REVSPEED Time attack hour 筑波コース1000
誰もが引き出せるRE-71RZの進化



PCA with BOSS GR86×蒲生尚弥
計測1周目から圧巻のタイム差
2周目も1周目と僅差にとどまる

<おもな仕様内容>
■最高出力 460ps ■最大トルク 48kg-m ■ブースト 1.0kg/㎠
■HKS GTⅢ-RSタービン
■HKS 鍛造ピストン/I断面コンロッド/クランクシャフト
■BLITZ エアクリーナー
■HKS エキマニ
■FUJITSUBO フロントパイプ/マフラー
■AUTO PRODUCE BOSS 燃料ポンプ ■980ccインジェクター
■AUTO PRODUCE BOSS LAP ECU
■HKS オイルクーラー ■BLITZ インタークーラー
■GR トランスミッション
■ORCクラッチ/フライホイール
■AUTO PRODUCE BOSS車高調キット(F 9kg/㎜ R 10kg/㎜)
■CUSCO L.S.D. type RS
■ENDLESSキャリパー &ローター(F 4POT R 2POT)
■VARIS フルエアロキット/GTウイング/カーボンボンネット
■POTENZA RW006 18×10.0J inset 20
■POTENZA RE-71RZ/RE-71RS 265/35R18
PCA with BOSSはPOTENZA CIRCUIT ATTACK with AUTO PRODUCE BOSSの略称。PCA with BOSS のGR86は、2025年12月の筑波スーパーバトルで、蒲生尚弥が58秒688の筑波コース2000自己ベストをマークしている。そのとき履いていたのがRE-71RZで、サイズも同じ265/35R18だった。
ストリートチューンドの範疇にあるこの車両。エアコンを残し、ロールバーを加えた車両重量は1340㎏ほど。
車高調サスキットはAUTO PRODUCE BOSSで、バネレートはフロント9㎏/㎜、リア10㎏/㎜にとどまり、ENDLESSのブレーキキット、CUSCOのL.S.D.などと併せて、セット出しがなされている。FA24エンジンは内部まで手が入り、HKS GTⅢ-RSタービンでピークパワーは460psだ。
この日も蒲生尚弥がドライブ。まずはRE-71RSで走行。計測1周目に38秒963、2周目に38秒756を刻む。RE-71RZに履き替えて、再びコースイン。1周目に38秒146が出て、いきなりコンマ6秒上回る。2周目も38秒301で、極めて少ない落ち幅だった。

「あくまでRE-71RZとの対比ですが、RE-71RSの1周目は温まりきっていない印象で、フロント/リアともグリップがやや不足。完全に温まった2周目にベストが出せました。
一方のRE-71RZは計測1周目から明確なグリップがあり、最初からRE-71RSのタイムを大幅に超えることができました。RE-71RZはウォームアップの早さ、ピークグリップの高さ、グリップの落ち幅の少なさに、さらなる進化を感じました。
とくにグリップは、ブレーキングしながらハンドルを切るような、ふたつのことを同時にやるような場面で、許容の幅を感じました。一発のタイムと連続周回での性能維持がハイレベルで両立されています」と蒲生。
「RE-71RSと同じく、特別な運転は必要ありません。セオリーどおりに走れば、クルマが自然とよく曲がり、その分、アクセルも早く開けられます」とアドバイス。
PCM with BOSS GRヤリス×佐々木雅弘
ウォームアップを意識しなくても
1周目から確実にタイム短縮

<おもな仕様内容>
■FUJITSUBO フロントパイプ/ キャタライザー/ マフラー
■AUTO PRODUCE BOSS LAP ECU
■16段オイルクーラー
■GRフロント機械式L.S.D.
■ENDLESS 車高調キット
■HAL springs (F 18kg/㎜R 30kg/㎜)
■Prodrive GC-0100 18×9.5J Inset 44
■POTENZA RE-71RZ/RE-71RS 265/35R18
PCA with BOSS GRヤリスはGR-DAT(8速AT)車。2025年12月の筑波スーパーバトルでは、佐々木雅弘が265/35R18のRE-12D TYPE Aで、1分00秒413をマーク。
もっとも、この車両はライトなチューニングにとどまり、各部の緻密なセッティングでタイムを稼ぐスタイル。フロント18㎏/㎜、リア30㎏/㎜のバネレートはRE-12D TYPE Aでの筑波スーパーバトルより、やや下げてきたものだ。
筑波コース1000のアタックも佐々木雅弘が担当。いずれのタイヤも開発に携わっていて、すべてを知り尽くしているドライバーだ。RE-71RS、RE-71RZの順番で走る。時間の都合で、計測1周ずつの比較となってしまったが、RE-71RSの39秒065に対し、RE-71RZは38秒648と、コンマ4秒も速かった。

