乾いていく路面を見越したセットアップが的中

ABB FIA Formula E 世界選手権第 15戦

2026年7月26日、東京・有明でABB FIAフォーミュラE世界選手権第15戦「2026 TDK Tokyo E-Prix」が開催された。変化する天候と路面コンディションを攻略したニック・デ・フリース(マヒンドラ フォーミュラEチーム)が、5番手スタートから逆転優勝を飾った。2位はニック・キャシディ(シトロエンレーシング)、3位はジェイク・デニス(アンドレッティ)となった。

ABB FIA Formula E 世界選手権第 15戦

レース当日の東京は午後に激しい雨が降り、路面コンディションが刻々と変化する難しい状況となった。マヒンドラは、雨が再び強まる可能性よりも、路面が徐々に乾いていく展開を想定したマシンセットアップを選択。この判断がデ・フリースの走りを支えることになった。

デ・フリースはレース序盤にエネルギーを温存しながら上位進出の機会をうかがい、28周目にアタックモードを発動。前を走るドライバーを次々とかわすと、終盤まで首位争いを展開していたオリバー・ローランド(ニッサン フォーミュラEチーム)を抜き、トップに立った。

ニック・デ・フリース(マヒンドラ フォーミュラEチーム)

終盤には多重クラッシュによる赤旗中断も発生したが、残り1周のスプリントでレース再開後も首位を守ってフィニッシュ。デ・フリースは2025/26シーズン2勝目を獲得した。マヒンドラにとっても今季2勝目であり、同チームが1シーズンに2勝を挙げるのは2017/18シーズン以来となる。

デ・フリースはレース後、路面が乾くことを想定したセットアップが有利に働いたと説明。乾いた路面ではエネルギー消費が増えるため、序盤にエネルギーを温存したことが重要だったと振り返った。最終ラップではエネルギーに余裕があり、ミスをせずに走り切ることへ集中したという。

ニック・デ・フリース(マヒンドラ フォーミュラEチーム)

キャシディは13番手、デニスは18番手から表彰台へ

2位に入ったキャシディも、路面が乾いていく展開を見越した戦略を採用した。13番手からポジションを上げ、前日の第14戦で獲得した3位に続き、東京大会で2戦連続の表彰台を獲得した。

キャシディは東京について、自身のキャリアにおいて大きな意味を持つ場所だとコメント。会場を訪れた友人や日本のファンからの応援に感謝を示した。

ニック・キャシディ(シトロエンレーシング)

3位のデニスは18番手スタートから追い上げた。一時はトップから約35秒離されていたものの、タイヤの空気圧を含む戦略判断とマシンの速さを生かして表彰台圏内へ浮上。終盤には、アタックモードの発動を遅らせて残りエネルギーが少なくなっていたローランドをかわし、3位でチェッカーを受けた。

ジェイク・デニス(アンドレッティ)

GEN3時代最後の王者はロンドンで決定! ランキング首位はデニス、上位3人は5ポイント差にひしめく

東京大会の結果、デニスがドライバーズランキング首位に浮上した。第14戦まで首位だったパスカル・ウェーレイン(ポルシェ フォーミュラEチーム)は、東京で2戦連続ノーポイントに終わり3位へ後退。一時は第15戦をリードしていたミッチ・エヴァンス(ジャガーTCSレーシング)も完走できず、デニスと2ポイント差のランキング2位となった。

ニック・デ・フリース(マヒンドラ フォーミュラEチーム)

東京大会終了時点におけるランキング上位3人のポイント差は、わずか5ポイントである。デニスは2022/23シーズン以来となる自身2度目のタイトルを狙うが、複数のドライバーにチャンピオン獲得の可能性が残されている。

一方、マニュファクチャラーズ世界選手権ではポルシェが2025/26シーズンのタイトルを獲得した。チームランキングではジャガーTCSレーシングがポルシェを上回って首位を維持しており、こちらは最終戦で決着する。

2025/26シーズンは、8月15日と16日に英国のExCeL Londonで開催される「2026 Hankook London E-Prix」第16戦・第17戦が最終戦となる。現行GEN3時代を締めくくるドライバーズタイトルとチームタイトルは、ロンドンのダブルヘッダーで決定する。

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