e SKY初乗り! プロトタイプ+サーキットでのインプレッションはどうだ?
今日は千葉県・袖ケ浦フォレストレースウェイでスズキの軽乗用車EV 「e SKY(イースカイ)」プロトタイプ試乗だ。

最近、袖ヶ浦などいろんなクローズドコースでプロトタイプの試乗をする。が、ナンバーを取得していないプロトタイプに乗って「良い!」なんて言って動画を撮っても、後で量産車を一般道で乗った時に「…あれ?」みたいな感じがたまにある。なので、今日のe SKYもあくまでもプロトタイプで袖ヶ浦のサーキットで乗った時にどうだったか?というインプレッションをする。ただ、基本的な素性はわかるから、一般道を走った時にど~なんだろう?というのはある程度想像の話はできるけどね。
スズキが本気でEVの世界に踏み出た!

スズキのEV、 実はもうジャパンモビリティショーへ出展していたよね。なので結構前から軽のEVをやるっていう意思はすごくあったみたい。乗用EVで言えばeビターラがインドのマルチスズキで作られているから、スズキも本気でEVの世界に足を踏み出た!という風に考えていいと思う。


スズキとダイハツはこの軽EVの世界、特に乗用軽というよりも商用車の軽EV、究極は軽トラのEVは間違いなく日本の強みになる。そういう意味でもこの乗用軽EVをしっかり作り込んでおかなければならない。

交流電力量消費率(いわゆる電費)は97Wh/km。1kWあたりでどのくらい走るかというと、約10kmを超えている。EVの世界ではブッちぎりの電費性能だ。
他にも低重心とか、バッテリーはリン酸鉄リチウムを使うリチウムイオンバッテリー、これはBYDからもらっているとか、こういったところもあるから安心感もある。

最近大阪で、韓国LGエナジーソリューション製造のバッテリーを屋根に搭載していたバス、いすゞのエルガEVの屋根が燃えている写真を見た。やっぱりリチウムイオンバッテリーは怖い。そういう意味でもリン酸鉄は安全性という部分では注目度No.1のバッテリー。それをBYDからうまく調達しているというところも 1つの特徴だ。
スズキのe SKY vs. BYDのRACCO、別にバトル抗争!っていうワケじゃないけど、よくラッコに対して“黒船が来た!”と、なんかディフェンシブなイメージになりやすい。が、私は逆に日本の軽自動車のプラットフォーム戦略を、むしろ欧州とかASEAN(アセアン:東南アジア諸国連合)などに向けて“攻めに転じる”ことが大事だと思う。そのくらいの覚悟がないとダメ。スズキはeビターラをインドで作っているから今、攻めの体勢になって進軍ラッパが鳴ってるところだろうね。
マジでイイ♪

足、いいな! なんだこれ、軽に乗っている感じがしないよ!! トルクもあるしね。ステアリングのフィーリングも良い。これ、足がしっかりしてるわ。
ラッコよ、ウカウカできねぇ~ぞ!
タイトターンも悪くない…ロールはするけど、低重心だからロール剛性が高い。重心点とロールセンターの関係で言えば、意外と運動性能良いな。

ACCで70km/h設定。アダプティブクルーズコントロールも悪くない。いや、思っている以上に出来が良い!
ちょっとブレーキをきつく踏んでみる。お~ABS働くけどペダルタッチも剛性感も良い。
うねったところのサスペンションのロードホールディングの感じが良いね。
ハンドルを多めに切ってみる…おぉ、ちゃんとトラコンというか横滑り防止装置が働いているな。
ちょっとビックリ!! プロトタイプを袖ケ浦フォレストレースウェイで乗る限り、忖度なしにコレは良い! これはダイナミックセーフティテスト(※SYE参照!)で「e SKY」vs.「RACCO」をやりたいな。
スイフト開発が生きているスズキのパワー

昔…何代目だったか、スズキ・スイフトがすごく良くなった時に浜松まで乗り込んで、「なんでこんないいクルマを作ったんですか?」って聞きに行ったことがある。チーフエンジニアの人はキョトンとした顔して、“清水和夫に叱られる…(汗)”と思ったらしい。だけど、「清水さんに褒められた~♪」みたいな。いや、褒めたんじゃなくて、スイフトが急に良くなった、その理由を聞きに行ったんだけど。


で、 いろいろ探っているうちに分かったのは、「浜松のテストコースじゃなくて、ハンガリーに工場があるから徹底的にヨーロッパを走り込んで作りました」というのが答えだった。やっぱり、テストコースだけの“お受験モード”で開発をしたのではなくて、リアルな道で、リアルワールドでちゃんと作り込んだというのが、当時のスイフトの成功に繋がったんだよね。

だからね、日本のテストコースっていうのはデータ取ってりゃいいかもなんだけど、基本的にはお受験モードになっちゃうので、そこで100点を取っても世の中に通じるかどうかはわからない。
清水和夫のe SKY総評!

このe SKYはプロトタイプで、テストした場所も限定された袖ケ浦フォレストレースウェイ。その条件の中では忖度なしでメッチャいいクルマ。特にステアフィールがすごく良いし、手応えもあるし、意外とパフォーマンスも高い。サスペンションはものすごくしやかなんだけど、縁石に乗り上げてもダンピングが良いし、予想以上に良くできている。
これはね、黒船(RACCO)が日本に来たとか言っている場合じゃなくて、こういうクルマで“世界に黒船のごとく出ていかないとダメ”だ。スズキがこういうクルマを作れるっていうことは、インドを中心にヨーロッパとかグローバルサウスに向けて攻めに転じることができる。先兵としてこういうクルマが出てきたのかな。
やるな!!って感じだね。
【スズキ e SKY概要(予定)】
全長×全幅×全高:3395×1475×1625mm
ホイールベース:2460mm
トレッド(前/後):1285/1295mm
車両重量:1030kg
最小回転半径:4.4m
駆動方式:2WD
タイヤサイズ:165/65R14
電池容量:26kWh
一充電走行距離:310km
生産予定工場:湖西工場


