連載

今日は何の日?

■1953年の今日、数々の名車を創出しているスバル(富士重工業)が誕生

富士重工業(スバル)設立

今から73年前の1953(昭和28)年7月15日、スバルの前身である富士重工業が設立された。中島飛行機を源流とするため、航空機の高い技術をベースに他社とは一味違う水平対向エンジンや4WD、アイサイト運転支援技術など独自の個性的なクルマづくりで長く存在感を示している。

スバルの起源は飛行機メーカー

大正時代の中島飛行機製作所本社
群馬県尾島町に飛行機研究所を創設した中島知久平氏

スバルの前身である富士重工業の起源は、元海軍機関大尉の中島知久平(なかじま ちくへい)氏が1917年5月に創立した「飛行機研究所」である。翌1918年4月には、中島飛行機製作所と改称し、第一次&第二次世界大戦の戦時下で数々の軍用機を開発・製作した。

中島飛行機がライセンス生産したフォッカー社製スーパーユニバーサル輸送機

1945年8月の終戦とともに、軍需産業企業である中島飛行機に対してGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)から飛行機の生産停止命令が下り、15社に分割された。その中枢が富士産業を名乗り、平和産業への転換を図って再出発することになった。富士産業時代は、主にスクーターの開発・生産を行なった。

また15社の中の富士自動車工業が自動車開発に乗り出したことが、自動車メーカーとしての始まりとなり、富士自動車工業、富士工業、大宮富士工業、東京富士産業、宇都宮車輛の5社が共同出資し、1953年7月15日に富士重工業が誕生した。

最初の六連星エンブレム。リングは真円に近く、星の輝き具合は大きい

これが、スバル誕生の歴史だが、スバルブランドで象徴である6つの星が輝くエンブレム「六連星」は、この5社と富士重工業を表している。

創業当初から使われた「フ」デザインの社章

スバルの技術の原点を創出した百瀬晋六

スバルの百瀬晋六氏

富士重工業設立当時から、技術の中心で指揮を執っていたのは、百瀬晋六氏だった。百瀬氏は、1942年(昭和17年)に中島飛行機に入社して、戦闘機用エンジンを開発。戦後、進駐軍のスクーターを参考にして「ラビット」を製作し、好評を得てスクーター時代を切り開いた。

富士重工業のスクーター「ラビット」(画像は1950年型)

その後、自動車の開発に注力し、数多くの個性的な名車を作り出した。

ふじ号(1949年~)

スバルビジターセンターに展示されている「ふじ号」

ボンネットバスが主流の時代に、国産初のフレームレス構造のモノコックボディを採用したバス「ふじ号」。エンジンをリアに搭載することでボンネットをなくして、客室のスペース効率を向上させた画期的なバスだった。

スバル360(1958年3月~)

1958年3月にデビューした「スバル360」、国民的な人気を集めて大ヒット

愛くるしい“てんとう虫”のようなスタイリングとフルモノコックボディ、RRレイアウトなどによる合理的な設計によって、大ヒット。黎明期の日本のモータリゼーションの発展に大きく貢献した。

サンバー(1961年2月~)

1961年2月にデビューした初代「サンバー」

当時としては珍しいキャブオーバー型の軽商用トラック/バン。さらにRRレイアウトと4輪独立懸架を採用して“農道のポルシェ”と呼ばれ、その後も長く生産された長寿モデルとなった。

スバル1000(1966年5月~)

1966年5月にデビューした「スバル1000」、スバル初の小型車

スバルのコア技術、水平対向エンジンを初めて搭載した本格的なFF小型自動車、またFFレイアウト技術を世界に先んじて確立した。

レオーネ4WD(1972年~)

1975年1月に乗用車初の4WDを搭載した「レオーネ4WDセダン」
1975年1月に乗用車初の4WDを搭載した「レオーネ4WDクーペ」

1972年9月には、世界初のジープタイプでない量産4WDの商用車「エステートバン」、さらに1975年1月にマイナーチェンジで「レオーネ4WDセダン」を設定し、世界初となる4WD乗用車が誕生させた。

スバルブランドの確立と車名変更

技術的には優れていた富士重工業だったが、1970年代後半から1980年代にかけては「レオーネ」のような小型車が中心だったため、日本中が沸いたバブル期のハイソカーのような高級化モデルに対応できずに富士重工業は低迷した。

1989年2月にデビューした初代「レガシィ・ツーリングワゴン」

これを救ったのが、1989年2月にデビューした「レガシィ」である。水平対向エンジンに4WD、ツーリングワゴンの設定などが人気を博し、特にツーリングワゴンはステーションワゴンブームを巻き起こした大ヒットモデルとなったのだ。

1992年11月にデビューした初代「インプレッサセダンWRX」

1992年11月には、レガシィの弟分「インプレッサ」が登場。コンパクトなセダンとステーションワゴンが人気となり、その後長く人気ブランドなった。また、高性能の水平対向ターボエンジン+4WDの高性能モデル「インプレッサWRX」は、WRCを席巻して世界にスバルブランドを印象付けるイメージリーダーとなった。

2010年6月にデビューした「インプレッサXV」

2008年5月の4代目レガシィのマイナーチェンジで世界をリードする先進安全技術“アイサイト”を設定。2010年6月にインプレッサの派生車として「インプレッサXV」を投入、2012年3月にはトヨタと共同開発したFRスポーツ「BRZ」を発売(トヨタは「トヨタ86」として発売)、2014年6月に直噴ターボと“アイサイトver.3”搭載の「レヴォーグ」を発売した。

2012年3月にトヨタとの共同開発で誕生したスバル「BRZ」
2014年6月に登場した初代「レヴォーグ」

そして2017年4月1日付で、車名を「富士重工業株式会社」から「株式会社SUBARU」に変更し、その後スバルらしいBEVを含めたクロスオーバーSUV、ステーションワゴン、スポーティセダンを展開してスバルブランドを維持している。

2017年4月1日付で、車名を「富士重工業株式会社」から「株式会社SUBARU」に変更

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スバル独自の水平対向+AWDシステム、シンメトリカルAWD

スバルの技術には、中島飛行機を源流とする航空機技術の高い信頼性と安全性へのこだわりが受け継がれている。それが、今日の水平対向エンジンや4WD、安全運転支援アイサイトなどの個性的な技術に生かされているのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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