三菱がラインナップするSUV
実は日本で展開される三菱車はSUVが充実している。しかも、いずれのモデルも優れたオフロード走行性能を備えており、ラリーで活躍してきた三菱の面目躍如だ。

2025年、2026年の「アジアクロスカントリー(AXCR)」で連覇を成し遂げたピックアップトラック「トライトン」は言わずもがな、他のミニバンと一線を画する「デリカD:5」は、パジェロ販売終了後はイベントでの三菱オフロードキット走行デモを一身に担ってきた。


アウトランダーやエクリプスクロスも、都会的な雰囲気を漂わせるPHEV(※)ながら、電動パワートレインによる緻密なAWD制御がもたらす高い走破性は折り紙付きだ。
※エクリプスクロスはガソリンエンジンモデルもあり

では、そのラインナップに加わる新型パジェロは、その名に恥じない走破性を備えているのだろう?
オフロード走破性のひとつの指標
実際、備えているのは疑いようもないが、現時点では判断材料は少ない。そこで、オフロード走破性のひとつの指標となる数値でパジェロとその他の三菱SUVを比較してみよう。その指標は「最低地上高」「アプローチアングル」「ランプブレークオーバーアングル」「デパーチャーアングル」だ。

最低地上高は非常にわかりやすいが、その他の3点はオフロード好きでないとあまり聞き慣れないかもしれない。簡単に説明すると、
アプローチアングル:バンパーなど車体の前面が段差や傾斜の影響を受けない角度
ランプブレークオーバーアングル:車体底部が障害物の影響を受けない角度。”亀の子”のなりにくさ
デパーチャーアングル:登坂時および後退時に車体後部が地面などに接触しない角度
いずれも角度で表され、数字が大きければ大きいほど悪路走破性の高さを示す指標となる。




パジェロと三菱SUVの最低地上高とオフロード3アングル

パジェロを含む三菱SUVの最低地上高とアプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルは以下の表の通り。
| 車名 | 最低地上高 | タイヤサイズ | アプローチアングル | ランプブレイクオーバーアングル | デパーチャーアングル |
| パジェロ | 230mm | 255/55R20 | 30.4度 | 22.6度 | 25.8度 |
| デリカD:5 | 185mm | 225/55R18 | 21.0度 | 16.5度 | 23.0度 |
| トライトン | 220mm | 165/60R18 | 29.0度 | 23.4度 | 22.8度 |
| アウトランダー | 200mm | 255/45R20 | 20.0度 | 23.6度 | 19.7度 |
| エクリプスクロスPHEV | 185mm | 225/55R18 | 20.4度 | 18.5度 | 29.6度 |
| パジェロスポーツ | 218mm | 265/60R18 | 30.0度 | 23.1度 | 24.2度 |
パジェロは最低地上高こそ230mmと全車の中で最も高いが、アプローチアングルではパジェロスポーツと僅差。ランプブレークオーバーアングルではデリカD:5やエクリプスクロスPHEVにこそ勝るが、他3車よりは控えめだ。デパーチャーアングルは、リヤオーバハングが極端に短いエクリプスクロスPHEVは別として、実質トップと言えるだろう。

最低地上高:230mm
アプローチアングル:30.4度
ランプブレークオーバーアングル:22.6度
デパーチャーアングル:25.8度
PHOTO:神村 聖

最低地上高:185mm
アプローチアングル:21.0度
ランプブレークオーバーアングル:16.5度
デパーチャーアングル:23.0度
PHOTO:中野幸次

最低地上高:220mm
アプローチアングル:29.0度
ランプブレークオーバーアングル:23.4度
デパーチャーアングル:22.8度
PHOTO:MITSUBISHI

最低地上高:200mm
アプローチアングル:20.0度
ランプブレークオーバーアングル:23.6度
デパーチャーアングル:19.7度
PHOTO:橘 祐一

最低地上高:185mm
アプローチアングル:20.4度
ランプブレークオーバーアングル:18.5度
デパーチャーアングル:29.6度
PHOTO:MITSUBISHI

最低地上高:218mm
アプローチアングル:30.0度
ランプブレークオーバーアングル:23.1度
デパーチャーアングル:24.4度
PHOTO:MITSUBISHI
未舗装路も多く、オフロード走行の機会が多い東南アジアをメイン市場にするトライトンやパジェロスポーツの数値が優れているのは当然として、そもそもオフロード性能の高いクルマが揃う三菱SUVだけに極端な差は出にくいのかもしれないが、アプローチアングル(30.4度)とデパーチャーアングル(25.8度)を考えれば新型パジェロのオフロード走破性が高いレベルにあるのは十分想定できる。

長らくイベント時のオフロードキットは前述のとおりデリカD:5が担ってきた。日本発売後はトライトンも顔を見せたことがあるが、このラインナップにパジェロが加わるのが待ち遠しい。その走破性を早く実際に見せてもらいたいものだ。

