PHEVをラインナップ 運動性能や静粛性も向上

「快適な移動の幸せ」を謳うショーファーカーとしての価値を高めた現行型アルファードは、高価なクルマでありながら売れ行きは上々だ。そこにさらに日本初のミニバンPHEVが加わった。

エクステリア

キング・オブ・ミニバンらしく堂々としたシルエット。スライドドアの開口部は800㎜超と広く、2 列目を最優先したことが感じられる。なお、PHEV の最低地上高は155㎜でHEV より5㎜高いが、これはタイヤサイズに由来してのもの。最小回転半径は5.9m。

PHEVシステムには、18.1kWhのバッテリーが搭載され、EV走行距離は最大で73㎞に達し、エンジンを併用すると無給油で最大850㎞以上も走れる計算になる。バッテリーが十分に残っていればEVモードが選択可能となり、よほどでないとエンジンを掛けることなく約120㎞/hまでEV走行できる。PHEVは「エグゼクティブラウンジ」のE-Fourの6人乗りタイプのみの設定で、専用の19インチホイールがHEVとの識別点となる。ただし、車内はラゲッジフロア後端下のアンダーボックス内側の形状が変わった以外に、駆動用バッテリーほか諸々のシステムに関するものの搭載による車内空間への影響は皆無というからたいしたものだ。

乗降性

PHEVとHEVを乗り比べると、走りの違いは小さくないことがよくわかる。パワートレインが違うだけでなく、プラスアルファの進化も小さくないからだ。加速力はHEVも十分なところ、PHEVはより瞬発力のあるアクセルレスポンスと力強い加速を実現していて、しかも扱いやすい。車両重量は増えてもシステム出力は大幅に上回っていて、0-100㎞/h加速ではHEVが8.8秒のところPHEVは7.1秒と2秒近くも速い。

インストルメントパネル

12.3インチTFTカラーメーターを全車に標準装備。表示のテイストは4種類、計器レイアウトは3パターンから選べる。ディスプレイオーディオは14インチの大画面、「X」グレードは9.8インチとなる。

静粛性についても各部により入念に対策が施されていて、エンジンが掛かって止まるのがまったく気にならないほどになっている。これほど車内の会話明瞭度が高いクルマは他にあまり心当たりがないほど静かな空間を実現できている。推奨というAUTO EV/HVモードを選択すると、EVとしての静粛性の高い走りを基本に、走行状況に合わせて最適な出力配分となるように制御してくれて、PHEVの醍醐味をより味わうことができる。

居住性

乗り心地はHEVも悪くなかったが、これほど大柄で重たい車体を安定して走らせるには、乗り心地に硬さを感じるシーンも見受けられた。一方で、PHEVは重心が低くなり安定性が高まったおかげでダンパーの減衰力を落とすことができたとのことで、電制モノを使わなくてもここまでできたのには恐れいる。PHEVには「スムーズストップ」という機能が搭載されたのも新しい。これはブレーキング時に前のめりになるのを抑え、停止間際にカックンとならないようブレーキを抜いてフラットな姿勢の維持を図るというもので、運転が不得手な人ほどより大きな恩恵を享受できることだろう。

うれしい装備

大型アームレストや電動オットマン、バニティミラー付き回転格納テーブル、ベンチレーションなど装備が充実した「エグゼクティブラウンジシート」は、最上級グレードを選ぶ理由となるだろう。
上級グレードに備わるリモートスイッチ。ラゲッジ開口部側から荷物のサイズに合わせてラゲッジスペースを調整できる便利な機能だ。
追加モデル発表   24年12月20日 
月間販売台数     7248台(25年6月~11月平均)
WLTCモード燃費   18.9km/ℓ※「X(ハイブリッド)」のFF車

ラゲッジルーム

PHEVならではの質の高い移動に加えて、深夜早朝の住宅街を静かに送迎したり、エンジンを掛けることなく待機時に空調を使用したり、必要なときに出先で外部給電を使うことができたりと、よりショーファーカーとして役に立つシーンが増えたこともありがたい。HEVもよくできているが、PHEVはさらによくなっている。価格はだいぶ高くなったものの、得られたものもとても大きい。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.174「2026年 国産新型車のすべて」の再構成です。

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