

主なスペック・価格
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 車名 | AEROX ABS |
| 発売日 | 2026年8月31日 |
| メーカー希望小売価格 | 48万1800円 |
| 全長×全幅×全高 | 1980×765×1170mm |
| 軸間距離 | 1350mm |
| シート高 | 790mm |
| 最低地上高 | 145mm |
| 車両重量 | 132kg |
| エンジン | 水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒 |
| 総排気量 | 155cc |
| 最高出力 | 15PS(11kW)/8000rpm |
| 最大トルク | 14N・m(1.4kgf・m)/6500rpm |
| 燃費(WMTCモード) | 41.1km/L |
| 燃料タンク容量 | 5.5L |
| タイヤサイズ | F:110/80-14 R:140/70-14 |
| ブレーキ | 前後油圧式シングルディスク(フロント1ch ABS) |
| シート下収納 | 約24.5L |
| 主な装備 | YECVT、VVA、トラクションコントロール、4.2インチTFTメーター、Y-Connect、Turn by Turnナビ、スマートキー、USB Type-C、アイドリングストップ、サブタンク付きリアサスペンション |
| カラー | マットグリーニッシュグレー、シルバー |
「スポーツバイクに憧れる。でもMTは少し不安」──そんなライダーへ向けた新しい提案
AEROXが日本へ導入された背景には、現在のバイク市場の変化がある。
世界的に126〜200ccクラスの需要が伸びる一方、日本でも若い世代を中心にスポーツバイクへの憧れは根強い。しかしその一方で、「YZF-Rシリーズのようなスポーツモデルに乗ってみたいけれど、最初からMT車は少しハードルが高い」「まずはATで気軽に始めたい」という声も少なくなかったという。
そんなユーザーへ向けてヤマハが考えた答えがAEROXだった。

開発では、「YZF-Rシリーズのデザイン」「操る楽しさを実現するYECVT」「スポーツライディングを支える車体」の3つを柱に据え、スクーターでありながらスポーツバイクの高揚感を味わえるモデルを目指したという。単なるコミューターでも、実用性重視のスクーターでもない。”走ることそのものを楽しむスクーター”という新しいカテゴリーへの挑戦が、このAEROXなのである。
国内スクーターの中でも際立つ、攻めたスポーツデザイン
AEROXをひと目見て感じるのは、そのシャープなスタイリングだ。
現在の155ccクラスにはNMAX155やX FORCEなどスポーティなモデルが並ぶが、AEROXはその中でも一段とスポーツ色を強めている。デザインコンセプトは「Ultimate Super Sport Scooter(究極のスーパースポーツスクーター)」。最新YZF-Rシリーズの世界観をスクーターへ落とし込み、街中でも強い存在感を放つシルエットを作り上げた。

開発陣が特にこだわったのはフロントフェイスだという。一般的な大型リフレクターヘッドライトでは顔つきが大きく見え、スポーツモデルらしいシャープさが失われてしまう。そこで採用したのが、小型の2灯LEDプロジェクターヘッドライトだった。
ヘッドライトを奥まった位置へ配置し、その上に鋭いLEDポジションランプを組み合わせることで、猛禽類を思わせる鋭い表情を演出。さらにヘッドライト下にはウイングレットをイメージした造形を取り入れ、リアには縦型LEDテールランプやボディ一体型グラブバーを採用するなど、細部までスポーツバイクらしさを追求している。

街乗りスクーターというより、小排気量フルカウルスポーツを思わせる雰囲気。そのデザインの尖り具合は、国内スクーターの中でも屈指と言っていいだろう。
ライディングポジションまでスポーツバイクを意識
スポーティなのは見た目だけではない。
AEROXはライダーがまたがった瞬間から、「普通のスクーターとは違う」と感じさせるパッケージングを採用している。
スクーターとしては高めに設定されたセンタートンネルにより、足を身体へ引き寄せる”引き足”の姿勢を取りやすく設計。さらに、やや高めのハンドル位置と4.2インチTFTメーターを組み合わせることで、身体をコンパクトに収めるスポーツバイクのようなライディングフォームを自然に作り出している。