「いずれも、あえてウィービングなしで、コースインの次の周に計測。RE-71RZはウォームアップを意識せず、アタックに入ることができます。それまでも、筑波コース1000では同様のタイム差が得られていました。
RE-71RZの特徴で知っていただきたいのは、2周目以降のタイムダウンが極めて少ないこと。新品の美味しいグリップのピークのあとにも、そのピークがちょっと持続します。新品一発のタイムが出せて、2周目にも期待が持てて、少し使ったあとも安定したタイムで走れる。そういうタイヤにできています。
構造からトレッドが広く使え、接地圧の分布もRE-71RSよりさらに安定して高くなっています。RE-71RZは接地面にしっかり力が掛かり、路面をつかみます。RE-71RSからでも、ほかのスポーツラジアルからでも、履き替えるだけで、タイム短縮できるはずです」と佐々木。
使い方についても伺うと、「RE-71RZだからという特別なことは不要です。ただし、大事なのは空気圧です。最近は低い空気圧が定番の傾向にあります。
しかし、開発テストでの基準空気圧は、皆さんが浮かべる値よりもだいぶ高い。車重やタイヤ幅などにもよるので一概にはいえませんが、たとえば純正の基準サイズなら、通常の空気圧でも性能を存分に発揮できます。まず、それを試してみて、少し高いと感じたら、徐々に下げる方向でよいと思います」という。
AUTO PRODUCE BOSS 藤岡和広代表に聞く
RE-71RZの進化と使い方アドバイス

PCAのチューニングカーを手掛けるAUTO PRODUCE BOSSの藤岡和広代表はPOTENZAのタイヤに精通。今回の結果を踏まえてのコメントは気になるところだ。
「RE-71RSでの走行のあと、RE-71RZは履き替えてすぐコースに入りました。ファンでクルマを冷やしたとはいえ、条件的にはRE-71RZのほうが不利です。しかし、それでもミニサーキットでこれだけのタイム差が生じるのは凄い進化だと思います。
走行後のトレッドを見ても摩耗が極めて少なく、ブロックもまったく崩れていません。RE-71RSはタイヤを正面から見て、四角い形状のまま、接地面が移動していたイメージです。
要するに、タイヤが傾くと、トレッドの片側は路面に当たって、反対側は接地が薄れる。とくに路面へ強く当たる部分の面圧が上がって、そこから摩耗が始まっていました。
RE-71RZはゴムが軟らかく、トレッド全体がグニュっと動き続け、サイドウォールの軟らかさもあって、接地面が広く維持されます。
面圧の掛かり方が安定して、そこにアウト側の大きなブロックによる踏ん張りが加味されます。グリップ性能が高まったうえに、摩耗がキレイで減りにくいというのは、そこから来ていると感じます」と進化について語る。


続いて、アドバイスを伺うと、「RE-71RSもRE-71RZもキャンバー角をあまりつけなくてよいタイヤですが、RE-71RZはセッティングの自由度が高まっていて、ピンポイントにはめ込まなくてもタイム向上につなげられるようになっています。
RE-71RSは一気に過重を掛けられるサスペンションが合っていましたが、RE-71RZはサイドウォールが軟らかく、一気に過重を掛けなくても曲がっていきます。
タイヤ自体の乗り心地もよくなっているのですが、そのため、ストリート重視の軟らかいサスペンションでもタイムが出やすい。
また、キャンバー角はつけないに越したことはないのですが、タイヤ自体の構造が軟らかくなっているので、キャンバーをつける方向のセッティングもあり。そんな懐の深さもあるのです」とのことだった。
セッティングで悩まず、ドライビングも気負わず、セオリーどおりに走ればタイムが出せて、さらに、そこから合わせ込む醍醐味も味わえる。全方位で正常進化を果たした先進のスポーツラジアルといえるだろう。
■ブリヂストン
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/
