「パワーがあるのに制御が素晴らしく、曲がりや立ち上がりも安定しています。非常に不安感なく攻めれる車でした」(レーシングドライバー谷口信輝さん)
数々の賞を受賞しているアイオニック5 Nのモータースポーツ仕様であるアイオニック5 N TAスペックは、これまでいくつも記録を打ち立ててきた。2024年に開催された「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」では電動改造車部門で優勝し、新記録を樹立している。

今回の「Attack Tsukuba 2025」でアイオニック5 N TAスペックは、車体の根本的な変更は行わずアイオニック5 N量産モデルの強みを際立たせるように設計。アイオニック5 Nの量産モデルの高性能PEシステムを維持している。また、ソフトウェアチューニングによって最高出力は687psに、リアモーターの出力を37ps向上させている。

追加の改良ポイントとしては、N Active Sound+(120dB以上出せる改良スピーカー)、新たなショックアブソーバー、リム径18インチのヨコハマ・アドバン005スリックタイヤ、そして独自のハイダウンフォース空力パッケージが特別に設計。さらに、レカロ製の Pro Racer SPA Hansシート、サベルト製の6点式Hansセーフティハーネス、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムレース仕様のロールケージ、EV用消火システムなどによって安全性が高められた。

果たして、レーシングドライバー谷口信輝さんのドライブにより57.446秒のラップタイムを記録。筑波サーキットにおける最速EV記録を樹立した。このタイムは、競合車よりも約2秒速く、モーター、バッテリー、制御電子機器など、主要部品のほとんどが量産モデルと共通であるにもかかわらず達成された快挙だ。谷口さんはこのようにコメントしている。
「他社EVで筑波サーキットのレコードを出したことがありますが、今回のアイオニック5 N TAスペックに乗らせてもらって、これまでの記録を大きく塗り替えることができて非常に光栄です。軽量化されているとはいえ、2tある車なので絶対的に重たい車です。それでも非常によく止まり、よく曲がります。パワーがあるのに制御が素晴らしく、曲がりや立ち上がりも安定しています。非常に不安感なく攻めれる車でした」

今回の記録を受けて、ヒョンデモビリティジャパンの七五三木(しめぎ)敏幸社長はこのように述べている。
「Attack 筑波 2025でのこの記録達成を、私たちは大変誇りに思っています。これは、ヒョンデがEV技術の進化に取り組み、卓越したパフォーマンスを提供することに対する強い姿勢を示すものです。量産部品を主体としたアイオニック5 N TAスペックによる勝利は、私たちにとって大きな節目となる成果です。この結果は、当社の技術力を証明するとともに、日本市場での存在感をさらに確かなものにしました」

なお「Attack Tsukuba 2025」では、特別な高性能パーツパッケージを装着したショーカー「アイオニック5 N DKエディション」も展示された。「DKエディション」は“ドリキン”として知られるレーシングドライバーの土屋圭市さんが監修し、ヒョンデの高性能ブランド「N」と、カー用品の販売と取付・交換サービス、車検・整備を提供する小売店舗で構成されるフランチャイズチェーン本部であるオートバックスセブンとのコラボレーションにより開発されたモデル。「DK」という名称は土屋さんの愛称「ドリキン(Drift King)」に由来している。
