マイナーチェンジで外観や装備が大変更! 各グレードの個性が明確に

マイナーチェンジによる大きな変更のひとつはグレード名の改定だ。最廉価グレードとなる“BASIC”の名称は“X”へ変わり、主力グレードの“HOME”は“Z”に改められた。

スポーツグレードの“RS”とクロスオーバーグレードの“クロスター”の名称はそのままだが、ガソリンモデルが廃止されハイブリッド専用モデルとなっている。同時に、本革シートのオプションなどが設定されていた最上級グレード“リュクス(LUXE)”は廃止された。

これにより、マイナーチェンジ後のフィットはハイブリッドモデル4グレード、ガソリンモデル2グレードのラインアップとなった。もちろん、グレード名が変わっただけでなく外観や装備も大きく変更を受けている。

新Zグレードは“RS”と共通デザインとなったが、バンパー装飾は無塗装樹脂だ。一方の新RSグレードのバンパー装飾はグロスブラックとすることでZグレードとの差別化を図り、ルーフスポイラーが備わるのもRSグレードのみとなる。

それぞれの装備や内装は、新Zグレードがインテリアパネルの一部をブラックに変更するとともに、RSグレードと同じ本革巻3本スポークのステアリングが採用された。また、“Z”はシートヒーターも標準装備となっており約10万円の値上げに十分に見合う変更と言えるだろう。

新RSグレードの内装は、ピラーおよび天井がブラックに変更されるとともに、旧型ではイエローだったステアリングやシートのステッチがレッドに改められ、ペダルはステンレス製のスポーツペダルが装着される。

そのほか、旧型ではLUXEグレードの専用装備だったステアリングヒーターや本革シートオプションはRSグレードのみの装備に変わり、Honda CONNECTディスプレイやワイヤレス充電器も標準装備となったほか、マルチビューカメラもオプション装着できるようになった。

つまり、販売主力となる“Z”は旧RSグレード風の外観が備わり、“RS”は旧LUXEグレードと統合されて最上級グレードに変わったということになる。これがRSグレードの価格が大幅に上昇した理由だ。

その一方で、新Xグレードは旧来のプレーンな外装が維持されているうえ、内装装飾の変更に留められたことから価格上昇は小さく抑えられている。

“クロスター”も外観に大きな変化はないが、シートヒーターとステアリングヒーターが標準装備となり快適性が大きく向上。また、シートにはライムイエローステッチのアクセントが入れられた。しかも、改良点が多い割には価格上昇は小さい。

なお、“X”以外のグレードはマイナーチェンジでフロントおよびフロントドアガラスがUV+IRカットガラスに変わった。

新型 ホンダ フィット e:HEV Z
ボディサイズ=全長4080mm×全幅1695mm×全高1540mm
ホイールベース=2530mm
車両重量=1200kg
タイヤサイズ=185/60R15(前後)

旧型 ホンダ フィット e:HEV HOME
ボディサイズ=全長3995mm×全幅1695mm×全高1540mm
ホイールベース=2530mm
車両重量=1190kg
タイヤサイズ=185/60R15(前後)

室内空間やパワートレインに変更なし! ただし燃費は微妙に低下

今回のマイナーチェンジでクルマ自体の使い勝手や室内空間、荷室空間は一切変わっていない。

後席座面を跳ね上げて空間を確保できるチップアップ機構や、センタータンクレイアウト&ダイブダウンシートによりほぼフルフラットの荷室になる点もそのままだ。荷室寸法は長さ660mm×幅1010mm×高さ870mmであり、2名乗車時の荷室最大長は1440mmとなる。クラス随一の高い居住性とユーティリティは健在だ。

パワートレインにも変更はなく、引き続きハイブリッドモデルは1.5L 4気筒エンジンで発電した電力を使って最高出力123ps/最大トルク253Nmのモーターで走行し、高速域ではエンジン動力も使って走行できるe:HEVとなる。

ガソリンモデルに搭載されるのはクラストップレベルの最高出力118ps/最大トルク142Nmの直列4気筒であり、ガソリン/ハイブリッドモデルともにパワートレインのスペックに一切の変更はない。

それにもかかわらず燃費性能はわずかに低下した。“e:HEV Z”のWLTCモード平均燃費は旧HOMEグレード比で29.0km/Lから28.4km/Lへ、“e:HEV RS”は27.2km/Lから27.0km/Lへ、“e:HEV X”は旧BASICグレード比で30.2km/Lから29.1km/Lへとそれぞれ数値を落としている。

装備重量の増加が影響したグレードがある一方、車重がほぼ変わらないグレードでも燃費が低下しているうえ、ガソリンモデルも同様に燃費数値がわずかに低下していることから、法規対応のためにエンジン制御などの変更が実施された可能性が考えられる。とはいえ実用上の差はなく、走行性能への影響もごく限定的と見てよいだろう。

RSグレードにはこれまで同様、専用チューニングの足まわりが与えられている。専用タイヤに高減衰ダンパーや強化スプリング、強化スタビライザー&ブッシュが組み合わされ、操舵に対する応答性と安定したロール姿勢を維持しつつ、荒れた路面での収束性が高められている。RSグレードの駆動方式がFFのみである点もそのままだ。

新型 ホンダ フィット e:HEV Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1496cc
最高出力=106ps/6000-6400rpm
最大トルク=127Nm/4500-5000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)

旧型 ホンダ フィット e:HEV HOME
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1496cc
最高出力=106ps/6000-6400rpm
最大トルク=127Nm/4500-5000rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)

価格と欲しい装備のミスマッチを解消した新型フィット

旧“e:HEV HOME”の新車価格が240万4600円だったのに対し、新“e:HEV Z”は249万9200円であり9万4600円の値上げとなった。“e:HEV X”は2万9700円の値上げで223万8500円となる。それぞれのグレードの値上げ幅はガソリンモデルも同様だ。

“e:HEV クロスター”は2万5300円の価格上昇で273万5700円に。“e:HEV RS”は28万2700円の上昇で289万9600円となったが、旧LUXEグレードよりも10万円ほど安い価格設定となっている。

今回のマイナーチェンジは、旧RSグレードの装備内容に不満だった人や、“RS”と“LUXE”のどちらを購入するか迷っていた人にはこれ以上ない改良と言えるだろう。加えて、“RS”の外観に魅力を感じていた人は、同様の外観と雰囲気を備えた“Z”がより安い価格で購入できるようになった。

“RS”の外観が好みでない人は“X”グレード一択となってしまったが、価格上昇は最低限に抑えられているうえ、フィットは最廉価グレードでも基本装備が充実しているため大きな問題とはならないはずだ。

注目は“クロスター”だ。わずか2万5300円の価格上昇でシートヒーターとIRカットガラスが備わったことに加え、Zグレードには備わらないステアリングヒーターが標準装備となり以前よりも選びやすくなっている。

今回のグレード再編とRSフェイスの拡大は、これまでの販売実績を踏まえてグレードラインアップの最適化を図った結果と言えるだろう。グレード間のヒエラルキーバランスが改善されるとともに、価格と欲しい装備のミスマッチが少なくなっているはずだ。

車両本体価格

新型 ホンダ フィット e:HEV Z:249万9200円

旧型 ホンダ フィット e:HEV HOME:240万4600円