Q. 夏でもスマホをナビ代わりに使っています。付けっぱなしでも大丈夫?

投稿者:東京都/ツーリングマップルも好きさん

知らない場所へツーリングするとき、スマホナビは本当に便利。ハンドルにスマホホルダーを付けて、地図アプリを起動。バッテリーが減らないようUSB電源もつないでおけば、目的地までナビしっぱなしでも安心……と思ってしまう。

でも真夏にスマホへ触れてみたら、「熱っ!」なんて経験、ありませんか? じつは夏のバイクでスマホを使う環境は、端末にとってなかなかハード。まず気を付けたいのが“熱”。上級者は「そんなの当り前だよ」と思うかもしれませんが、けっこう「スマホ最強!」と、気にしていないライダーって多いんです。

ライダーだけじゃない! スマホも“熱中症”に注意

ハンドル周りに取り付けたスマホは直射日光をまともに受けやすく、ナビ使用中は画面を点灯しながらGPSや通信も使い続ける。そこへ充電まで加われば、端末にとってはかなり過酷な状況なんだ。しかもナビ使用中は画面を長時間点灯し、GPSや通信も使い続ける。その状態で充電まで行えば、端末自身が発する熱も増えやすくなる。

アップル社はiPhoneについて、使用時の周囲温度を0~35℃としており、高温環境や直射日光の下でGPSやナビを長時間使用することを避けるよう案内している。内部温度が上がると、充電が遅くなったり停止したり、画面が暗くなる、場合によっては画面が消えるといった制御が入ることもあるんだ。

グーグル社もPixelについて、ナビアプリの長時間使用や、負荷の高い機能を使いながらの充電は端末が熱くなる原因になり得るとしている。温度が上がればCPU性能や充電速度を抑えたり、カメラや通信機能を制限したりする場合があるという。

つまりツーリング中に、

「さっきまで明るかったのに画面が急に暗くなった」
「USBにつないでいるのに全然充電されない」

となっても、いきなり故障したとは限らない。端末自身が「これ以上熱くなるのはマズい!」と自分を守っている可能性があるのだ。

とくに気を付けたいのが、炎天下の渋滞や長い信号待ち。走っている間はスマホにも走行風が当たるが、止まればそれもなくなる。そこへ強い日差しと充電が重なれば、スマホもより厳しい状況になりやすいと考えられる。

「熱いけど、ナビが必要だからそのまま使っちゃえ」は避けたいところ。スマホが明らかに熱くなったら、安全な場所へ停車して充電ケーブルを外し、直射日光の当たらない場所で自然に冷ますのが基本だ。Googleも、端末が熱すぎる場合は電源から外し、涼しい場所へ移して冷えるまで使用しないよう案内している。

普段からできることも難しくない。

必要以上に画面輝度を上げない。出発前に十分充電しておき、残量に余裕があるなら真夏に常時給電しっぱなしにしない。そして端末が熱を持ち始めたら、無理して使い続けない。そして大きな日よけカバーを付けるのも効果的。直射日光を遮られるし反射が少なく画面も見やすくなる。見た目は派手になってしまうけど今どきのスマホは高額。夏の間だけでも付けて損はないだろう。

「充電しているんだから安心」ではなく、暑い日はその充電自体が熱の負担に加わることも覚えておきたい。

スマホに日よけは効果大!
画像はカエディア社のサンバイザー


熱だけじゃない! バイクの振動がスマホカメラに効くことも

もうひとつ、バイクならではの注意点がある。それが振動だ。「スマホなんだから、そのくらい大丈夫でしょ?」と思ってしまうけれど、これは都市伝説ではない。

アップル社は、特定の周波数で振幅の大きな振動をiPhoneが長時間受け続けると、カメラシステムの性能が低下するおそれがあると公式に注意喚起している。とくに影響が指摘されているのが、レンズを動かしてブレを補正する光学式手ぶれ補正(OIS)や、ピント合わせを行うクローズドループAFなどの精密な機構だ。とくに高出力・大排気量のオートバイへのiPhone装着を推奨していないが、原付やスクーターなど比較的振動の小さい車両についても、損傷リスクを減らすために防振マウントやジンバルを使い、長期間にわたる常用を控えるよう案内している。

「125ccだから関係ないっしょ!」とは、どうやら言い切れないわけだ。そこで最近のスマホホルダーでよく見かけるのが、「防振ダンパー」と呼ばれる振動対策済みのスマホホルダー。

たとえばQuad Lockでは、オートバイから伝わる高周波振動を吸収する専用ダンパーを用意しており、スマートフォンのカメラに搭載された手ぶれ補正機構を保護することを目的としている。メーカー公称では、高周波振動を90%以上低減するとしている。

もちろん、防振ダンパーを付ければ何をしても絶対安心というわけではない。同社も、走行中にスマホで動画撮影を行う場合は、カメラ機構がピント合わせを続けるため、ダンパー使用時でもリスクが高まる可能性があるとしている。

Quad Lock社のバイク用、衝撃(振動)吸収ダンパーを装着した例

スマホも立派な精密機器

愛車の振動が大きい、毎日の通勤で長時間スマホを固定している、ツーリングのたびに何時間もナビとして使う……という人なら、ホルダーを選ぶときに「しっかり固定できるか」だけでなく、「振動をどう逃がすか」まで考えておいて損はない。

そして真夏なら、そこに熱まで加わる。直射日光を浴びながら、ナビを動かし、USBから充電し、ハンドルから振動を受け続ける。

こうして並べてみると、便利なスマホナビが意外と過酷な仕事をしていることが分かりますよね。ナビを使うな、という話ではもちろんない。熱くなったら休ませる。必要のない充電は控える。振動の大きい車両なら防振対策を考える。たったそれだけでも、“スマホをハンドルに付けっぱなし”から一歩進んだ使い方になる。

目的地に着いたらスマホのカメラが壊れていた……では、せっかくのツーリング写真も撮れないからね。

POINT

・バイク特有の振動が、スマホカメラの手ぶれ補正やAF機構に影響する可能性がある
・長時間スマホを固定するなら、防振機構付きマウントも選択肢
・「熱+充電+振動」をまとめて意識するのが、バイクでスマホを長持ちさせるコツ

【モトチャンプ編集部】