また、ニーグリップができないスクーターならではの弱点を補うため、外装形状も工夫された。くるぶしで車体をホールドしやすい”アンクルグリップ”を意識したデザインとすることで、コーナリング時でも車体との一体感を高めているという。ここまでライダーの姿勢まで作り込んだスクーターは珍しく、開発陣のこだわりが伝わってくるポイントだ。
140サイズのワイドタイヤが放つ迫力。”走り”を支える足周りにも注目
モトチャンプ的に注目したいのが、足周りの構成だ。
フロントにはφ30mmインナーチューブを採用し、リアにはサブタンク付きサスペンションを装備。さらに前後230mmディスクブレーキを組み合わせるなど、スポーツライディングをしっかり支える装備が与えられている。
そして見逃せないのが、140/70-14というワイドなリヤタイヤだ。
155ccクラスのスクーターとしても十分な存在感があり、真後ろから眺めた時の迫力はかなりのもの。もちろん見た目だけではなく、高速域での安定性や旋回時のグリップ感にも貢献しており、「スーパースポーツに最も近いスクーター」というコンセプトを足元から支えている。
スポーツモデルでも実用性は犠牲にしていない
ここまでスポーツ性能を追求すると、「収納は少ないのでは?」と思う人もいるだろう。
しかしAEROXは、シート下に約24.5Lの収納スペースを確保している。容量だけを見ると、NMAX155の約23Lを上回り、PCX160の約30Lには及ばないものの、その中間に位置する実用的なサイズだ。フルフェイスヘルメットの収納は形状によるが、普段使いでは十分な容量と言える。

さらに、USB Type-C充電ソケット付きフロントボックスやスマートキー、シートを開けずに給油できるセンタートンネル前方の給油口など、毎日の使い勝手を高める装備も充実。スポーツスクーターでありながら、通勤や通学、ツーリングまでしっかりこなせる実用性も備えている。
ここまで見てきただけでも、AEROXが単なる「見た目のスポーツスクーター」ではないことが分かる。だが、このモデル最大の見どころはまだ残されている。それが、国内2車種目となる電子制御CVT「YECVT」だ。
NMAX155にも採用されたこの機構だが、AEROXでは制御そのものを見直し、よりスポーツライディングへ振った専用セッティングを採用しているという。次回の記事では、その「操る楽しさ」の核心とも言えるYECVTを中心に掘り下げていきたい。
48万1800円は高い? ライバルと比べると見えてくるAEROXの立ち位置
| モデル | メーカー希望小売価格(税込) | 価格差 | キャラクター |
|---|---|---|---|
| AEROX ABS | 48万1800円 | — | YECVT搭載。スポーツデザインと走りを重視した155ccスクーター |
| NMAX155 ABS | 45万9800円 | AEROXが2万2000円高い | YECVT搭載。快適性と上質感を重視した155ccスクーター |
| PCX160 | 46万2000円 | AEROXが1万9800円高い | 上質感と日常性能を重視した定番モデル |
価格は48万1800円。同じヤマハのNMAX155 ABSは45万9800円、ホンダPCX160は46万2000円なので、AEROX ABSはNMAX155より2万2000円、PCX160より1万9800円高い設定となる。
ただしAEROXは、単純に実用性や快適性だけで比較するモデルではない。YECVTを搭載しながら、専用セッティングや140サイズのリヤタイヤ、サブタンク付きリアサスペンション、攻めたスポーツデザインを採用した“走り重視”のキャラクターが特徴。価格だけを見ればやや高めだが、NMAXやPCXとは違う「スポーツスクーター」として考えれば、明確に差別化された1台と言える。
【モトチャンプ】

![by Motor-Fan BIKES [モーターファンバイクス]](https://motor-fan.jp/wp-content/uploads/2025/04/mf-bikes-logo.png)