DENZA Z

ニュルブルクリンクでタイムアタックを計画

新型フル電動スーパースポーツ「デンツァ Z」のエクステリア。
BYDが持つフル電動技術を注ぎ込んだ「デンツァ Z」は、2026年秋にニュルブルクリンク・ノルトシュライフェでラップレコードに挑戦する予定だ。

BYDグループが展開するプレミアムモビリティブランド「デンツァ」(騰勢)。2010年にBYDとメルセデス・ベンツ・グループの合弁会社として設立され、2014年に初の市販モデルを発売した。欧州のデザイン哲学から影響を受けた洗練されたスタイリングと、最先端のフル電動プラットフォームとテクノロジーを融合。2026年、欧州市場への本格参入を開始する。

今回、2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて初公開された「デンツァ Z」は、BYD副社長のステラ・リーと、元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンによってアンベール。パフォーマンスレベルの異なる「クーペ」「スパイダー「レーシング」「スペシャルエディション」をラインナップし、「スペシャルエディション」は2026年秋に、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおいて、ラップレコードチャレンジを行う予定だ。

BYDが独自開発した「e3スポーツカープラットフォーム」を採用し、3基のモーターによるトリプルモーターシステムは最高システム出力1604PSを発揮。足まわりには専用の「DiSus-M」流体サスペンションを組み合わせたことで、究極のドライビングマシンに仕上げられた。

航続距離は「クーペ」モデルが最大409kmを確保。「フラッシュ・チャージング・システム」に対応し、バッテリー残量10%から97%までをわずか9分で充電する。アンベールを終えたBYDのステラ・リー副社長は、デンツァ Zについて次のようにコメントした。

「デンツァ Zは走るために生まれ、勝つために開発されました。圧倒的なパワーと加速性能、卓越した運動性能によって、パフォーマンスの概念を塗り替える存在です。また、フラッシュ・チャージング・システムにより、その性能を妥協なく活用できる唯一の電動スーパースポーツとなりました。まさに新エネルギー時代のスーパースポーツが誕生したのです」

デンツァ専用「e3スポーツカープラットフォーム」

新型フル電動スーパースポーツ「デンツァ Z」のエクステリア。
「e3スポーツカープラットフォーム」は、フロントに1基のモーター、リヤアクスルに2基本のモーターを配置。最高システム出力は1604PSに達する。

デンツァ Zは、BYDがデンツァ・ブランド専用に開発した「e3スポーツカープラットフォーム(e-cube)」を採用。このプラットフォームは世界初となる「インテリジェント・トリプルモータートルク」制御システム、バッテリーとボディの一体構造、「DiSus-M」磁性流体サスペンション、第2世代ブレードバッテリーで構成される。

全てのモデルがフロントに1基、左右のリヤホイールに1基ずつのモーターを配置。システム最高出力は全モデル共通で1604PS、最大トルクは1240Nmを発生する。標準モデルの「クーペ」は0-100km/h加速が2.25秒、最高速度300km/h。パフォーマンス仕様の「レーシング」は、オプションのセミスリックタイヤを装着することで、0-100km/h加速は1.96秒に短縮、最高速度も349km/hに達する。

「スペシャルエディション」はサーキット専用に強化されたサーマルマネジメントシステムを採用。パワートレインの冷却性能が180%、バッテリーの冷却性能が30%向上したことで、システム最高出力は2000PS超、0-100km/h加速は1.7秒未満という驚異的な性能を実現した。「スペシャルエディション」の詳細なテクニカルスペックは後日公表される予定だ。

今回、新たに「タイヤバーストコントロールシステム」を搭載。タイヤのバーストを瞬時に検知すると、損傷していないタイヤへのトルク配分を瞬時に最適化し、駆動力を自動調整する。車両の安定性を維持するとともに、各種運転支援システムがヨー挙動も抑制する。

BYDが独自開発した、容量76kWhの第2世代ブレードバッテリーにより、航続距離は、「クーペ」が254マイル(約409km)、「スパイダー」が248マイル(約399km)、「レーシング」は236マイル(約380km)が確保された。バッテリーはBYD独自の「Cell-to-Body(CTB)」構造を採用。従来のバッテリーパックやモジュールを介さず、セルをシャシーへと直接配置し、乗員スペースのフロアそのものをバッテリー上面カバーとして利用する。

美しさと空力性能を両立したデザイン

新型フル電動スーパースポーツ「デンツァ Z」のエクステリア。
ウォルフガング・エッガーが手がけたデザインは、スーパースポーツとしての美しさと、エアロダイナミクス性能を両立する。

デンツァ Zのデザインは、デンツァ・ブランドが掲げる「テクノロジーがエレガンスを生み出す(Technology Drives Elegance)」を具現化。官能的な曲面と機能的なエアロダイナミクスを融合し、高速走行時に大きなダウンフォースを発生する。

「クーペ」と「スパイダー」の全長は4780mm、欧州市場向けモデルとしては、デンツァ史上最もコンパクトなモデルとなる。BYDのグローバルデザインディレクターを務めるウォルフガング・エッガーは、デンツァ Zを「スピードを体現する、生きた彫刻」と表現。光と影を巧みに活かしたボディラインは、空気を滑らかに切り裂きながらも、力強い存在感を放つ。

張り出した前後フェンダーはパフォーマンスを象徴し、低く細いベルトラインによってドライバーを車体中央に配置。フロントにはシャープなロアバンパーと特徴的なLEDデイタイムランニングライトを採用し、リヤセクションのダイヤモンド型テールランプが高級感を演出する。

フロント中央のエアインテークから取り込まれたフレッシュエアはボンネット上部のアウトレットへと効率的に導かれ、S字型のエアフローを形成。空気抵抗、ダウンフォース、冷却性能の最適なバランスを実現した。各コンポーネントの形状は単なるデザイン要素ではなく、高いパフォーマンスを支える重要な機能として設計されている。

ドライバーにフォーカスしたコクピット

新型フル電動スーパースポーツ「デンツァ Z」のコクピット。
コクピットはステアリングホイールを中心に、8.88インチ・デジタルメーター、12.8インチ・インフォテインメントディスプレイをレイアウトした。

コクピットは、フラットボトム形状のレーシーなステアリングホイールを中心に設計。モータースポーツから着想を得た専用ステアリングホイールには6基の物理ボタンが配置され、「トラック」モードや「ブースト」モードなどへと瞬時にアクセスすることができる。

8.88インチデジタルメーター、12.8インチインフォテインメントディスプレイをレイアウト。インテリアはカーボンファイバー、スエード調マテリアル、金属トリムなどの上質な素材を採用し、高級感とスポーティを両立する。

シートは快適性とスポーツ性を両立し、8ウェイ電動調整、4ウェイ電動ランバーサポート、シートヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能を備える。ヘッドレストには「Devialet」製オーディオ用スピーカーを内蔵し、「クーペ」と「レーシング」は12スピーカー、「スパイダー」は10スピーカー構成が採用された。

中国製ミドルサイズSUV「BYD シーライオン6」に試乗

BYDのミドルサイズSUV「シーライオン6」に試乗「驚異的静粛性と1200kmの航続距離」

BEVのみを日本市場に導入してきたBYDだが、世界的にはHEVやPHEVなど内燃機関も組み合わせた電動モデルもリリースしている。最新プラグインハイブリッドSUVの実力を確かめた。