多摩丘陵にある源流の泉から鶴見川に沿うような道筋をたどってみた

鶴見川は東京都と神奈川県を流れる全長42.5kmの一級河川で、東京都町田市、神奈川県川崎市、横浜市と流域人口が多い地域を流れ東京湾に注いでいる。源流は多摩丘陵の一角、町田市上小山田町にあり、鶴見川源流泉のひろばという小規模な見晴らし広場が設えられている。周囲は田畑と民家が混在する典型的な里山風景だ。

源流の泉を見てみると、底から水が湧き出していた。実際の源流は裏手の森の中数ヶ所から流れ出ているようだが、それらの流れが泉になっているようだ。泉からは小さな流れが南東方向に続いていて、並行する道を進んで都道155号線に合流してしばらく走ると、南側の住宅地に入り込んだところに鶴見川上流端がある。源流の泉が上流にあるのに、上流端が1kmほど下ったところにあるのだからちょっと不思議な気分である。すぐ近くを小さな滝が流れ落ちている。暑さ厳しい中、しばし清涼感に浸ることができた。

町田市上小山田町にある鶴見川源流の泉
源流の泉の脇には小さな広場が設けられている
鶴見川の上流端。新橋という小さな橋が架かっている

再び都道155号線をたどり、図師大橋交差点で都道57号線(芝溝街道)に入り東へ向かう。鶴見川は道の南側を並行しているので、住宅街に入り込んで鶴見橋へ行ってみた。だが、残念ながら川沿いを走れる道がない。しかたなく交通量の多い都道57号線に戻り鶴川方面へと走る。都県道3号線(世田谷町田線)に合流しさらに進み、鶴川駅東口交差点を南に都県道139号線へとカブを導く。小田急線と鶴見川を跨いだところで左に脇道に入る。どうやらこの辺りからは川沿いに続く道がありそうだ。うれしいことに川の両側に道が並行していた。左岸を下流に向かって少し走ると開戸親水ひろばという川に親しめる公園があった。川の両側に岸辺ひろばがあって飛び石で渡れるようになっている。東屋があったのでしばし休憩する。川面にはアオサギやカルガモの姿も見ることができた。周囲は住宅地で、いかにも都市部の河川といった情景。だがひろばには開放感があって、水遊びには格好の場所だと思った。

鶴見川沿いの道がしばらくの間続いている。多摩川のような土手上を走る道ではないので爽快さに欠けるのが難点。そうこうしているうちに目的地の寺家ふるさと村に到着した。

里山の風情に癒される寺家ふるさと村

寺家ふるさと村は、千葉の房総のむらのような昔の建物などを再現した博物館的要素のある施設ではない。雑木林の丘に挟まれた「谷戸田」と呼ばれる細長く伸びた田んぼを中心とした、昔ながらの田園風景をいまに残した地域である。宅地化が進んだ現在も、里山風景が残る希少な場所で、近年は散策に訪れる人も多い。

実は今回のスタート地点でもある鶴見川源流の町田市下小山田町界隈にも谷戸と呼ばれる田園地帯が点在している。ただ寺家ふるさと村は規模が大きく、本当に田舎に来たような気分に浸れるのが特色なのだ。

それにしても、こんな里山風景にカブは良く似合う。違和感なく溶け込んでいるのだから、やはりスーパーカブは日本のスタンダードバイクなのだと改めて思った。

夏の寺家ふるさと村は青々とした水田が迎えてくれる

寺家ふるさと村には数軒の和食店があるのだが、総合案内所として、自然、農業、農村文化の展示紹介や、天然記念物に指定されているミヤコタナゴの飼育展示、イベント開催などをしている四季の家に併設の寺家乃鰻寮という店で昼飯を取ることにした。名前からも理解できるようにうなぎがおすすめの店なのだが、1000円の小遣いでは予算オーバー。なのでもうひとつの名物であるそばを注文。猛暑の中を走ってきた体に、冷たいそばがうれしい。

寺家ふるさと村の総合案内所である四季の家 寺家ふるさと村四季の家
四季の家に併設された和食店「寺家乃鰻寮」

川沿いの道を探してウロウロしながら鶴見川を下り、昔ながらの里山風景が残る寺家ふるさと村までカブでプチツーリング。1000円の小遣いでこんなカブ旅が満喫できたのである。今回注文したそばは880円だった。走行距離は52km。使用したガソリンは1Lという結果だった。