大改良でグレード構成を一新 ユーザー思いの5速MT継続

今では日本の乗用車販売台数の約4割を占めるようになった軽自動車だが、その原動力となったクルマがワゴンRだ。「軽自動車は寸法が制限されているから、室内が狭いのは当たり前」とされてきた時代に、「高さ方向を上手く使えば、前後のスペースはもっと広く使える」と考え、〝ハイトワゴン〞というスタイルを提案。乗車姿勢を〝腰掛け型〞にして大人4人が快適に座れる空間をつくり出し、軽自動車の新たなスタンダードスタイルを築き上げた。
エクステリア




ところがその後、さらに背が高く後席ドアをスライド式にしたスーパーハイトワゴンが登場。さらにSUVとのクロスオーバーモデルが登場するなど多様性が進むと、ワゴンRは脇役へと押しやられてしまった。そんな状況下に置かれたワゴンRも、6代目モデルはデビューから8年を数え、通常ならフルモデルチェンジが行なわれる時期。しかしスズキはゼロベースから検討し直し〝ビッグマイナーチェンジ〞という形で生まれ変わらせることを選んだ。ラインナップはかつての〝カスタムZ〞系に統一。標準車とスティングレーは廃止となった。同時にパワーユニットもターボを廃止し、自然吸気エンジンのみとなっている。
乗降性


グレードは「ZX」と「ZL」のふたつに絞り、前者にはマイルドハイブリッドを搭載。後者は純エンジン仕様とし、アイドルストップも廃止するなど、低価格を重視した設定とした。一方で、「ZL」には5速MTも設定。「今でも求めるお客さまがいる」というのが理由だそうで、マイノリティのユーザーまで大切にするスズキの姿勢が表れている。プラットフォームや車体骨格に変更はない。しかしCAE解析が発達した現在では、そうそう革新的な構造は現れないし、鋼板の高強度化(薄肉化)も、剛性を考えると上限に近い。それなら、従来型でやりきれていなかった部分の熟成を図った方が、良いものができる。
インストルメントパネル

大きな変更点は、ボディへの2種類の接着剤の導入。開口部コーナーなど変形しやすい部分には構造用接着剤を、床まわりやダッシュパネルなど剛性と上質感の両方に影響する部分には、高減衰接着剤を採用している。これらによって、サスペンションが正確に動くようになり、操縦安定性と乗り心地が高まっただけでなく、車内が静かになり、会話がしやすくなっている。
居住性


サイドドアはヒンジ式を継承する。トレンドはスライドドアだが、ロール軸から遠いところが重くなるため、操縦安定性の点で不利になることや、コストが掛かること、スライドドアを求めるユーザーは〝ワゴンRスマイル〞でカバーできることなどから、ワゴンRはヒンジ式を貫いた。装備的に新しいのは、ステアリングヒーター(「ZX」に標準)。3時と9時の位置を中心に、各90度の範囲で電熱式ヒーターを内蔵しており、イグニッションオンにすれば数秒で暖まる。だから、エアコンから暖気が出るのを待たずに走り出せる。
うれしい装備






月間販売台数 5678台ワゴンRスマイルを含む(25年7月~12月平均値)
現行型発表 17年2月(一部仕様変更 25年12月)
WLTCモード燃費 25.1㎞/ℓ※「ハイブリッド ZX」「ZL」のFF車(5速MT)

ラゲッジルーム


運転支援システムも、デュアルカメラからデュアルセンサーブレーキサポートⅡにアップデートされ、交差点や出会い頭事故へも対応。新型ワゴンRは〝偉大なる普通〞路線を力強く歩み始めた。


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