積載も走りも妥協なし! リード125はやっぱり完成度が高かった

フラットフロアの実用スクーターの中で圧倒的な完成度を誇るのがリード125だ。その歴史は古く、初代が登場したのは1982年と40年以上も前。私(ケニー佐川)が大学に入った年で、陸サーファーを気取った友達がアロハ姿でキャンパス内を走り回っていたのを記憶している(笑)。ちなみに当時のリードは「ドゥルルー」ではなく「ビィーン」と耳に響く2ストサウンドだった。美しい曲線を描くレッグシールドなどのデザインも新鮮だったが、最新のリードも当時の雰囲気を残しているところがステキ。そこが老舗ブランドの持つ力だ
採用している水冷エンジンは滑らかでパワフル。特に2022年にモデルチェンジしたモデルからは2バルブ→4バルブ化したeSP+エンジン(上位モデルのPCXと同様)が搭載され、低速トルクが厚く高回転までよく伸びるようになった。はっきり言って動力性能ではライバルを完全に突き放した感がある。アクセル操作に対してダイレクトに反応するレスポンシブルなエンジンはストップ&ゴーが繰り返される街中で有利。燃料消費を減らすアイドリング・ストップ機能も電子制御式ACGスターターのおかげでジェントルかつスムーズだ。
ハンドリングも熟成されている。交差点を曲がるような低速ターンはもちろん、アクセルを開けながら曲がる高速コーナーでも安定感が抜群。ハンドリングはナチュラルで神経質さがないので安心だし、フロント12インチの接地感とともにライントレースも正確。水冷エンジンを搭載し車重は116kgとやや重いが、車体剛性は高く、ホイールベースも長めで(1275mm)、比較のために試走したサーキットでも普通のバイクのような感覚でコーナリングできてしまう。それでいて、乗り心地はしっとりしており長い時間乗っても疲労感が少ないのはアッパレだ。ライディングポジションにも余裕があり、ゆったりとツーリングしたくなるような感じだ。

また、コンビブレーキを採用するが左手ブレーキ(リヤ主体でフロントも連動)だけで十分に減速可能。ちなみにフロントは強く握ればロックするが、唐突さがないのでコントロールしやすかった。ユーティリティも充実している。リード伝統のヘルメットが2個入る大容量トランクに、シートと高さを合わせたリヤキャリア、余裕でタンデムできる大型フラットシートなど実用面は抜かりなし。LEDヘッドライトにスマートキーなど今っぽい装備を含め死角が見当たらない。ひと言で表すなら二種スク界の「万能型優等生」。すべてにおいて本格的だが、そのぶん車体サイズはライバルの実用スクーターに比べるとやや大きめ。けっしてネガを感じるレベルではないが、クルクルと街中を走り回る軽快さの点では、他モデルに軍配が上がる可能性もある。群を抜く走りの性能と高級感、収納スペースを含めた実用性の高さなどすべてにおいてトップクラス。40年磨かれ続けた“通勤快速”はやっぱり万能だった。

●リード125

SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高:1845mm×680mm×1130mm
ホイールベース:1275mm
シート高:760mm
車両重量:116kg
エンジン種類:水冷4スト単気筒
総排気量:124cc
最高出力:11ps/8750rpm
最大トルク:1.2kgm/5250rpm
WMTCモード燃費 :49.0km/ℓ
燃料タンク容量:6.0ℓ
ブレーキ(前・後):ディスク・ドラム
タイヤ(前・後):90/90-12・100/90-10
車両価格:32万4500円~

※スペックは2022年モデル

スマートキー 【実用度CHECK】

スマートキーを標準装備し、キーをポケットへ入れたままイグニッション操作やシートオープンが可能。毎日の通勤や買い物で何度も乗り降りする実スクだけに、この“ひと手間減る便利さ”は想像以上に快適だ。

37Lラゲッジスペース 【実用度CHECK】

リード125最大の武器とも言えるのが37Lの大容量ラゲッジ。ヘルメットに加えてバッグやレインウェアまで収納しやすく、トップケースなしでも十分な積載性を確保する。実スクらしい“生活密着感”が光る部分だ。

リヤキャリア&LEDテール 【実用度CHECK】

シートとツライチ形状のリヤキャリアは、大きな荷物を積載しやすい実用派デザイン。LEDテールランプと合わせて後ろ姿にも上質感があり、“ただの通勤車”で終わらないリード125らしさを演出している。

メーター 【実用度CHECK】

大型アナログスピードメーターと液晶ディスプレイを組み合わせた視認性重視のデザイン。燃料計や時計など必要な情報をスッキリ表示し、毎日乗るバイクとしての使いやすさをしっかり考えたレイアウトとなっている。

eSP+エンジン 【実用度CHECK】

2022年モデルから採用された水冷4バルブ「eSP+」エンジンを搭載。低速トルクの厚みと高回転域の伸びを両立し、街乗りだけでなく幹線道路やちょっとしたツーリングでも余裕ある走りを見せてくれる。

2025年にマイナーチェンジ

今回紹介した2022年モデル後、2025年にハンドルカバーやフロントカバーまわり、車名ロゴのデザインを変更し、より洗練された印象へ進化。さらに37LラゲッジにはLEDトランクライトとパーテーションボードを新採用し、夜間や荷物整理の使い勝手も向上した。実用性だけでなく、上質感まで磨き込んできた“老舗実スク”らしいアップデートと言えるだろう。●35万2000円

※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】