Q. 雨の日に“ズルッ”としやすいのは、白線? マンホール?

先に答えると、どちらも要注意。ただし、「白線の方が危険」「マンホールの方が滑る」と単純に決められる話ではないんだ。

濡れた白線はアスファルトよりグリップ感が変わりやすく、マンホールは金属面なのでこちらも滑りやすい。とはいえ、車体を立ててまっすぐ通過するだけなら、それほど大きく滑らないことも多い。

むしろヒヤッとしやすいのは、交差点を曲がっている最中や、ブレーキ、加速などの操作が重なったとき。タイヤに横方向や前後方向の力がかかった状態で、濡れた白線やマンホールに乗ると「ズルッ」ときやすい。

白線は昔よりマシ? それでも油断は禁物

白線は、横断歩道、停止線、車線のラインなど、街中には想像以上にたくさんある。

正直、ひと昔前に比べると「白線って少し滑りづらくなったかも?」と感じるライダーもいると思う。筆者はその一人で、白線はだいぶ滑らなくなったと思う。実際、路面標示材や施工技術は進歩していて、すべり抵抗を意識した材料や工法も使われている。だから、昔の感覚そのままで「白線=超危険」と決めつける必要はないかもしれない。

とはいえ、濡れた白線がアスファルトと同じ感覚で走れるかといえば、そこは別の話。とくに交差点を曲がっている途中で横断歩道の白線に乗る場面は、やっぱり注意したいところ。とくに塗りたての厚めのペイントは要注意だ。車体を寝かせた状態でタイヤが白線に乗ると、ズルッとしやすい。

できれば、白線の上で強いブレーキをかけない、急に車体を寝かさない、急にアクセルを開けない。この3つを意識するだけでもかなり違う。完全に避けるのが難しいなら、できるだけ車体を立て気味にして通過したいところだ。

濡れた横断歩道の白線。まっすぐ通過するだけなら過度に怖がる必要はないが、程度にもよるが、そこそこ深いバンク角やアクセルを開け気味で通過すると滑ることがある。

マンホール、橋の継ぎ目、落ち葉もイヤな相手

白線と並んで定番なのがマンホール。金属のフタは雨で濡れるとやはり滑りやすい。さらに言うと寒くなる時期は余計に滑りやすくなる。最近は表面に凹凸を設けて、以前より滑りにくさを意識したタイプも増えているけれど、濡れた金属面であることに変わりはない。こちらも、、バンクした状態で乗ったり、その上で急にブレーキをかけたりアクセルを開けたりすると、ヒヤッとしやすい。

雨に濡れたマンホール。滑りにくい形状のものも増えているが、旋回中に乗るのは避けたいところ。

次に気をつけたいのが、橋や高架道路などにある継ぎ目。ジョイント部分は濡れると滑りやすいうえ、段差や形状のせいでタイヤが少し横へ逃げたような感触が出ることもある。工事現場に敷かれた鉄板も同じで、ここではそっと通過しよう。

橋や高架の継ぎ目も雨の日は要注意。斜めに入るとタイヤが取られることもある。

さらに見落としがちなのが、濡れた落ち葉、泥、砂。台風前後や風の強い雨のあとは、路肩やカーブの内側に落ち葉や泥が集まりやすい。これがまたやっかいで、見た目はただ濡れているだけでも、実際はかなり滑りやすい。しかも落ち葉の下の路面状況が見えないから、余計にやっかいなんです。

風雨の強いあとの路肩やカーブ内側はよく見ておきたい。

このほか、コンビニやガソリンスタンドの出入口にある塗装路面も注意したいポイント。アスファルトと感触が違うことがあるので、買い物や給油の出入りで油断しないようにしたい。

雨の日は“避ける”より“急がない”が大事

滑りやすい場所を全部きれいに避けて走れれば理想だけど、なかなかそうはいかない。白線もマンホールも、交差点の中では避けきれないことが多いし、無理に避けようとしてラインを乱す方が危ない場面だってある。

だから大事なのは、滑りやすい場所で何かするんじゃなく、その手前で操作を終わらせておくこと。減速は早めに済ませる。曲がるなら穏やかに寝かせる。アクセルはガバッと開けない。結局これがいちばん。

雨の日は、タイヤの溝や空気圧のチェックももちろん大事。でもそれと同じくらい、「白線があるな」「橋の継ぎ目があるな」「落ち葉がたまっていそうだな」と、路面を見る意識が重要。いつもの道でも、雨が降れば条件は別モノ。ちょっとだけ余裕を持って走るだけで、無用なヒヤッとはかなり減らせるはずだ。

POINT

・橋の継ぎ目、工事用鉄板、塗装路面も気をつけたい
・避けきれない場面も多いので、急ブレーキ、急バンク、急加速を避けるのが基本

【モトチャンプ編集部】