“一生モノ”を目指したBNR34!
乗り潰すのではなく、後世に残すためのR
学生時代、雑誌やレース映像で目にしたカルソニックスカイラインGT-R。その迫力あるスタイルと圧倒的な速さに憧れを抱いたKANさんは、社会人になるとRB26DETTを搭載するステージア260RSを手に入れ、その後BNR32へ乗り換えてサーキット走行を楽しむようになる。

やがて目標だった富士スピードウェイ2分切りを達成し、R35 GT-Rへと乗り換えたものの、「RB26のサウンドとMTを操る楽しさが忘れられませんでした」と振り返る。

そして2017年頃に巡り合ったのが、このBNR34 VスペックIIだ。当時はまだ中古車相場が高騰する前だったこともあり、走行3万km台という極上コンディションの個体を手に入れることができた。
現在はサーキットを走らせることはなく、「壊さず長く乗り続けること」を最優先にリフレッシュとアップデートを進めている。年々純正部品の供給が厳しくなる中、このクルマを”一生モノ”として後世へ残すことが最大のテーマなのだ。


エンジンは緑整備センターが製作。純正然としたルックスながら中身は抜かりなくチューニングされ、ギャレットGT2860R GenIIタービンを組み合わせることで、ブースト1.2キロ時に433psを発揮する。
以前装着していたHKS GTIII-SSから、高回転域での伸びを求めてタービンを変更。一方でHKS Vカムシステムを組み合わせることで、低回転域の豊かなトルクもしっかり確保している。

Vカムの油圧制御ユニットやニスモ製サージタンクのロゴはあえてスムージング。さらにHKSクランク角センサーコンバージョンキットやエアフロレス化、F-CON V Proによる制御を組み合わせ、高精度なエンジンマネージメントを実現している。

タペットカバーとサージタンクは結晶塗装仕上げとし、サムコ製シリコンホースもすべてブラックで統一。純正エアクリーナーボックスを残したことで、エンジンルームは純正以上に美しい仕上がりだ。

パイピングやABSユニットは鏡面加工を施し、ボディ補強には緑整備センター製チタンタワーバーとニスモ・パフォーマンスバーを装着。細部まで妥協のない作り込みが光る。

エキゾーストも緑整備センター製で統一。チタンフロントパイプとサイレントハイパワーNRマフラーの組み合わせにより、ストレスのない排気効率を実現している。

足まわりには、発売前から予約していたアドバンレーシングGTビヨンド(18×10.5J+15)を装着。タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4S(275/35R18)を組み合わせる。
サスペンションはアラゴスタベースの緑整備センターオリジナル仕様。ブレーキも緑整備センターとエンドレスのコラボキャリパーに、フロント370mm、リヤ345mmローターを組み合わせ、高い制動力を確保している。


インテリアもシンプルな美しさを追求。各部パネルにはカーボン加工を施し、ルーフライニングはスエード仕上げとした。ステアリングはナルディクラシック340φ、シートはレカロRS-GとSR-7を組み合わせる。
また、ミッションはオートギャラリー横浜製、トランスファーは緑整備センターの強化品を採用し、駆動系の信頼性も高められている。

エクステリアは純正ウイングにニスモ製カーボンフラップを追加した程度という控えめな仕様。しかし、前後バンパーやボンネットだけでなく、前後メンバーまで新品へ交換するなど、見えない部分まで徹底的にリフレッシュが施されている。

派手さを追うのではなく、純正の美しさを極限まで磨き上げながら性能を底上げする。その完成度は、まさに”理想のBNR34″と呼ぶにふさわしい一台だ。
PHOTO:Shinichi TSUTSUMI/REPORT:Daisuke ISHIKAWA

