スバルは現在3車種をラインアップしており、EVのラインアップは充実している。トヨタとの協業と自社開発のバッテリー式電気自動車(BEV)でポートフォリオを構築してきたが、今回、初の本格的な自社開発となるEVの発売を延期することを発表した。

当初、EV専用として建設された大泉新工場は、EVではなくガソリン車とハイブリッド車の生産を開始することになる。

スバルはトヨタとEVを共同開発する一方で、“真の意味でのスバル製EV”とも言える独自EVの開発を進めていた。これは単なるOEMや共同開発の類ではなく、スバル独自のAWD制御や車体設計思想を全面的に反映した次世代EVになるものと見られていたが、当面延期されることになった。
その原因は、最大の市場であるアメリカで、バッテリー駆動車の需要が急激に冷え込んだことにある。
スバルのCEOである大崎篤氏は、「こうした状況を踏まえ、BEVの市場投入時期を延期する。どの車種を市場に投入するかを含め、戦略全体を包括的に見直したい」と明言している。
そしてスバルは、今後も“中核となる”BEV部品の開発は継続するものの、他の自動車メーカーと同様に、「この取り組みに投入するリソースを大幅に削減する」と発表した。
スバルは、2028年には最大4車種の自社開発EVを日本の新工場で生産する計画だった。しかし、そのための大泉新工場はEV生産を延期することになり、その代わりにガソリン車とハイブリッド車の生産を開始することになる。
スバルが現在販売しているEVは、アンチャーテッド、ソルテラ、トレイルシーカーの3車種で、次期EVの発売時期は未定だ。大崎社長は、「市場動向を慎重に見極めた上で、自社開発BEVモデルの発売時期を確定する。現時点では具体的な時期をお伝えするのは時期尚早だ」と述べている。
これは、2030年までにEVが世界販売台数の半分を占めることを目標としていた同社にとって、大きな方針転換となるだろう。また、パナソニックとの共同開発によるバッテリー工場プロジェクトも、EV開発への投資額を再検討する中で、遅延する可能性がありそうだ。
スバルは、EV戦略の見直しを迫られた最初の自動車メーカーではない。米国における連邦税制優遇措置の廃止が販売を低迷させ、消費者が依然として内燃機関車を好む傾向にあるため、現在、多くの自動車メーカーが生産計画の見直しを迫られているのだ。果たして、車業界が予測した夢のようなEV時代は本当に到来するのだろうか。





