ブレーキフルード交換の前に…… そもそもブレーキフルードって何に使うの? なぜ交換する必要があるの?
まず一般的なブレーキの仕組みを説明すると、
①ブレーキペダルを踏んだ瞬間に、その圧力が発生する。

②圧力がブレーキラインを通りブレーキキャリパーまで伝わると、キャリパーに内蔵されたピストンが押し出される。

③押し出されたピストンはブレーキパッドを回転するローターに押し付けるので摩擦力が発生し、クルマを止める。

その圧力を伝えるのがブレーキフルードの役割だ。液体なので圧力を加えても体積が変わりづらく、ブレーキペダルを踏んだ圧力(=踏力)を正しく伝えることができる。逆にいえば、この中に圧縮によって体積が大きく変わる空気が混入してしまえば、正しく伝えることはできない。
しかしブレーキフルードは摩擦熱で高温に晒されるブレーキまわりの熱を受けてしまうため、沸騰してしまう場合がある。液体は沸騰すると蒸発して気体になるので、気泡がブレーキラインに混入してしまう。
すると圧力が正しく伝わらないので、当然ブレーキの効き心地(ブレーキタッチ)は変化するし、性能も悪化する。最悪の場合、ブレーキを踏んでも効かない&止まらないべーパーロック現象につながるのだ。
ゆえにサーキットなどのスポーツ走行では沸点の高いブレーキフルードへの交換が効果的で、ハードユースでは劣化も激しいので通常の整備以上の交換頻度になる場合がある。
ENDLESS ブレーキフルードの使い方
交換・エア抜きが必要なのはいつ?
ではそのブレーキフルードの使い方は? エンドレス製ブレーキフルードの場合を一例として紹介したい。
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まずは街乗りから軽いワインディング程度で使用するケース。エンドレスのS-FOURフルードであれば、交換頻度は純正と変わらない。メーカーや車種によって変わるが、トヨタの場合は2~3年に1回もしくは変色が認められた場合としている。
サーキットなどを走るケースでは、交換目安は多くの場合交換年数よりも性能低下を感じた段階となる。街乗りではまずないレベルの高温に晒され、加熱と冷却を繰り返すゆえに気泡の発生や劣化も激しいからだ。
ブレーキフルードのメンテナンスは、毎回全量交換するのではなく発生したエアを抜き取り不足したフルードを補充するエア抜きで対応する場合がほとんど。空気の混入がご法度なブレーキの構造上、全部抜いて一度空っぽに……。ということができない事情もある。
フルードの性能低下を感じる方法としてまず挙げられるのは、ブレーキタッチの違和感だ。
ブレーキを踏み込むとフワフワした感触を覚えたり、反応が一定でなかったり、あるいは同じ踏力で通常より大きくブレーキが沈み込んでしまうなど。その症状の原因としてブレーキパッドだけでなく、フルードの劣化も大いに考えられる。
フルードの変色も有力な手掛かりとなる。おおよそ新品と見比べた際に暗い色に変化するので、タッチの違和感と併せて確認したい。
ひとくちにサーキットといっても負担の掛かり方は千差万別だが、とくに連続周回をする場合は走行1日につき1回、エア抜き・フルード交換を行うことが理想的。
また、多くのブレーキフルードの主成分であるグリコールエチレンは、吸湿性(空気中の水分を吸収してしまう)という特性がある。それが進んだ状態では当然性能を発揮できない。エンドレスは交換の際フルード容器のキャップを開ける時間を最小限にすること、また開封済みのものは早目に使用することを推奨している。
ブレーキフルードは在庫切れにならない? 買い貯めは必要?
最後に、ブレーキフルードの流通状況についてお伝えしたい。中東情勢による石油流通の混乱が著しい昨今、エンジンオイルなどの石油ベース油脂類では大幅な値上げや買い貯め/買い占めによる在庫切れなどが発生している。ではブレーキフルードはどうか? 2026年6月時点でのエンドレスの現状を聞いた。
Q.ブレーキフルードが在庫切れになる可能性はある?
A.ブレーキフルードの場合、現状影響は少ないが今後は影響を受ける可能性もある。過度な買い貯めは必要ないが、使用する予定がある場合、必要分ご購入頂くと安心というのが現在の見解。
Q.冬のタイムアタックシーズンのためにあらかじめ買っておいても大丈夫?
A.未開封のフルードは2年程度であれば性能を保持しながら保管できる。保管するときはなるべく冷暗所がおススメ。
■取材協力 エンドレスアドバンス
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