素直なハンドリングと上質感は、まるで“小さなビッグスクーター”

2023年に登場したバーグマンストリート125EX。毎日の走りにエレガントなスタイリングとワンランク上の装備を求めるライダー向けの上質な二種スクーターだ。生産はインドだがメイン市場は欧州向けに作られたモデルとあって落ち着いた雰囲気。流麗なボディラインに赤ステッチ入りシート、前後LEDライトにフル液晶ディスプレイを採用するなど、独特なオーラを纏っている。
エンジンは、スズキの二種スク3モデル共通の空冷4スト単気筒OHC124ccを搭載するが、後発となるバーグマンだけ「アイドルストップ」やエンジン始動時のセルモーター音を大幅に抑え、再始動時の上質感向上にも貢献している「サイレントスターター」などの新機能を組み込んだ「SEP‐α」を採用している点にも注目したい。ちなみにSEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)は、燃焼効率向上やフリクション低減によって、力強い加速と優れた燃費を兼ね備えたスズキの新世代エンジンのことで、「SEP‐α」はその最新版だ。
こうした装備も含め、バーグマンは実用性の中にも高級志向を散りばめたモデルと言えるだろう。価格的にも31万円台と現実的なゾーンに収めるあたりがスズキの良心。乗った印象は出足が穏やかで排気音もじつに静か。アクセルを開けてからじわっと加速が始まる感じで穏やかで扱いやすい。前後サスペンションもしっとり感があって乗り味も上質だ。

足を前方へ投げ出せるフラットフロアとロングシートを採用し、ライディングポジションはかなりゆったり。前後12インチホイールや長めのホイールベースも相まって、幹線道路や流れの速い道でも落ち着いた走りを見せる。


・スクリーンやシャープなLEDヘッドライトを組み合わせたフロントマスクは、実用スクーターというよりミドルクラススクーターのような雰囲気。ヘッドライト上部のポジションランプも印象的で、昼夜問わず存在感を主張する。 ・立体感のあるLEDテールランプや大型リヤキャリアなど、後ろ姿にも上級感が漂う。キャリアはシートとほぼツライチ形状となっており、荷物の積み降ろしもしやすい設計だ。
前後12インチ&1290mmのホイールベースが生む安定感
ハンドルが高く大柄でゆったりと座れる大きなシートや足を前に投げ出せるフラットフロアなど、すべてにゆとりがある。車体も比較的大柄だが、そのぶんどっしりとした安定感もある。さらにホイールベースは1290mmと今回比較した5台の中で最長クラス。街中はもちろん、流れの速い幹線道路でも落ち着いた走行フィールにつながっている。
ホイールも前後12インチで揃えているためかハンドリングは穏やかでナチュラルだ。さらに後輪がワンサイズ太いのでクルーズ時はもちろんコーナリング中も安定感があって安心できる。ブレーキもじんわり効くタイプで、フロント側もガツンと効かないのでロックしづらく安心してかけられるなど、総じて気負わず乗れて疲れにくいのが美点だ。
他モデルにはないウインドスクリーンも幹線道路など流れの速い道路では、胸元へ当たる風を和らげてくれる。また、シートとツライチ(高さが同じになるよう設計)で広大な積載面を持つリヤキャリアに加え、グローブボックスも左右にあって、シート下収納スペース容量にゆとりができるなど積載性も十分。シート高は780mmと実用スクーターの中では高めだが、そのぶんフロア後部に絞りを設けて足つきを良くする工夫も見られ好感が持てる。
バーグマンは渋滞路をくるくるキビキビ抜けていく、というよりは街中でもゆったり走りたい人に向いている。それでいて、同じバーグマンシリーズのバーグマン200と比べると全長はかなりコンパクトなので(バーグマン200:2055mm/バーグマンストリート125EX:1905mm)、都会派には丁度いいサイズ感なのは間違いない。スーツ姿でオフィスに乗り付けてもサマになる大人のコミューターだ。

バーグマンシリーズ共通の流麗なボディラインが印象的。シートからテールへ自然につながる造形や、ブラックアウトされた足周りによって実用スクーターながら上質な雰囲気を漂わせている。
エンジン&マフラー

124cc空冷SEP-αエンジンを搭載。アイドリングストップやサイレントスターターシステムを採用し、現行国内仕様ではWMTCモード値53.8km/Lを実現。大型スクーターを思わせる存在感のあるマフラーデザインも見どころ。シャープなボディラインと調和し、プレミアム感のあるサイドビューにひと役買っている。
フル液晶ディスプレイ・メーター

ハンドル周りの軽快感を高めるフローティングデザインのフル液晶メーターを採用。オドメーターやトリップメーター、時計、燃料計に加え、アイドリングストップやエコドライブ関連の表示も備えている。
必要にして十分なシート下トランク

容量は21.5L。実用スクーターの中ではトップクラスではないものの、深さを活かした実用的なレイアウトが特徴だ。シート下収納に加え左右のグローブボックスも備え、日常使いに必要な積載性はしっかり確保している。
小ぶりなスクリーン

実用スクーターでは少数派のスクリーンを採用。スモーク仕上げとすることでスポーティな印象をプラス。適度な角度で、ウインドプロテクション効果も高い。
LEDを採用する灯火類

LEDヘッドライトと上部のポジションランプを組み合わせた個性的なフロントマスク。点灯時は白色LEDがシャープな表情を生み出し、昼夜を問わず高い存在感を発揮する。

発光時は複数のLEDが立体的に浮かび上がり、高級感のある後ろ姿を演出。夜の街並みでもしっかり存在感をアピールしてくれる。

バーグマンストリート125EX
大型スクーターを思わせる存在感と快適装備を備えながら、価格は31万7900円(税込)。前後12インチホイールや大型スクリーン、SEP-αエンジンなどを採用し、通勤・通学から週末の移動までゆったりこなせる。実用スクーターでありながら、“ちょっといい移動時間”を味わえるのが最大の魅力。
メーカー公式サイトはこちら
※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】