日産の主力ミニバン『セレナ』が、2028年前後にも次世代モデルへ移行する可能性が浮上している。

日産 セレナ

現行C28型は2022年12月に登場し、2026年2月にはマイナーチェンジを実施したばかりだ。“LUXION”と“ハイウェイスターV”のフロントデザインを刷新したほか、Googleを搭載した最新NissanConnectインフォテインメントシステムや、新機能を加えたインテリジェントアラウンドビューモニターなどを採用。現行型の商品力はまだ十分に高い。

日産 セレナ 次期型 予想CG

それでも、モデルサイクルを考えれば次の動きはすでに始まっていても不思議ではない。スクープ班が入手している情報では、次期セレナの登場時期は2028年前後が有力だという。

そこで今回は、入手情報と日産の最新モデルから見えてきたデザイン・技術の流れをもとに、次期型の姿をCGで予想した。

デザインで大きなヒントになりそうなのが、2026年に発売された新型『エルグランド』である。

新型エルグランドでは、フロントグリルからシグネチャーランプへ連続する造形や、シャープな灯火類を組み合わせた新世代の日産デザインを採用した。日産自身も「タイムレスジャパニーズフューチャリズム」というデザイン思想を掲げており、今後の国内向けミニバンにもその考え方が広がる可能性がある。

今回の予想CGでは、現行セレナのスクエアな基本プロポーションを残しつつ、フロントマスクを大きく変更した。

フロント上部には横方向へ伸びるスリムなLEDシグネチャーを配置し、その下にメインランプを独立させた。バンパー両端には縦型のLEDを組み合わせ、フロント中央には従来型のグリルとは異なる大型パネルを採用している。

イルミネーション部分に配置した“SERENA”の文字はCG独自の演出だが、次期型では現行モデル以上に先進性と上質感を強調した表情になるものと予想した。

サイドではA~Dピラーをブラックアウトし、ルーフが浮いて見えるフローティングルーフを採用。ボディ側面には後方へ向かって跳ね上がるキャラクターラインを設け、箱型ミニバン特有の重さを抑える方向としている。

ボディサイズも若干拡大する可能性がある。入手している情報では、全長とホイールベースをわずかに延ばし、とくに3列目の居住性と荷室の使い勝手を改善する方向が検討されているようだ。セレナの強みである広い室内を維持しつつ、ミニバンとしての実用性をさらに引き上げることになる。

そして次期セレナ最大の注目点となるのが、パワートレインである。

搭載が有力視されるのは“第3世代e-POWER”だ。

このシステムは、発電に特化した新開発1.5L 直列3気筒ターボエンジンと、モーター、インバーター、発電機、減速機、増速機の5つを一体化した“5-in-1 e-POWER電動ユニット”を組み合わせる。

日産によれば、第2世代に対して燃費と静粛性を大幅に高めたほか、一体化による小型・軽量化や振動低減も狙っている。すでに欧州ではキャシュカイに投入され、2026年発売の新型エルグランドにも採用された技術だ。

現行セレナのe-POWER ハイウェイスターV(2WD)はWLTCモード19.0km/L。次期型への第3世代e-POWER採用が実現すれば、単なる燃費向上だけでなく、高速巡航時のエンジン作動音や振動を抑え、長距離移動での快適性を高めることが重要なポイントになるだろう。

ただし、次期セレナの具体的な出力や燃費性能についてはまだ明らかになっていない。現段階で具体的な改善率を断定することはできない。

もうひとつ大きく変わりそうなのが電子装備である。

次期型では最新世代のProPILOTに加え、OTAによるソフトウェア更新を前提とした新しい電子アーキテクチャーの採用も考えられる。購入後にも車両機能やインフォテインメントを更新できるようになれば、従来のモデルチェンジとは異なる商品価値を持つことになる。

インテリアも大型ディスプレイや新しいユーザーインターフェースを中心に刷新される可能性が高い。2026年改良型ですでにGoogle搭載のNissanConnectを導入しているだけに、次期型ではデジタル化をさらに一段進めることになりそうだ。

価格は現時点では予想が難しい。電動パワートレイン、運転支援、コネクテッド機能などの高度化を考えれば、現行型より上昇する可能性はあるものの、ノア/ヴォクシーやステップワゴンと直接競う量販ミニバンだけに、価格競争力も重要になる。

2026年に大幅な商品改良を受けたばかりのセレナだが、その次に待つフルモデルチェンジでは変化の幅が一気に大きくなりそうだ。

新型エルグランドから始まった新世代デザインと第3世代e-POWERを、セレナという量販ミニバンへどう落とし込むのか。2028年前後とみられる次期型は、日産の国内ミニバン戦略を占う重要なモデルとなるはずだ。