新型パジェロ、ついにデビュー!

三菱自動車は2026年9月2日、新型「パジェロ」を世界初公開した。日本では2019年に販売を終了して以来、7年ぶりの復活となる。

新型はラダーフレームに2.4Lクリーンディーゼル、スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)を組み合わせた本格クロスカントリーSUVとして復活を果たす。しかし、新生パジェロの商品展開は今回発表されたディーゼルモデルだけでは終わらない可能性がある。

三菱 パジェロ 新型

新型パジェロのボディサイズは、全長4920mm×全幅1925mm×全高1910mm、ホイールベース2870mm。高剛性ラダーフレームを採用し、フロントにダブルウィッシュボーン、リヤに新開発の5リンク式リジッドサスペンションを組み合わせる。

4WDシステムにはSS4-IIを採用。2H、4H、4HLc、4LLcの4モードを備え、さらに新型では車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用した。

三菱 パジェロ 新型

エンジンは専用開発の2.4L直列4気筒クリーンディーゼル。ワイドレンジのシングルVGターボを備え、最大トルク480Nmを発生する。トランスミッションには新開発8速ATを組み合わせる。海外向けに公表されている最高出力は150kW(約204ps)。ライバルとして意識されるトヨタ「ランドクルーザー250」の2.8Lディーゼルも204ps/500Nmであり、排気量は400cc小さいものの最高出力では肩を並べる。

ボディサイズもランクル250が全長4925mm×全幅1980mm×全高1935mm、ホイールベース2850mm(ZX)で、新型パジェロは真正面から競合するサイズに仕上げられている。

シリーズ化を明言!電動パワートレイン搭載の可能性は?

三菱 パジェロ 新型

さらに三菱自身が、今後「パジェロ」をシリーズとして展開していく方針を明らかにしている。7年ぶりの復活は、新たなパジェロ戦略の第一歩となりそうだ。ただ注目したいのは、その先の商品展開である。

入手した情報では、2028年にもラインアップを拡充する形で電動化モデルが追加される可能性がある。
現段階でHEVになるのかPHEVになるのかは確定していない。ただ、三菱の商品戦略を見ると、PHEVは有力な選択肢のひとつと考えられる。

三菱は「アウトランダーPHEV」で長年にわたりPHEVと電動4WD技術を磨いてきた。現行モデルでも前後独立モーターとS-AWCを組み合わせ、モーターならではの緻密な駆動力制御を走行性能に生かしている。

三菱 パジェロ 新型

さらに、三菱が2026年5月に発表した2030年代に向けた中長期ビジョンでは、2026年度から2031年度までの6年間で13モデルを投入する計画を明らかにしている。そのうちHEVが5モデル、PHEVも5モデル。EVについては協業を活用する一方、自社開発ではHEVとPHEVへ重点的に取り組む方針だ。

この計画の中には「New Pajero」も明記されている。もちろん、これだけでパジェロのPHEV化が確定したわけではないが、ブランドを代表するフラッグシップに三菱が得意とする電動化技術を投入するという展開には十分な合理性がある。

三菱 パジェロ 新型

もしパジェロにPHEVが設定されれば、ディーゼルとは大きく異なるキャラクターを持つモデルとなる。
モーターならではの大トルクとレスポンス、そして緻密な駆動力制御は、本格クロスカントリーSUVとも相性がいい。アウトランダーPHEVで蓄積してきたノウハウを、ラダーフレームを持つパジェロでどのように生かすのかも興味深いところだ。

そして、新型パジェロの将来を考えるうえでもうひとつ重要なのが「シリーズ化」である。
これは単なる予想ではない。
三菱は中長期ビジョンで、新型パジェロを投入するとともに「将来に向けたシリーズ展開を図る」と明記している。

9月2日の世界初公開でも、岸浦恵介社長兼COOは新型パジェロについて、この後に続く「パジェロ」シリーズをはじめ、すべての三菱車を牽引するフラッグシップモデルと説明した。つまり、新型パジェロは単独モデルの復活ではなく、「パジェロ」という名前を軸とした商品群の起点になる可能性が高い。

三菱 パジェロ 新型

新型はタイで生産され、2026年度中に日本とオーストラリアへ投入。その後、2027年度以降にASEAN、中南米、中東など世界約100カ国へ順次展開される計画だ。

まずは204ps級の2.4Lディーゼルで復活するパジェロ。しかし、その先には2028年にも追加される可能性がある電動化モデル、さらに三菱が公式に掲げる「パジェロシリーズ」が控えている。7年ぶりの復活はゴールではない。むしろ、新たなパジェロ戦略のスタート地点といえそうだ。