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今日は何の日?

■最高レベルの燃費を目指した1.2L 直3 スーパーチャージャーエンジン

2010年7月16日に発表された新型1.2L 直3(HR12DDR) スーパーチャージャーエンジン

2010(平成22)年7月16日、日産自動車は当時のガソリン車世界最高レベルの燃費(CO2:95g/km)を目標に1.2L(HR12DDR)エンジンを開発したことを発表した。本エンジンは、マーチ搭載の1.2L直3(HR12DE)エンジンをベースにミラーサイクル化、ガソリン直噴化、高効率スーパーチャージャーなどを採用し、動力性能と燃費性能を高次元で両立させた、いわゆるダウンサイジング過給エンジンである。

低燃費技術を結集した新1.2L 直3エンジン

2010年7月16日に発表された新型1.2L 直3(HR12DDR) スーパーチャージャーエンジン

新型1.2L直3ガソリンエンジンが目指した世界最高レベルの燃費とは、CO2排出量で95g/km(欧州NEDCモード)であり、これは当時の日本車ではトヨタ「プリウス」レベルに相当する。採用された主要な技術の概要は以下の通りである。

ミラーサイクル

ミラーサイクルエンジンの作動原理図

吸気バルブの閉じるタイミングを遅らすことで、圧縮比より膨脹比を大きくするのがミラーサイクルである。通常のエンジンでは圧縮比=膨張比だが、エンジンの熱効率を向上するために膨張比(圧縮比)を上げるとノッキングが発生するので、膨張比(圧縮比)向上には限界がある。熱効率は膨張比で決まり、ノッキングは圧縮比が高いほど発生しやすくなるのだ。
ミラーサイクルにすれば、膨張比を高く設定しても吸気バルブ遅閉じなので圧縮比は低いためノッキングが発生しにくくなる。ノッキングがしにくいので、結果として通常のエンジンよりも膨張比を高く設定できるので、熱効率が上がって燃費が向上する。また、吸気バルブ遅閉じによって吸気マニホールドの負圧が高くなるので、ポンピング損失が低下して燃費向上に寄与する。
ただし、吸気バルブを遅閉じにするミラーサイクルでは、いったんシリンダーに吸入された吸気が吸気マニホールド側に押し戻されるので吸気量が減少する。これを補填するためには、過給システムが必須であり、スーパーチャージャーが組み合わされているのだ。

スーパーチャージャー

2010年7月16日に発表された新型1.2L 直3(HR12DDR) スーパーチャージャーエンジン+CVT

ミラーサイクルを採用した時に吸気量の低下が顕著なのは、低中速域なのでスーパーチャージャーが使われる。ターボチャージャーは排気エネルギーを利用するので、効果が出せるのは主として中高速域だが、スーパーチャージャーはエンジンのクランクと連動したコンプレッサーで過給するので、低速域から過給できる。
ただし、スーパーチャージャーはエンジンで回すのでエンジンの負荷となるため、常時作動させると燃費悪化に繋がる。そこで、スーパーチャージャーにはON-OFFクラッチを備え、街中などの低速運転領域では過給をカットすることで燃費悪化を抑えて、低燃費と高い動力性能を両立させた。

直噴化

低燃費を実現させるための技術

シリンダーに直接ガソリンを噴射する直噴(筒内噴射システム)は、燃料の応答性が良くなるので加減速など様々な状況で適切な燃料が噴射でき、制御性が高まる。さらに、直接シリンダー内に噴射されたガソリンの気化潜熱で吸入された空気の温度が下がり、ノッキングが発生しにくくなるので圧縮比を高めることができる。HR12DDRエンジンでは、圧縮比12.0まで高められている。

アイドルストップ

採用されたアイドルストップは、CVTの副変速機を利用した内部ロック機能で、6%程度の坂道でもクルマが下がることなくエンジンを再スタートさせることを可能とした。また、エンジン停止時のクランクシャフトの位置を検出することで、エンジン再始動時間の短縮も実現された。

エンジンフリクションの低減

低燃費を実現させるための技術

ピストンリングの水素フリーDLC コーティング、可変容量式オイルポンプなどの採用によって、同等な性能を有する4気筒エンジンに対してエンジンのフリクションが約30%低減された。

HR12DDR型1.2L 直3スーパーチャージャーエンジンをテストするマイクラ

このHR12DDRエンジンは、翌2011年の欧州向け「マイクラ」から採用を始め、国内では2012年9月発売の2代目「ノート」に採用された。

HR12DDRエンジンを搭載した2012年9月発売の2代目「ノート」

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2010年当時、EU(欧州連合)はCO2目標値を2015年に130g/km、2020年に95g/kmに掲げ、メーカーはこれを目指して低燃費化技術を進めていた。このCO2目標値95g/kmは、“メーカーがEUで販売する新車の販売加重平均”の規制値である。CO2:95g/kmは、およそ燃費で約24km/Lに相当し、平均でプリウス並みの燃費にするという、当時としてはかなり厳しい目標だった。ただし、その後の電動化の推進や低燃費技術の進化によって、日本メーカーは2020年時点で95g/kmをクリアしている。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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