7A-G改5バルブで辿り着いた理想形
走りも快適性も妥協しないストリートチューン!
「ずいぶん前になりますが、もともとはBNR32を買うつもりだったんですよ。でも、友人のAE86を見た瞬間に心を奪われてしまって……」。
そう笑うのは、この真っ赤なトレノを長年乗り続ける三好さんだ。

購入後はAE86の魅力にどっぷりとハマり、サーキット走行やタイムアタックに没頭。車両はロールケージやスポット増しによるボディ補強を施した本格的な競技仕様へと進化し、エアコンやパワーステアリングといった快適装備も取り外された。
横転やエンジンブローを経験しながら走り続けてきたものの、5年ほど前にチューニングエンジンを立て続けに壊してしまったことで気持ちが途切れ、愛車は約3年間ガレージで眠ることになる。

再び走りへの情熱を呼び覚ましたのは、ネオクラシックブームの盛り上がりと、行きつけのプライムガレージで目にした数々の4A-Gチューンドだった。
「今度は気軽に乗れる仕様にしたい。そして、いつかやりたかった7A-G仕様(4A-Gヘッド+7A-FEブロック)を作ろうと思ったんです」。
そうして完成したのが、このストリートスペックだ。



心臓部は、1mmオーバーサイズのカメアリ製ピストンと海外製コンロッドを組み合わせた7A-FEブロックに、AE111用5バルブヘッドをドッキング。吸気にはAE111純正4連スロットルを組み合わせ、プライムガレージ製等長ロングエキゾーストマニホールドやダイレクトイグニッション化なども実施している。制御は以前から使用していたF-CON Vプロが担い、ダイナパック計測で220psを発揮する。
「以前の4Aベースとはまるで別物ですね。トルクが圧倒的で、街乗りが本当に楽になりました」と三好さん。

エンジンルームにはHKS製大型オイルクーラーをはじめとする冷却系も充実。連続周回にも耐えられる余裕を確保しながら、ストリートでの扱いやすさも高いレベルで両立している。

マフラーはプライムガレージ製のワンオフデュアルテール。程よくローダウンされた車高と相まって、玄人好みのチューンドらしい佇まいを演出している。

フロントストラット周辺には、かつて施工されたスポット増しの跡が今も残り、このマシンが本格的なバトルスペックとして戦ってきた歴史を物語る。

足まわりは前後ともDG-5車高調でセットアップし、ホイールにはRSワタナベを装着。さらにFC3S用4ポッドキャリパー流用など、AE86では定番となるアップグレードも抜かりなく投入される。



一方で、競技車両だった頃の面影も色濃く残されている。室内にはワンオフメーターパネルやロールケージを装備し、ブリッドのジータⅡとブリックスⅡを組み合わせたシートレイアウトは、長年このクルマと歩んできた歴史そのものだ。


しかし、現在はストリートユースを重視する方向へシフト。電動パワーステアリングとエアコンを復活させ、買い物や家族とのドライブも快適に楽しめる仕様へと進化を遂げている。


ランフリー製リヤゲートやTRDバナー、HPI製アクリルリヤガラスなど、長年培ってきたAE86らしいスタイルも健在だ。

現在では、息子の潤くんと一緒にドライブへ出かける機会も増えたという三好さん。かつて速さだけを追い求めていたAE86は、今では家族との時間も楽しめる特別な一台へと変わった。
サーキットで培った経験、長年積み重ねてきた知識、そして現在のライフスタイル。そのすべてを凝縮したこのAE86は、これからも三好さんの人生とともに走り続けていく。
●プライムガレージ 福岡県北九州市小倉南区葛原東3-3-5 TEL:093-473-2338
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