ニュルブルクリンクで捉えられたプロトタイプ
レクサス「RX」史上最強となる可能性を秘めたスーパーSUVが、“聖地”ニュルブルクリンクで本格的な高速テストを開始した。
スクープ班はこれまで、豊田章男会長のレーシングネームを冠した「RX Morizo RR」とみられる高性能プロトタイプを捉えてきた。今回はニュルブルクリンクを走り込む最新車両の撮影に成功。さらに、これまでベールに包まれていたインテリアも初めて確認することができた。

今回のプロトタイプでまず目を引くのがボンネットだ。中央付近にはメッシュで覆われた大型エアスクープが設けられている。現段階ではボンネットを大きく切り抜いたような無骨な形状で、市販仕様の完成形というより開発テスト用の暫定パーツに見える。しかし重要なのは、RXにこれほど大きな開口部が必要とされている点だ。
フロントバンパーにも大型エアインテークやダクトが設けられている。パワートレインや補助クーラー、ブレーキなど、高負荷走行時の熱対策を徹底している可能性が高い。
長時間にわたって高負荷が続くニュルブルクリンクでのテストだけに、熱マネージメントは重要な開発項目のひとつとなっているはずだ。市販仕様では、現在の大型スクープがボンネット造形に溶け込んだエアアウトレットなどへ変更される可能性もある。

エクステリアでは、大きく張り出したワイドフェンダーも健在だ。リヤフェンダーは前方へ伸び、拡幅されたサイドスカートへつながっている。
足元には21インチのマルチスポークホイールを装着。その奥には大型のドリルドローターと赤いブレンボ製ブレーキキャリパーが確認できる。タイヤもフロント265/40ZR21、リア295/35ZR21というワイドサイズだ。

リヤには通常のRXにはない大径デュアルエキゾーストを装備する。現段階では既存バンパーをマフラーに合わせて加工したような仕上がりで、市販仕様では専用リアバンパーが与えられる可能性が高い。

インテリアは現行RXとは異なる仕様に?
そして今回、もうひとつ大きな収穫となったのがインテリアだ。
ダッシュボードの基本造形は現行RXを踏襲しているようだが、細部を見ると違いがある。
現行RXでは14インチセンターディスプレイの下部左右に大型の物理ダイヤルが組み込まれているが、今回のプロトタイプでは、この2つのダイヤルが確認できない。
撮影された車両を見る限り、その部分まで画面または表示領域が広がっているようにも見える。ディスプレイそのものを大型化したのか、物理ダイヤルを廃止して表示領域を拡大したのかは現段階では判断できないが、現行RXとは異なるインフォテインメントシステムをテストしている可能性がある。

RXでは通常モデルについても改良型プロトタイプのテストが確認されており、新しいインフォテインメントシステムの採用が予想されている。そのため、この変更がMorizo RR専用なのか、今後の商品改良でRXシリーズ全体へ展開されるものなのかにも注目したい。
さらにフロントには、固定式ヘッドレストと背面に大きな開口部を備えたスポーツシートを装着。サイドサポートも大きく張り出しており、現行RXのシートとは明らかに性格が異なる。
ニュルでの高速走行を考えれば、強い横Gが発生する状況でもドライバーを確実に保持するための装備と考えられる。一方、ステアリングやセンターコンソール周辺には現行RXとの共通点も多く、室内を全面刷新するのではなく、高性能モデルに必要な部分を重点的にアップデートしているようだ。
気になるパワートレインは……
そして最大の謎がパワートレインである。
現在入っている情報では、トヨタが開発を進める新世代2.0L直列4気筒ターボを核とし、電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムが有力候補とされている。システム最高出力については600ps級に達するとの情報もある。
実現すれば、366psを発揮する北米仕様「RX 500h F SPORT Performance」を大幅に上回る、RX史上最強クラスのパフォーマンスとなる。

今回のプロトタイプでは目立った充電ポートを確認できないため、PHEVではなく外部充電を必要としないハイブリッドとなる可能性も考えられる。ただし、パワートレインを含む最終仕様はまだ確定していない。
大型エアスクープ、強化された冷却系、ワイドボディ、大径ブレーキ、極太タイヤ、そしてデュアルエキゾースト。これらを見る限り、単なるRXのスポーティグレードとは明らかに異なる開発が進められている。
前回はその存在が見えてきた高性能RXだが、今回はニュルブルクリンクで本格的な高速テストに入り、さらに専用スポーツシートや新しいコックピットまで姿を現した。600ps級の「RX Morizo RR」が現実となれば、RX史上最強というだけでなく、レクサスの高性能SUV戦略を象徴する1台となりそうだ。