BMWが2025年5月に世界初公開した限定シューティングブレーク「スピードトップ」の市販型プロトタイプが、ニュルブルクリンクで高速テストを開始した。

BMW スピードトップ 市販型プロトタイプ スパイショット

同モデルは、ロングノーズと低いルーフラインを特徴とする2ドアGTで、クーペとワゴンを融合させた独創的なスタイリングを採用する。SUV人気が続く市場において、あえて趣味性を追求したモデルとして大きな注目を集めている。

BMW スピードトップ 市販型プロトタイプ スパイショット

生産台数は70台限定とされ、価格は58万ドル(約1億円)を超える見込みだ。BMWのデザイン戦略と高級車ビジネスの方向性を象徴するモデルとなりそうである。

発表から約1年が経過し、市販化に向けた最終開発段階に入った模様だ。プロトタイプにはBMWおなじみの渦巻き模様のカモフラージュが施されているが、伸びやかなルーフラインやフィン型ドアハンドル、極薄のリアライトなど、昨年のヴィラ・デステで公開されたコンセプトモデルの特徴はそのまま受け継がれている。

BMW スピードトップ 市販型プロトタイプ スパイショット

市販モデルは2026年後半に限定生産される予定である。BMWは、6気筒エンジンを搭載したZ3 Mクーペ以来となる本格シューティングブレークに、V8エンジンを採用するとみられている。

BMW Z3 M クーペ

ベースとなるのは8シリーズのプラットフォームで、パワートレインにはM8コンペティションと同じ4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載すると予想される。最高出力は625ps前後とされ、8速ATとBMW xDriveを組み合わせることで、4輪すべてに駆動力を伝達する。

BMW M8 クーペ
BMW M8 コンペティションクーペ

BMWはスピードトップを、2024年に発表した限定ロードスター「スカイトップ」の派生モデルとして位置付けている。市販版でも2シーターキャビンやラゲッジスペースを重視した贅沢なパッケージングが採用される見込みで、コンセプトモデルの世界観を忠実に再現する可能性が高い。

BMW スカイトップ

近年のBMWはEV戦略を推進する一方で、ブランド価値を高める少量生産モデルにも力を入れている。大量販売モデルとは異なる「感性価値」を提供することで、高収益化とブランドイメージ向上の両立を狙っているのだ。

BMW スピードトップ 市販型プロトタイプ スパイショット

スピードトップは単なるデザインスタディではない。「移動手段」以上の価値を求める富裕層に向けた特別なGTモデルとして登場する可能性が高い。電動化が進む時代だからこそ、BMWがV8エンジンを搭載した情熱的なモデルを送り出す意義は大きいと言えるだろう。