容量だけじゃ分からない! シート下収納は“深さ”と“形状”も重要だった

通勤・通学や買い物など、毎日使う実用スクーターにとってシート下収納は重要なチェックポイントのひとつ。ヘルメットやレインウェア、仕事道具に買い物袋まで、積みたいモノは人それぞれだからだ。そこで今回は人気の125cc実用スクーター5台を集め、シート下収納を徹底比較してみた。

カタログを見ると容量(L)に目が行きがちだが、実際の使い勝手は数字だけでは判断できない。収納スペースの深さや幅、開口部の大きさによって、入れやすさや取り出しやすさには意外な差がある。容量が近くても「ヘルメットは入るけど荷物が積みにくい」「ヘルメットも掛けやすいぞ」といった個性が見えてきた。

また今回あらためて感じたのは、最近の125cc実用スクーターの進化ぶりだ。単なる移動手段ではなく、燃費性能や快適性はもちろん、収納力までしっかり磨き込まれている。どのモデルが優れているというよりも、それぞれが異なるライフスタイルに向けて作り込まれているのが面白いところだ。

通勤メインなのか、買い物重視なのか、それとも休日ツーリングも楽しみたいのか。収納比較を通して各モデルのキャラクターの違いも見えてきたので、ぜひスクーター選びの参考にしてほしい。

■HONDA リード125 フルフェイスも入る圧倒的収納力はクラス随一

容量37L、長さ665mm×幅285mm×深さ260mm※ を誇るリード125は、今回比較した5台の中でもトップクラスの収納力を持つ一台。開口部も広く、テストで使用したディフューザー付きフルフェイスヘルメットも収納できた。さらに前側へジェットヘルメットを入れ、雨具や小物を追加してもまだ余裕が残るほど。またリヤタイヤを10インチとしていることで後方に十分な深さを確保しており、コンパクトな車体サイズからは想像できないほどの積載力を実現。ビジネスバッグはもちろん、短めのロッドケースなど長物も収納できそうな余裕がある。通勤・通学から買い物、週末ツーリングまでこなせる万能さはさすがリード125といったところだ。
※長さ・幅・深さは、すべて編集部計測参考値となります。

今回比較した5台の中で唯一、フルフェイスヘルメットの収納に成功。さらにジェットヘルメットやレインウェアにグローブ、500mlペットボトル2本まで収まり、37Lトランクの実力を見せつけた。

ラゲッジスペースは長さ665mmを確保。ビジネスバッグはもちろん、短めのロッドケースなど長物も収納できそうな余裕がある。

シートは約90度まで開くため、大きな荷物の出し入れもスムーズ。シート自体が長めなので、開閉時にはやや重さを感じる場面も。

ヘルメットホルダーは左右2カ所を装備。シート裏にガードを設けることで、いたずらや盗難への配慮もなされている。

■YAMAHA ジョグ125 コンパクトボディとは思えない実力派ラゲッジ

容量21.3L、長さ480mm×幅285mm×深さ210mm。数字だけを見ると特別大きいわけではないが、50ccクラスを思わせるコンパクトな車体を考えると十分以上の収納力を確保している。開口部は広めながら深さがやや浅く、今回使用したフルフェイスヘルメットは収納できなかったものの、ジェットヘルメット1個と雨具、小物類なら問題なく収納可能。ラゲッジ後方を一段落とした形状としているため、ヘルメットを横向きや裏返しで収納し、その空間へバッグや小物を詰め込めるのもポイントだ。コンパクトな車体サイズと日常で困らない収納力を両立しているのがジョグ125最大の魅力。街中での扱いやすさを重視しながら、実用性も妥協したくない人にぴったりだ。

コンパクトな車体ながら、ジェットヘルメットやレインウェアにグローブ、500mlペットボトル2本を収納。21.3Lの容量以上に使い勝手の良さを感じさせる結果となった。

