴリーやパワートレインの種類を問わず、すべてのロータス車が「軽量性」「空力性能」「徹底したエンジニアリング」「ドライバーが操る歓び」という共通の哲学のもとで開発される。

設計・エンジニアリングの中核は、これまでどおりブランドのアイデンティティとモータースポーツの専門性を担う英国に置かれる。加えて中国の研究開発体制を活用することで、市場ニーズへの迅速な対応と、開発スピードのさらなる向上を図っていく。ロータス・グループの馮青峰CEOはフォーカス2030について、次のように説明を加えた。

「ロータスは、コーリン・チャップマンの反骨精神から生まれたブランドです。そしてその精神は、今も変わらず受け継がれています。『フォーカス2030』は私たちのDNAに立ち返るための新たな戦略であり、ブランドとしても、ビジネスとしても、原点から再出発します。私たちが執念を燃やすのは、エンジニアリング、パフォーマンス、そして真のドライバーズカーをつくること。それこそがロータスを前進させる唯一の原動力だと私たちは信じています」

PHEV搭載エレトレを中国市場に導入

新たなマルチパワートレイン戦略の中核となるのが、中国市場でエレトレに導入されたプラグインハイブリッド「X-Hybrid」だ。
新たなマルチパワートレイン戦略の中核となるのが、中国市場でエレトレに導入されたプラグインハイブリッド「X-Hybrid」だ。

各国・地域で規制や消費者ニーズの変化が異なるスピードで進む中、ロータスはICE(内燃機関)、PHEV(プラグインハイブリッド)、BEV(バッテリーEV)を含む、柔軟かつ機動的なマルチパワートレイン戦略を進めるという。短期的にはPHEVが約60%、BEVが約40%の販売構成比を目指しながら、市場や顧客ニーズに応じて、段階的な完全電動化への移行を進める。ハイブリッド技術は多様化する顧客ニーズに応えるうえで重要な役割を担うため、第1弾として導入される「エレトレ X-Hybrid」は、ICEとBEVのパフォーマンス技術を独自に融合した次世代システムを搭載する。

「X-Hybrid」は、900Vアーキテクチャを採用し、最高出力952PS、最大トルク935Nmを発揮。EVモードでの走行距離は最大350km、最大航続距離は1200km超を実現し、長距離移動における高い実用性が確保されると謳う。0-100km/h加速は3.3秒で、バッテリー残量10%時でも3.5秒を維持するなど、持続的な高性能を実現。電力量70kWhのリチウムイオンバッテリーは20〜80%まで最短9分で充電が可能という。

長い航続距離や高い柔軟性、優れた実用性に加え、サステナブルな高性能と、ロータスならではのドライバーエンゲージメントの実現を目指す「X-Hybrid」技術はエレトレに初採用される。エレトレ X-Hybridは、すでに中国においてカスタマーへのデリバリーが開始されており、初月だけで1000台を超える予約受注を記録したという。ヨーロッパでのデリバリーは2026年第4四半期を予定している。

さらに注目はロータス独自のハイブリッド技術を採用した初の完全新設計スーパースポーツ「タイプ 135」を2028年に投入するということだ。最高出力1000PS超のV型8気筒ハイブリッドパワートレインを搭載するこの新型モデルは欧州での生産を予定しており、詳細は2026年後半に発表される予定だ。

ICEスポーツ「エミーラ」の生産継続を決定

当初、2026年をもって製造を終了するとされていたICE搭載スポーツカー「エミーラ」の英国における生産継続も決定された。
当初、2026年をもって製造を終了するとされていたICE搭載スポーツカー「エミーラ」の英国における生産継続も決定された。

BEVラインナップは、SUVの「エレトレ」、GTの「エメヤ」、ハイパースポーツの「エヴァイヤ」を引き続き製造・販売。さらにICEを搭載する「エミーラ」の生産継続も決定した。これは英国での生産体制継続を後押しするだけでなく、内燃機関スポーツカーに対する根強い需要の双方を反映したかたちだ。数週間以内に歴代で最も高性能かつ軽量なエミーラのアップデート仕様も発表されるという。

ロータスと主要株主であるジーリー(吉利汽車)ホールディンググループとの緊密な協力関係は、「フォーカス 2030」の中核を成す要素となる。両社は技術開発、サプライチェーン競争力の強化、生産効率の向上において連携を深めることで、市場投入スピードの加速、グローバル規模での展開力強化、さらなる収益性向上を目指していく。

また、この戦略を支える重要な取り組みとして「ロータスUK」と「ロータス・テクノロジー」の単一法人化を推進。ブランド運営の一体化、ガバナンスの効率化、コスト最適化に加え、次世代パフォーマンスカー開発に向けたエンジニアリング統合の加速を図る。なお、両社の統合は2026年後半に完了する予定だ。

コンパクトなボディに1.5トンを切る重量、405PSを発揮する3.5リットルのV6スーパーチャージャーにMTを組み合わせるなど、ロータスらしいライトウエイトスポーツカーが「エミーラ」だ。

「ロータス最後のエンジン車!」本格ミッドスポーツの「エミーラ」をチェック!【動画】

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