USDM×シェイブドベイで魅せる
異端のEFセダンメイク!
長崎県大村市にある鈑金塗装専門店『UP river』を経営する上川裕之さん。本業は一般的な修理・補修がメインだが、ショップには上川さんの明るい人柄と腕を頼って、多くのカスタム仲間が集まってくる。
「このEF2シビックセダンはもともと友人が所有していたクルマで、2024年のWekFestに仲間4人全員でエントリーしようと仕上げた中の1台なんです」。

上川さん自身は昔からシビックやインテグラが好きなホンダガイだが、それに触発された仲間たちの間で「ネオクラ世代のホンダ車をおしゃれなアシ車にしよう」というプチブームが発生。だが、結局はアシ車では飽き足らず、全員がショークオリティを追求し始めた結果、「WekFestにみんなで出よう!」という流れになっていったそうだ。

「比較的手に入れやすいEFセダンをベースに、エアサスで低くカッコよく作ろうというのが当初からのコンセプトでした。エンジンスワップはB型も考えたんですけど、スペース的にギチギチで車高もあまり下げられない心配があったので、あえてコンパクトなD16Aですっきり見せようと、アイデアを出し合いながら決めていきました」。

EJ1型シビッククーペから移植したインジェクション仕様のD16A型直4 SOHCは低中速トルクに優れ、軽量なEFセダンを走らせるには十分。B型より安価に入手できることはもちろん、DOHCが主流の中では、少しビンテージな雰囲気も味わえる。さらに、アメリカのイノベーティブマウントからEFの車体にD型を載せるためのマウントキットが販売されていることも、心理的なハードルを少し下げてくれた。
「24年のWekFestが終わった後、その友人が別のクルマに集中するためEFセダンを手放すというので、それから僕が譲り受けて少しずつアップデートしてきました。4連スロットルとダイレクトイグニッション、フルコンなどが主な内容ですね。あと、エンジンルームに埋めていなかった穴も多かったので、よりシェイブドベイを徹底してキレイな見た目にしました」。



海外製のエキマニは一度カットして、フランジを再溶接する短縮加工を実施。デザイン性にも優れるカムギアはVMSレーシング製だ。オルタネーターのハウジングは一度ポリッシュした上で、パウダーコートによるクリア仕上げを施している。

ビレット削り出しの4連スロットルは、シンガポールに拠点を構えるRZクルーのオリジナルパーツ。これにラジウムエンジニアリングのフューエルレール、B16B用インジェクターを取り付け、メカメカしい見た目と胸のすくような吸気サウンドを実現した。

ファンシュラウドとファンが付属するスピードファクトリーレーシングのタックドラジエターを装備。コアサポートの中にすっぽりと収まり、ぱっと見ではラジエターの存在を忘れさせるほどだ。

ポリッシュ仕上げでエンジンルームの顔となるヘッドカバー。デスビの代わりに、スネークチューニングの『MINI DIZZY』というデバイスでカム角を検出するダイレクトイグニッション化を実現。イグニッションコイルも外に出っ張りすぎないB型用のパーツを選定し、色味を揃えて見た目をすっきりさせている。


MOMOのステアリングが備わるインテリアは、フルコンの配線の見直しを優先して鋭意製作中。オルガン式のペダルボックスを取り付け、ダッシュ裏の見えないところにマスターシリンダーやチルトンのブレーキリザーバーなどを隠すように備える。

エアサスはコントロールユニットにエアリフトを使用しつつ、ノーマルショックをベースに汎用エアバッグを取り付けたり、自作のフルアーム加工でキャンバーを付けたりして、理想のローダウンを追求。
システムの組み合わせから実際のインストール作業まで、前オーナーがイチから製作したというオリジナルのエアサスをトランクルームに設置。電磁弁のコントローラーはエアリフトのユニットを使用し、車高の上げ下げはスマホのアプリで行っている。

フロントまわりのデザインは前期型まで日米共通だが、日本仕様は1989年のマイナーチェンジでバンパーやボンネット、ヘッドライト、コーナーライトなどの形状が変更された。この車両は1990年式の後期型のため、これらのパーツを北米仕様にコンバート。リップスポイラーはDA型インテグラ用をベースに短縮加工を施し、違和感なく装着している。
ボディカラーは、フィットやN-BOXなどに採用されているモーニングミストブルー・メタリック。塗装作業は上川さんではなく、前オーナーが行ったそうで、プロ顔負けの仕上がりを見せつける。


フェンダーそのものはほぼいじることなく、オリジナルのエアサスとフルアーム加工で理想のローダウンを実現。BBS RSの15インチをリバレルして、フロント8.75J、リヤ9.25Jという変則的なサイズを実現。見た目には分からないが、EG6型シビックから流用した前後ブレーキキャリパーも備わる。

「EFセダンというベースからしてそうですけど、やっぱり人とカブるのが嫌という意識は常にありますね。ビレット削り出しの4連スロットルもデザインに惹かれたのが一番大きかったですけど、これはこうじゃなきゃダメっていう世の中の流れに逆らいたい気持ちが出ちゃったのかもしれません(笑)」。

脱定番の精神が生んだ結晶とも言えるEFセダンは、上川さん曰く、まだまだ発展途上。これからも他にはない個性がさらに磨かれていくはずだ。
Photo:Akio HIRANO Text:Hideo KOBAYASHI
●取材協力:アップリバー 長崎県大村市今村町574-4 TEL:050-1721-5046
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