ラゲッジ後方が一段落ちた形状となっており、このスペースを活用してヘルメットを横向きや裏返しで収納できるのが特徴だ。

シートは90度以上の開閉角度を確保。荷物の出し入れやヘルメットの着脱も行いやすい。

ホルダーは2個装備。シートとピンの距離に余裕があるため、Dリングを掛けやすく使い勝手は良好だ。

■YAMAHA アクシスZ 容量37.5Lでトップ! “生活スクーター”らしい実力

容量37.5L、長さ640mm×幅310mm×深さ250mmを確保したアクシスZは、今回比較した5台の中で最大容量を誇るモデル。ジェットヘルメットを前後2個収納できるほどの余裕があり、グローブや雨具、小物類までまとめて飲み込んでしまう。フルフェイスヘルメットは収納できなかったものの、幅310mmという余裕あるスペースを活かしてA4ファイルや長物も収納可能。通勤カバンや買い物袋など、日常で発生するさまざまな荷物に対応してくれる。数字上の容量だけでなく、実際に使った時の自由度の高さも魅力。まさに毎日の移動を支える“生活スクーター”らしい収納性能と言えるだろう。

37.5Lの大容量トランクはジェットヘルメット2個にグローブ、500mlペットボトル2本を余裕で収納。日常使いを重視した“生活スクーター”らしい積載力だ。

容量37.5Lを誇る大容量トランク。開口部も広く、ジェットヘルメット2個収納を想定した設計らしい使いやすさが光る。

シート開閉角は90度を確保。荷物の出し入れは問題なく行えるが、ヘルメットホルダーはやや使いずらかった。

ヘルメットホルダーは2個装備。ただしシートとの距離が近いため、Dリングはやや掛けにくい印象だった。

■SUZUKI バーグマンストリート125EX 数字以上に使える! 深さが光る実用派収納

容量21.5L、長さ500mm×幅290mm×深さ270mm。容量だけを見るとジョグ125とほぼ同等だが、注目したいのは比較車中トップとなる270mmの深さだ。燃料タンク配置の関係でフルフェイスヘルメットは収納できなかったものの、ジェットヘルメット1個に雨具や小物類を追加できる実用的なサイズ。深さを活かして小型のビジネスバッグなども収納しやすく、A4ファイルも横向きならギリギリ収まる。開口部こそ特別広いわけではないが、数値以上に使いやすさを感じさせるスペースが魅力。街乗り中心なら不満を感じることは少なく、実用スクーターとして十分な積載性能を備えている。

深さのあるラゲッジスペースを活かし、ジェットヘルメットとレインウェア、グローブほかを収納。容量以上に実用的で、日常使いで不足を感じさせない積載性を持つ。

ラゲッジ底部に燃料タンクの張り出しがあり独特な形状。ただし深さは270mmと比較車中トップで、小型バッグなどは収納しやすい。

シートは90度以上まで大きく開く。長さのあるシートながら荷物の出し入れで邪魔になることは少ない。

ヘルメットホルダーは2個装備。ピンが長めでシートとの距離が近いためストラップのDリングはやや引っ掛けにくい。

■HONDA ディオ110 収納力よりスリムさ重視! シティコミューターらしい割り切り

容量18L、長さ335mm×幅265mm×深さ210mmのラゲッジスペースは今回比較した中では最小クラス。前後14インチホイールを採用したスリムな車体ということもあり、収納力より軽快な走りや扱いやすさを優先したパッケージングが見て取れる。収納できるのはジェットヘルメット1個と小物類が中心だが、深さがあるため500mlペットボトルを縦に収納できるのは便利なポイント。通勤・通学や近所への買い物など日常の移動なら十分対応できるが、荷物を多く積みたい人はトップケースとの組み合わせも視野に入れたい。収納力ではなく、軽快なフットワークこそがDio110の魅力だ。

容量18Lと控えめながら、ジェットヘルメットにレインウェア、グローブまで収納可能。通勤や通学で必要な荷物はしっかり飲み込む実力を備える。

ラゲッジスペースはシート下前半分を中心に確保。フルフェイスは難しいが、ジェットヘルメットと小物類なら十分収納できる。

シート開閉角度は約90度。荷物の出し入れはしやすいが、給油口がシート内にあるため給油時は荷物が丸見え。少し気を使うかもしれない。

ホルダーのピンはやや長め。シート裏側にガードを備えているため、Dリングを掛けた状態でも簡単には外せない構造だ。

※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】