E63 AMG(W212)
先代から一新されたスタイリング

W211に代わる4代目として2009年の北米国際自動車ショーで公開されたW212型「Eクラス」。先代から一新されたスタイリングは角ばった直線基調となり、異形角形の4灯ヘッドライト、「ポントン・フレア」と呼ばれたリヤフェンダーが特徴となっていた。
若干の大型化にとどまったボディは剛性を35%強化しているが、シャシー面の進化よりもW221型「Sクラス」で採用されたCOMANDシステムのほか、Neck Proアクティブヘッドレスト、アクティブボンネット、アダプティブハイビームアシスト、アテンションアシストといった安全装備、またオプションながらナイトビューアシストプラスや、初採用となるレーンキーピングアシストといった運転支援システムを拡充しているのが大きな特徴といえた。
続く2009年のニューヨーク・オートショーでは、AMGバージョンの「E63 AMG」がデビュー。ボディはセダンとステーションワゴンの2タイプで、最高出力525PS、最大トルク630Nmを発生する6.2リッターV8DOHC M156E63型ユニットを搭載。それにあわせてトランスミッションも湿式多板クラッチのAMGスピードシフトMCTが採用されている。
リヤにエアスプリングを採用

もちろんシャシーにも改良が施され、トレッドが56mm拡大されたE63 AMG専用のフロント4リンクサスペンションを搭載。それに加えてスポーツ性能と乗り心地を両立するために、フロントにコイルスプリング、リヤのマルチリンクサスペンションにエアスプリングを用いているのも特筆すべき点だ。
そのほかスタンダードより22%早められたステアリングのギヤレシオ、3つのモードをセレクトできるESP、フロントに6ポットキャリパー+360mmのドリルドベンチレーテッドディスクブレーキなどを装備していた。
ちなみにオプションとなるAMGパフォーマンスパックには、エンジンスペックは同じものの、軽量鍛造19インチAMGライトアロイホイール、強化サスペンション、LSD、専用の3スポークステアリングなどが用意されている。
高性能なAMGパフォーマンスパッケージも

2011年モデルではダウンサイジング化の波を受け、エンジンを5.5リッターV8DOHCツインターボM157 DE55 LA型へと変更するマイナーチェンジを実施。525PSの最高出力はそのままに、最大トルクが700Nmにアップした5.5リッターユニットは、ピエゾインジェクターを用いた直噴システム、可変バルブタイミング機構、ディマンドコントロール式オイルポンプ、アイドリングストップ機構などの採用により、先代より大幅なCO2排出量削減を達成していた。
またオプションのAMGパフォーマンスパッケージは、先代と同じ内容を維持しながらエンジンの最高出力を557PS、最大トルクを720Nmへとアップ。これにより0-100km/h加速はE63 AMGの4.3秒に対して4.2秒とアナウンスされていた。
フェイスリフトで異形一体型ヘッドランプに

2013年、メルセデス・ベンツは不評だった角形4灯をやめ、異形一体型ヘッドランプへとフェイスリフトを行ったW212のマイナーチェンジモデルを発表。それに伴いE63 AMGもシリーズ3というべき後期型へ進化する。
エンジンは同じ5.5リッターV8DOHCツインターボだが、最高出力を557PSへとアップ。あわせてAMGパフォーマンスパッケージ仕様の出力も585PS/800Nmへと引き上げられている。
ボディはフェイスリフトにあわせてフロントバンパー、ミラー、サイドスカート、リヤディフューザー、ホイールなどのデザインを変更。加えて後期型から、セダンではRWDとAWDの4マティック、ステーションワゴンは4マティックのみの駆動方式が採用されることとなった。
