ユーザー目線でMT仕様設定 軽量で加速力と静粛性に満足

軽自動車の拡大版というそれまでの開発手法をあらためて、2004年に〝欧州で走りとデザインを磨き上げた世界戦略車〞と謳われた初代が登場してから数えて4代目に当たるのが、23年末に発表された、現行型のスイフトだ。
エクステリア




ボディは5ドアハッチバックのみで、全長は3860㎜とコンパクト。3つのグレードのすべてに、FFと4WD双方のシャシーが設定され、全モデルに新開発の1.2ℓ直列3気筒エンジンを搭載する。このエンジンは、バルブ挟み角と吸気ポート形状の最適化によって燃焼室内に強く速いタンブル流を生成させる4バルブDOHC機構を採用しながら、吸気側の可変バルブタイミング機構や電動式ウォーターポンプの採用などで高効化を図ったもの。最もベーシックな「XG」以外の2グレードのパワートレインには、さらなる燃費向上を目指して、マイルドハイブリッドシステムも組み合わされている。
乗降性


そんな現行モデルでの見どころが、中間グレードの「HYBRID MX」で、FF車に限って5速MT仕様が設定されていることだ。ライバル車の中には、スポーティさをアピールする目的でMT仕様が用意される例が見られるものの、スイフトはそうではなく「MTモデルを好むユーザーが今も少なからず存在するため」という理由が、何ともスズキらしくてユニーク。いずれにしても、現代のベーシックカーのごくオーソドックスなモデルで、MT仕様を選べるというのは稀有な存在だ。
インストルメントパネル

そうした中でテストドライブを行なったのは、前出の新エンジンをその特性に合わせるべく大幅にリファインしたというCVTと組み合わせて搭載するFF車。シート位置とチルト/テレスコピック機構付きのステアリングを調整して、ドライビングポジションを決めると、その段階で気付くのが各操作系の扱いやすさ。特にトグルスイッチとプッシュスイッチを組み合わせた空調コントロール系は、一見では古臭く見られるかもしれないものの、実は理解も操作もしやすい点に好感がもてる。
居住性


走り始めると車両重量が1tを切った軽量ぶりも効いて、動き出しの瞬間からなかなかの力強さ。同時に予想と期待以上に静粛性も高く、第一印象は好感触だ。アクセルの踏み込み量が増してもエンジン回転数のみが先行して速度の高まりが追い付かない、いわゆる〝ラバーバンド感〞は良く抑えられて、このモデルがまず狙ったであろう街乗りシーンでの動力性能は、全般に十分満足できる水準にある。高速道路へと乗り入れても加速の能力に大きな衰えは感じず、エンジンを発生源とするノイズもさほど気にならない。一方で、こうしたシーンでのロードノイズがやや耳障りに感じたのは少々残念だった。
うれしい装備






月間販売台数 1711台(25年11月~26年4月平均値)
現行型発表 23年12月
WLTCモード燃費 25.4㎞/ℓ※「HYBRID MX」のFF/5速MT車

ラゲッジルーム


直進性やコーナリング時の安定感に不満を抱く場面は皆無だったものの、わずかな路面の凹凸でも律儀にその感触を伝えてくるなど、乗り味が意外に硬めだと思えたシーンもあった。このあたり、燃費重視のエコタイヤをやや高めの内圧で用いているというチューニングとも関係がある部分なのかもしれない。


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