連載

【CarGoodsMagazine】

“何もしなくても安心できる”を、作り込んだ前後2カメラモデル

ドライブレコーダーは、日常の運転で頻繁に操作するものではない。だからこそ大切なのは、高性能を誇示することよりも、確実に録画し、必要なときに迷わず使えることだ。その意味でセルスター『CS-E200』は、非常にコンベンショナルなスタイルをまといながら、実際に使うと“扱いやすさ”の作り込みが強く印象に残るモデルだった。

『CS-E200』は、前後2カメラのスタンダードモデル。前方だけでなく後方も記録し、フルHD録画に加えて夜間補正やHDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応する。最近のドラレコは多機能化が進み、メニュー操作やボタンの役割が複雑になりがちだが、このモデルは操作スイッチを3つに整理している。必要な操作を絞り込み、日常で使う場面をきちんと想定していることが、実機を触るとよくわかる。

特に印象的だったのが、下側のボタンによるクイック録画だ。万一の場面や、あとで確認したいシーンに遭遇したとき、ボタンを押せば事故発生時などのイベント録画を手動で行なえるもの。録画ファイルは5秒前から20秒後までの計25秒を記録する設定となっているので、ボタンを押した瞬間だけでなく、その前の状況から残せる点が心強い。ドラレコの価値は、いざという瞬間に“使える”ことにある。その意味で、このシンプルな操作体系は大きなセールスポイントだ。

本体カメラ、別体カメラとも200万画素、撮像素子1/2.8型カラー、CMOSセンターという仕様。同梱されるマイクロSDは32GBで、フルHD高画質モードで101分程度の録画が可能。

シンプルな階層操作でわかりやすく

設定操作もわかりやすい。パーキングモードの設定を本体側で行えるうえ、電源を入れると現在の設定状態を音声で知らせてくれる。さらに取扱説明書は本体画面に表示されるQRコードからスマートフォンで確認できるため、細かな設定を見直したいときにも紙の説明書を探す必要がない。装着後、日々の運用で困らないための配慮が行き届いている。

実際の使用感としては、起動が早く感じられる点も好印象だった。クルマに乗り込み、走り出すまでの流れのなかで、ドラレコが遅れて立ち上がるような不安が少ない。また、案内音や音声が控えめなのもいい。必要以上に存在を主張せず、あくまで黒子に徹してくれているのだ。しかし、それでいて録画開始などの重要なタイミングではしっかり案内してくれるため、「ちゃんと守られている」という安心感は毎回得られる。

『CS-E200』は、派手な先進感で惹きつけるタイプではない。しかし、操作のしやすさ、録画の確実性、控えめながら安心感を与える音声案内など、ドラレコに本当に求められる要素を丁寧にまとめている。毎日使う安全装備として、目立ちすぎず、しかし頼りになる。そんな実直さこそ、このモデルの魅力なのである。

記録した映像データは専用ビューアソフト(Windows)で簡単に再生が可能。GPS情報Gセンサーが搭載されるため地図表記、3次元加速度情報、速度情報も併載。また、交通事故報告書の書き出しも可能。

街灯の少ない駐車場でも暗視可能な条件が拡大

ユピテルは、夜間記録性能を大きく高めた「暗視カメラ」搭載ドライブレコーダーを新たに展開する。最大の特徴は、三日月程度のわずかな光、0.01ルクスという低照度環境に対応する圧倒的な集光力だ。従来の夜間補正機能では、暗い住宅街や外灯の少ない駐車場で黒つぶれが発生しやすく、人物や車両の輪郭、ナンバープレートなどが確認しづらい場面もあった。これに対して新製品は、月明かり程度の光でも周囲の状況を明るく記録し、ザラつきを抑えたクリアな映像を残せる点を強みとしている。

とくに効果を発揮するのが、夜間の駐車監視である。外灯のない駐車場でも、わずかな光を拾って映像化できるため、盗難やイタズラ、当て逃げなどの記録能力を高めることができる。ドライブ中の事故記録だけでなく、クルマから離れている時間の安心感を高める機能として、実用面での価値は大きい。

ラインアップは用途に応じて複数用意される。前後2カメラモデルでは、フロント/リヤの両方に暗視カメラを搭載。後方も夜間に強い仕様とすることで、追突やあおり運転、駐車中の後方監視まで広くカバーする。さらに、スモークガラスに透過率5%のスモークフィルムを貼った状態でも記録できる点は、リヤガラスの濃い車両にとって大きなメリットとなる。併せて、フロントのみ暗視カメラを搭載するモデルも用意。

さらにデジタルインナーミラー一体型もラインアップし、こちらは前後に暗視カメラを搭載し、通常のルームミラーに近い感覚で使えるのが特徴。車両連動によるアングル自動切換えや、周囲の明るさに応じた画面輝度の自動調整にも対応する。夜間視界の補助とドライブレコーダー機能を一体化したモデルとして、ミニバンやSUVなど後方視界に不安を感じやすい車両にも適している。

Yupiteru『SN-TW6400c』はWeb専売モデルで、実勢価格は3万6300円前後(税込)。前後2カメラ式でフロント/リヤとも暗視カメラを搭載するモデル。カーディーラー専売モデルで駐車監視機能も標準装備したモデルとなるZNV-110(写真)もラインナップする。(Web専売モデルはオプション)
従来カメラ(左)と暗視カメラ(右)の比較。月明かりさえあれば、ノイズを低減したクリアな映像を実現。盗難やいたずらの対策も取りやすい。

重要なのは「高い証拠能力」

パイオニアは、カロッツェリアの2026年夏モデルとして、2カメラタイプのドライブレコーダー4機種を発売。ラインアップは、吊り下げ型の『VREC-DH610D』と、一体型の『VREC-DZ810DⅡ』『VREC-DZ410DⅡ』『VREC-DZ210DⅡ』。

いずれも昼夜を問わず高画質・高感度撮影を重視したモデルだ。近年はフロントガラスにすっきり装着できる一体型が主流となっているが、復活した吊り下げ型は3.0インチの大画面液晶を備え、録画映像の確認や設定操作がしやすいという利点がある。

記録性能では、フロントに370万画素のWQHDカメラ、リヤに約200万画素のフルHDカメラを採用。さらに前後カメラとも、STARVIS2技術を搭載したソニー製CMOSセンサーを備え、高感度録画「ナイトサイト」に対応する。夜間走行や暗い駐車場でも周囲の状況をしっかり残せる。駐車監視用電源ケーブルと高耐久64GBマイクロSDカードも同梱され、最大24時間の駐車監視に対応する点も安心材料だ。

一体型モデルでは、4K録画に対応する『VREC-DZ810DⅡ』を筆頭に、フルHD録画の『VREC-DZ410DⅡ』、コンパクトな『VREC-DZ210DⅡ』を設定。『DZ810DⅡ』と『DZ410DⅡ』は、夜間でも色彩豊かな映像を記録する「ウルトラナイトサイト」に対応する。パイオニアのドラレコのラインナップは、形状や画質で選べる幅を広げながら、共通して“夜でも、必要な証拠を残す”ことに軸足を置いたシリーズだ。

carrozzeria『VREC-DH610D』の実勢価格は3万8000円前後(税込)。良好な操作性から、再注目された吊り下げ式モデルが復活。フロントウインドウから少し離れた位置に設置する前後2カメラ仕様。
VREC-DH610Dのフロントカメラに装備されているWQHDは、200万画素のフルHDよりはるかに大きな370万画素という高精細。

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