改良で先進機能が大きく進化 足元広々な後席空間も魅力的

今や軽乗用車の主流は、完全にスライドドア付きのモデルである。2025年の軽自動車販売ランキングを見ると、トップのホンダN-BOX以下、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントとスライドドア付きの車種が並ぶ。4位にはダイハツ・ムーヴが続くが、ムーヴの販売内訳はスライドドア付きのムーヴキャンバスも多く、また通常のムーヴも25年6月に登場した現行モデルは全車スライドドア付きなので、〝実質的にスライドドア車〞と言っていいだろう。

エクステリア

“スマイル”というサブネームのとおり、微笑むようなキュートなデザイン。女性ユーザーを意識し、ボディ色にはニュアンスカラーを取り揃える。ホイールは「ハイブリッドX」のみツートーン仕様となる。最小回転半径は4.4m。

そうなると「スライドドア仕様のワゴンRが欲しい!」というリクエストが出てくるのも当然のこと。というわけでワゴンRスマイルは、そんな声を受けて登場したモデルだ。ただし、車体はワゴンRとは違う。ワゴンRをベースにスライド化したというよりも、スペーシア(旧型)の車体構造をベースに背を低く設計したモデルと考えるのが正解だ。いわば〝チョップド(天井を低くした)スペーシア〞である。

乗降性

そしてもうひとつ重要なコンセプトがある。それは「スライドドア車をできるだけ安く」ということ。ベーシックグレードの価格はなんと148万9400円から。ムーヴの最安グレード(135万8500円だが非接触キーを標準採用するなど装備面はワゴンRスマイルの方が充実)には届かないものの、スペーシアの153万100円よりは安いプライスタグだ。

インストルメントパネル

ステアリングなどはアイボリー系で、インパネ加飾はグレード別に凝ったつくりを採用。「ハイリッドX」はリフレクショングレー×カッパーゴールドで高級感を演出する。

エクステリアは、丸いヘッドライトなどかわいらしさを体現したデザインと言っていい。筆者のようなオッサンが乗るにはちょっと照れてしまうが、24年12月の改良では「ヘッドランプガーニッシュの形状を変えることで、目元の可愛らしさを演出」「ロアグリルをシンプルに整えた造形とし、優しく微笑んでいるような表情に」と同社のプレスリリースで説明されるほど「かわいさ」に磨きを掛けている。それを求める女性が最大のターゲットなのだ。ライバルは同じくかわいさ全開のムーヴキャンバスであることは間違いない。

居住性

その改良では電動駐車ブレーキや全車速追従式ACCの採用、先進安全運転システムをデュアルカメラ式から単眼カメラ+ミリ波レーダーの併用タイプへ変更するなど先進機能が大きく進化。最新軽自動車の水準へブラッシュアップされている。車体も高減衰接着材の採用などでバージョンアップされ、サスペンションも見直して操縦安定性と快適性をさらに引き上げているのだ。ターボエンジンの設定はないが、街乗り中心の使い方であれば不足のない動力性能をもつ。走りも飛び抜けて優れているとまではいかないが、サスペンションの改良などにより従来型に比べてロール感が自然になるなど、きっちりと進化しているから不満はない。

うれしい装備

「G」を除いて、パワースライドドアに予約ロック機能を装備。ドアが閉まると同時に施錠もされるため、閉まり切るのを待たなくてOK。
スズキコネクト対応通信機装着車であれば、アプリで前もってエアコンをONにしておくなど、便利な通信機能を利用することができる。
月間販売台数   5678台ワゴンRを含む(25年7月~12月平均値)
現行型発表    21年8月(一部仕様変更 24年12月)
WLTCモード燃費  25.1㎞/ℓ※「ハイブリッド」系のFF車

ラゲッジルーム

というわけでワゴンRスマイルは「スライドドアのワゴンRが欲しい。「できるだけ安く」という人にはピッタリのモデル。「ムーヴの方が安い」と言う人には「こちらのほうがかわいい」と伝えてあげよう。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.175「2026年 軽自動車のすべて」の再構成です。

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